Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

インターネット工事(DSL開設)

借りることに決めた部屋にはインターネットがなかったので、どこがいいか大家さんや不動産屋さんに聞いてみたところ、O2がいいんじゃないかということでした。

https://www.o2online.de/

確かに街中にも店舗がいっぱいあるし、それでいいっかと思って、Mannheimの街中の店舗に出かけました。ギリシャから来た女性の方が英語で対応してくれて、とても助かりました。日本はいい国だねえ~、とか適当なことを言っている。パスポートの情報もいるそうです。ドイツ銀行に口座も開設していたので、引き落としの手続きも済ませておきました。

 

・1回目のアポイントメント

しばらくするとメールが来て、工事の日の案内が来ました。3週間後でした。ちょっと遅いなあと思ったけど、まあ仕方がない。12:00-16:00の間だというので、語学学校を途中からサボってハイデルベルグに向かいました。大学の学食でご飯を食べてると携帯に電話がかかってきて、あと20分ぐらいで行くわーとのことで、はいはいと答えました。ドイツ語での初電話。

おじさんが到着すると文字通り土足で上がってきて、モジュラージャックに何やら機械を差し込みました。何かの信号を部屋から送っているようです。次に、事前に大家さんに電話線がある地下の部屋を教えてもらっていたので、連れて案内しました。いろいろいじりますがおじさんが何やら険しい顔。どうやらどのケーブルがうちの家からきているのかわからないらしい。2、3分試して、今度は家の寝室の方のモジュラージャックに機械を差し込んでもう一度トライ。やっぱり見つからず。と思ったらおじさんがなんと機械を片付けはじめ、ここにサインしろとタブレットを見せてくる。よくわからないからとりあえずサインしたら、今度は地下に行ってモジュラージャックを一つ取り付けて、ここからならインターネット使えるから、じゃあな!と颯爽と帰っていきました。

 

まじで・・・・

 

途方に暮れて少し泣きそうになりました。

 

いくらなんでも地下からWiFi飛ばして3階の部屋にたどり着くわけもなし…。O2のオンラインチャットで現状を説明してヘルプを要請しますが、まだ報告が来てないからの一点張り。もうしばらくすると携帯にSMSが入り、

Lieber o2 Kunde, da die Schaltung Ihres o2 DSL-Anschlusses durch den Techniker der Telekom heute nicht wie vereinbart erfolgen konnte, werden wir Sie morgen anrufen um schnellstmöglich einen neuen Freischalttermin mit Ihnen zu vereinbaren.
Ihr o2 Team

本日の工事は残念ながら成功しませんでしたね、とのこと。地下から使えと本気で言ってるのかと思ったから、ちょっと安心。大家さんにも一応相談してみる。工事をした電気屋さんに確認してもらったが、そんなあほなことあるか、ケーブル全部地下に敷いたわ、とのこと。

 

・あやしげな電話。

翌日語学学校中に電話がかかってきて、しかもかけなおせとのSMSメッセージ付きです。

Bitte um Rückruf Gruß Herr Dietze von O2 es geht um ihren Anschluss DSL. Und Telefon danke schön Danke.

かけなおしてみると、片言の英語。どうやら別の工事の人(Techniker)らしい。自宅から、地下の電話線のところまでケーブルが届いていない。ケーブルを新たに引く必要があるから、大家さんの許可を取れという。ただ、お前じゃ話伝わらんから、大家さんの連絡先を教えろというので、SMSで大家さんの連絡先を教える。

4日後、SMSが来て。

Guten Tag ihr verzierter hat ihnen die Telefon Leitung gezeigt machen sie einen neuen Termin bei der Hotline von O2 für einen neuen Telekom Termin bei Problemen wenn der Techniker da ist rufen sie mich an das ich mit dem noch sprechen kann Gruß Herr D**** von O2

お願いだから句読点と大文字はちゃんとしてほしい。。。Google翻訳さんが困ってしまう。とりあえず予約しろ、それで工事の人が来て問題があるなら俺のところに電話しろという意味だと思った。ドイツ語できないから予約もとっていただけませんかとSMSで返すが、それは俺の仕事じゃないからとのこと。一応試しに電話してみたが、あーだこーだいろいろ言われた挙句、俺はドイツ語しかしゃべらないんだと電話切られた。。。

契約したO2ショップに駆け込む。状況を説明して予約を取りたい旨を伝えるが、お前のところは3階から地下までケーブルを敷かないといけないから大家さんの許可がいることになっている。許可は取ったのか?と言われる。

いやー、そのだから、このもう一人の工事の人が大家さんと連絡して確認したところ大丈夫だと言っているんだが…と伝えても、そうか、ならその人が書いたレポートがO2に届くまで待たないとな。最大で48時間ぐらいはかかるかな。まあ、人生急いだって仕方がないこともあるよと追い返される。

その旨をもう一人の工事の人にSMSで伝えると、おまえは誰だと言われる。どうやら事務所の代表電話からかけているようで、折り返す際は自分の名前とかを言わないといけないらしい。わかった、それならそのO2ショップの人と俺が直接話すから、いったら電話してくれとのこと。じつはこの日も電話をかけたんだが、代表電話番号はいつも留守番電話。この人と連絡取るためには、SMSで連絡をとり、向こうから電話をかけてもらわないといけないらしい・・・あぁめんどくさ。

・二回目の予約

翌日、ショップに出かける。なんとかして電話をつなぎ、もう一人の工事の人と昨日と同じO2ショップの店員が会話することに成功。どうやらすべて通じたようで、わかったそれなら予約を取ってあげようということになった。

が、この日はO2のカスタマーセンターのサーバーが落ちているらしい。また一時間後ねと言われ、街中をうろついて待っていたが、今日はサーバーがダメみたいねとさらっといわれる。簡単に一時間とか待たせないでほしい…。連絡先を残し、予約が取れたら連絡するわとのこと。しかしこの日は連絡来ず。

さらに翌日。カスタマーセンターからSMSが来る。

Lieber Kunde. Bitte melden Sie sich zur Terminvereinbarung für den Leitungsbau bei unserem Techniker: 0151/4265776. Bitte halten Sie Ihre Kd.Nr. bereit. Sie benötigen eine Baugenehmigung der Hausverwaltung/des Vermieters, für die Installation der Endleitung innerhalb des Gebäudes. Ihre o2 Team

 と、要は新しい工事予約をとってくれとのこと。どうやら状況は改善していないらしい。

仕方がないからまた店舗に駆け込む。今回は最初に契約してくれたギリシャ人の女性スタッフ。いろいろ大変だったんだよと話し、ところで昨日のスタッフに予約を取るようにお願いしたんだが。。。というと、ああ彼は今日休暇だからね、とそっけない。スタッフ間でぜひ情報を共有をしていただきたい。

なんとか話が通ったところで、予約のお願い。彼女がカスタマーサービスに電話してみてもなかなかつながらない。なにせ平気で65分お待ちくださいといって音楽が流れる会社だ。。。15分ぐらい待ってやっとつながったところで、結局は工事予約用の電話番号が伝えられただけ、、、だから最初からこの番号に電話してくれって頼んでるじゃないか!とは口に出さず、予約してくれるのを待つ。何やら大家さんがいるときに工事しないといけない的な話になったらしく、情報が錯綜している。

次になんと大家さんの番号教えてと言って大家さんに電話。大家さんが直接工事予約の番号に電話すればいいじゃないというつもりらしい。おいおい、めんどくさい奴だなと思われて家から追い出されたらどうしてくれるんだよとひやひやになる。大家さんと電話が通じると、大家さんは午前中なら俺はいつでもいいからお前が予約しろという。自営業の特権。

「直接電話かけてくれりゃあいいのにねえ」と文句を言いながら、工事予約用の電話番号にかける。電話が通じると、次の予約は3週間後になるとのこと。「順番って何よ順番って!!こっちは目の前で客がもう一か月も待ってんだぞ!」と彼女が僕の代わりにキレてくれて、ちょっと溜飲が下がる。「ドイツ人はこれだからいやなのよ」とぶつくさ言いながら、なんと上司に電話。5分ぐらいまくしたてると、次の週の金曜日8:00-12:00ねということになった。

ところがどっこい大家さんにWhatsAppでその旨を伝えると、11:00から会議だわ。早めになとのこと。午前中ならいつでもいいんじゃなかったのかいと言いいながらショップに引き返す。次の週の金曜日は日本に一時帰国しているので大家さんに頼るしかないのだ。店員にせっかく取ってもらって悪いんだけど、大家さんこう言ってるし、次々週なら日本から帰ってきてるから変更をお願いできませんかねと頼んでみるが、変更というのはねえ…工事がうまくいかなったら次の予約は取れるんだけどと渋い顔。一応早めに来てねと伝えてみるわと、一応電話してくれた。

 

・三回目の予約

日本に帰るつもりだったが飛行機の乗り継ぎに失敗してウィーンで予約時間を迎えることになった。Technikerが来る前は電話が来るので、一応気にしながら待っていたが一向に連絡は来ない。予約時間から1時間過ぎた13:11にSMSが来て

Lieber O2 Kunde. Der Techniker ist zur Aktivierung Ihres DSL-Anschlusses zu Ihnen unterwegs und wird innerhalb der nächsten 10 Minuten bei Ihnen eintreffen. Bitte stellen Sie sicher, dass der Techniker Sie antrifft und ermöglichen Sie ihm den Zugang zur Wohnung und zum Hausverteiler. Wir wünschen Ihnen schon jetzt viel spaß mit O2 DSL. Ihr O2 Team.

あと10分で行くとのこと。そりゃ大家さんもう出かけたよ、なにが早めに来るだよと思いながら、あきらめました。

二時間後にまたSMSが来て、残念ながらお会いできませんでしたので、またのご予約をお願いしますと。日本に着いて次の日、買い物していたらO2から国際電話がかかってきて、今度の月曜日に工事8:00-12:00でどうですかというから、いいよと答える。ドイツ語電話も慣れたものである。

 

・四回目の予約

さあ、家族もドイツに来たし、そろそろネットつながらないとなと思いながら、でも来る前には連絡くれるしと近場のスーパーで買い物。ところがどっこいスーパーはなぜか携帯の電波が悪く、連絡が来てたのに届かなかったことに外出たところで気づく。不在着信があったらしい。あわてて家へ戻るも後の祭りで、来ましたけどあなたいませんでしたのハガキが入っていた。こちらのTechnikerはみなさんできるだけ仕事はしたくないらしく、いないならいないで、もう一回ぐらい電話かけなおしてくれればいいのに、みなさん速攻で帰られる。しかしまあ、今度はこちらの落ち度。

悪あがきしようとカスタマーセンターに電話を掛けて、もう一回Technikerに連絡を取って来てもらえませんかねと聞くが、こちらからTechnikerに連絡をとることはできません。しばらく待って次の予約をお取りくださいと言われる。

 

・五回目の予約

 さらに一週間後。今度は予定時刻8:00-12:00が過ぎたのに来ない。1時間ぐらい余計に待ってみたがやっぱり来ない。カスタマセンターに電話をかけて、英語でもいいですかといった瞬間、じゃあ英語できる人につなぐわとあっさり言われ20分待ち。もうちょっと方言英語でもいいから努力してくれればいいのに。状況を説明したところ、「Technikerはあなたがいない間に工 事を終えたかもしれません。モデムのチェックをしてみましょう」と悪いマニュアル対応。適当にあしらった挙句、「TechnikerからのO2へのレポートを待ちましょう」って、来てないんだからレポートあるはずないだろ!

翌日、新しい予約を取ってくださいとの連絡がSMSに来る。

 

・六回目の予約

その週の金曜日。今度は14:00-18:00の待ち合わせ。もう好きにしてくれである。あきらめ気味でのんびりお昼ご飯を友人と食べて、14:15過ぎに帰宅すると、すでに妻の案内で工事が始まっている! 今度は事前の連絡とかなかったんですが…。若いお兄ちゃんで頼りになりそうな感じ。5分も経つと地下で正しいケーブルを見つけ、「前の奴は一体どこに目ついてたんだ、、、」と嘆いている。てきぱきと15分ぐらいで作業を終え、大変だったな的な目で握手をし、颯爽と帰っていった。仕事ができる人はやっぱり違うなあ。

 

・開通後

DSLモデム兼無線ルーターの設定を終えたところでやっとつながった!!にはつながったが、まずSkypeができない。P2P通信が初期設定ではオフになっているようで、モデム側の設定を変える必要があります。次に回線がすごく不安定。もともと速度が出ないところに高速のWiFiを飛ばそうとするので、速度が出ないとすぐにWiFi信号をいったん切ってしまうようだ。さらにWindows 10にアップグレードしたDell Inspiron 1564だと相性がさらに悪く、こちらはしょっちゅう回線がつながってるかどうかを確かめに行くからもはやネットサーフィンすらままならない。PC側の無線の省電力設定とも疑ったが、そうでも無いよう。O2から届いたルーター機械の設定をいろいろいじっても治らない。結局有線で別の無線ルーター(AirMac)につないでからWiFiを飛ばすことで落ち着いた。別機械の方が多少回線が不安定でも頑張って無線を発し続けるようだ。

ネットにつながらないとパスワードの認証ができず画像すらPCからアップロードできないiPadとか、速度が速い前提で作られた無線ルーターとか。。。開発者の方々には、発売前にぜひ一度小田舎に行って動作チェックをしていただきたいものである。

その後請求書(Rechnung)が届いてPDFを見てみると、一回目の予約の時からネットがつながっていることになっているではないか!O2のチャットで文句を言うと、あらそう、じゃ来月からその分のお金を引いとくわと涼しい顔である。それと店舗で申し込んだためか、携帯電話の手続きとともに事務手続き手数料(Zusatzleistung(en) (ohne MwSt.) Einmaliger Anschlusspreis)が30ユーロほど取られている。ネットで申し込んだらこの辺りは節約できたかもしれない。まぁ、助けてくれたギリシャ人の懐に入るかと思えば、それも悪くはあるまい。

最後に店舗に行って、携帯とDSLの番号を両方伝えてコンビネーション割引をゲットし、ようやく手続き終了である。

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申し込みからDSL開設までまる二か月でした。O2という会社が悪いのか、ドイツ全体のシステムが悪いのかはなんとも言えないですが、、、最初に来た工事の人がまっとうだったら何事もなかっただろうに。おかげさまでドイツ社会を垣間見ることができたのがせめての収穫です。みなさん与えられた自分の仕事しかしない。会社のことも顧客のこともあまり考えでなさそうです。マニュアルからちょっとはみ出して頑張れば丸く収まるというところなのに、「なんでそれしなきゃいけないのよ?」となってしまう。そして基本的に仕事はしたくないらしい。

O2側としては、

「顧客と下請け間で予約をとる」

「工事報告書を受け取る」

「うまくいった→終了」

「うまくいかなかった→最初に戻る」

のルーチンをひたすら繰り返すだけだし、

O2から依頼されたTechnikerは

「顧客に電話する」

「現場にいく」

「人がいた→仕事する」

「人がいなかった→ハガキを置いて→最初に戻って次の顧客」

のルーチンをひたすら繰り返すだけ。

9割方は問題ないでしょうが、いったん例外が起こると対処にすごく時間がかかってしまいますね。誰も顧客のインターネットがいつつながるかをケアする人がいないです。まあ、生活が第一で、仕事はお金を稼ぐだけというのが徹底してるんですかね。。。

いろいろ大変でした。