Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

税関 (Zollamt)

・免税品の手続き

妻へのプレゼントに時計を買ったので、一時帰国するときに免税手続きです。フランクフルト発ウィーン経由で東京成田行き(9月4日からオーストリア航空ウィーンー成田便は廃止予定)でした。免税品を機内持ち込みする場合はウィーンで手続きをする必要がありますが、なにせ乗り継ぎが40分しかなかったので、預け入れ荷物に入れて、フランクフルトで免税手続きすることにしました。結局飛行機の遅延で乗り継げなかったので、なんでもよかったのですが…。

細かいことは下記のリンクに書いてあります。「払い戻しの手順 - (2) 品物をチェックインする場合」

免税手続きについて - Lufthansa ® 日本

 
  • 1.空港・お店で品物を購入した際、「Tax Free Shopping Cheque」を作成してもらい、自分で必要事項(氏名・住所など)を記入します。
  • 2.フランクフルト空港・ミュンヘン空港のチェックインカウンターで搭乗手続きをし、その品物(の入った手荷物)にもバゲージタグをつけてもらいます(ここでは絶対にこの手荷物を渡さないでください!)。
  • 3.タグのついた手荷物をそのまま『税関窓口』に持って行き、品物・パスポート・塔乗券の3点と「Tax Free Shopping Cheque」を提示して輸出許可のスタンプをもらったうえ、その場でチェックイン手荷物として預けます。
  • 4.「Tax Free Shopping Cheque」を提出し、付加価値税から手数料を差し引いた金額の払い戻しを受けます。払い戻し方法には、
    - フランクフルト空港・ミュンヘン空港の『税金払い戻しカウンター』で受け取る方法
    - 「Tax Free Shopping Cheque」を郵送して指定のクレジットカード口座へ振り込んでもらう方法
    の2通りがありますが、日本円で返金を受けたい場合は、端数まで受け取れる振り込みがおすすめです。成田空港に到着の場合は、ターミナル1到着階のJAL ABCカウンターでも受け取りが可能です。

時計を買った店は「TAX FREE」の加盟店だったので、支払をするときに免税手続きをお願いしますと英語で言うと、すごく長いレシートを出してくれます。申請書になっているので、名前など必要事項を記入します。

空港に着いたらまずは通常にチェックイン。係員の誘導に従って自動チェックインの機械で搭乗券を発行しましたが、免税品が入っているスーツケースであることを申告しないといけないので、手荷物預け入れる方(Baggage drop)ではなく、有人のチェックインカウンターに行く必要があります。なので、最初から有人のチェックインカウンターに並んでればよかったですね。誘導に負けない心が大事でした。

免税品の荷物はタグをつけられますが、そのまま返されます。「643」のカウンターにいけと言われましたが、臨時でほかのカウンターも受け付けていたような…?不愛想なお姉さんに、お店でもらった免税申告書、レシートと商品を見せます。OKが出るとハンコを押してくれます。そのまま荷物をもってあっちこっちうろうろしてしまいましたが、横のカートに荷物を置けばよかったそうです。言ってくれりゃあいいのに…。隣にある払い戻しカウンターでハンコが付いた申告書を見せるとお金が戻ってきます。現金かクレジットカードが選べますが、現金の方が少し手数料が取られるようです。

追記)なお、税関の説明によると、ドイツに3か月以上の滞在許可がある人は免税手続きの対象外だそうです。あんまりばれないとは思いますが。。。念のため。

http://www.zoll.de/EN/Private-individuals/Travel/Leaving-Germany/Tax-free-shopping/tax-free-shopping.html (英語)

http://www.zoll.de/DE/Privatpersonen/Reisen/Reisen-nach-Deutschland-aus-einem-nicht-eu-Staat/Zoll-und-Steuern/Tax-free-einkaufen/tax-free-einkaufen_node.html (ドイツ語)

 

・ドイツ入国時の税関

フランクフルト空港は何回か利用しましたが、税関は大体素通りでした。今回家族連れで荷物が多かったこともあり、荷物検査に引っかかりました。基本的には「高額」で「新品」のものがないかを探しているようですので、税関職員の疑問を適宜解消しましょう。新しい:neu(ノイ)、古い:alt(アルト)。英語たぶん通じると思いますが。一眼レフカメラやノートパソコン、スマートフォンなどについて質問されました。

 

・船便の荷物の税関

船便で段ボール二つ送ったのですが、二か月経ったら一個だけ届きました。

TrackingMore - All in one package tracking tool でもう一つ調べると、

Number:******************
Status: Expired
Destination Country - Germany
Origin Country - Japan

2016-XX+2-YY-3 00:00, Retention, GERMANY
2016-XX+2-YY-4 11:34, Departure from inward office of exchange, HAMBURG ISPS,GERMANY
2016-XX+2-YY-4 11:33, In Customs, HAMBURG ISPS,GERMANY
2016-XX+2-YY-6 06:58, In Customs, HAMBURG ISPS,GERMANY
2016-XX+2-YY-6 06:57, Arrival at inward office of exchange, HAMBURG ISPS,GERMANY
2016-XX-YY+2 11:51, Dispatch from outward office of exchange, KAWASAKIHIGASHI,KANAGAWA,219-8799
2016-XX-YY+1 14:48, Arrival at outward office of exchange, KAWASAKIHIGASHI,KANAGAWA,219-8799
2016-XX-YY 09:11, Posting/Collection, HANEDAKUKO,TOKYO,144-0041
======================================
Power by www.trackingmore.com

となっていました。「Retention」は「保管中」だそうです。何が起きたんだろうと税関に英語メールで問い合わせるも、すぐに返事が返ってきて、お前の荷物は郵便が持ってるとつれない返事。

http://www.zoll.de/EN/Service/Enquiries/enquiries_node.html;jsessionid=8E37374A91044E06D8079C8A7D484D59.live0512

今度は郵便局にチャットでドイツ語で問い合わせたところ(つながるまで何回もボタンを押した)

DHL Service-Chat

お前の荷物は税関に行った。今週中には通知が届くから待つように。とのことでした。やっぱり税関か。

 

しばらくするとDeutsche Postかから封筒が届き、

Sehr geehrte Postkundin, sehr geehrter Postkunde,

 

wir konnten eine an Sie gerichtete Postsendung, mit Herkunft außerhalb der EU, nicht beim Deutschen Zoll zur Verzollung anmelden. Ihre Sendung wurde daher bei folgendem Zollamt für Sie hinterlegt:

 

Zollamt Heidelberg

Dischinger Str. 8 im 2.OG Zimmer 206

69123 Heidelberg

--(営業時間など省略。月ー金7:30-16:00で金曜のみ14:30まで)--

 

Die Sendung liegt innerhalb der nächsten 14 Kalendertage (ab Datum dieses Schreibens) beim Zollamt zur Zollanmeldung für Sie bereit.

Nach Ablauf dieser First muss die Sendung an den Absender im Ausland zurückgesandt werden.

Wir bitten um Ihr Verständnis, dass Ihnen in dieser Sache aufgrund von zollrechtlichen und anderen gesetzlichen Bestimmungen zusätzlicher Aufwand entsteht.

 

Mit freundlichen Grüßen

Ihre Deutsche Post

 とのことでした。22kgもある船便で、価値を50000円と正直に書いたからか、荷物は税関送りになったようです。購入した明細書(印刷物に限る)などがあればもってこいとも書いてありましたが、妻の絵描き道具(使用済み)がほとんどなので、通知だけ持って手ぶらで行きました。

倉庫のような大きい建物がある一角にハイデルベルクの税関がありました。しばらく待つと中に通され、若者が荷物をもって出てきました。言われた通りに開けると、奥から責任者のようなおじさんがやってきて物色し、「このブラシはなんだ?新品じゃないか?」「この竹の筒はいったい何に使うんだ?」といろいろ聞かれます。「これはノリを塗るときの刷毛で、絵の具が付いてませんが新品ではありません」「妻が趣味で絵を描いているだけです」みたいなことを返しましたがおじさんは不満顔。若者がそこを取り繕って、申告額の17.5%の税金を払うことでまとめてくれました。もっと取られる可能性もあったのでしょうか?結局74.58ユーロでした。支払はクレジットカードでも受け付けてくれます。

(1)申告手続き
ア 申告手続きは,税関窓口にて口頭で行います(商用品,引越し荷物を除く)。税関職員が支払うべき関税額を計算しますので,課税対象物品を提示してください。
イ  窓口に物品を提示すると,税関職員は課税対象品であるかどうかを確認し,物品の数量,価値をもとに課税額を決定します。購入価格の証明となる資料がない 場合,税関に備え付けられたリスト上の類似品を参考に課税額が決められてしまいますので,購入時のレシート等を持っていると役に立ちます(特に土産用の民 芸品など一見して価値が判断できない物を持ち込む際には有効です)。また,税関窓口で税金を納付した場合には,そのレシートを保管しておくとEU域内の他 国に移動する際に有効です。
ウ 課税対象物品の価値が,旅行者一人につき700ユーロ以下の場合には関税率は一律17.5%になります。ただし, たばこ,アルコール類(ビールを除く)については,数量によって関税額が決まります(ビールについては簡易算定の対象ではありませんので,関税法及びビー ル税法に従って関税額が算定されます)。具体的な関税額については,ドイツ税関のホームページでご確認ください。
エ 課税対象物品の価値が,旅行者一人につき700ユーロを超えている場合,又は700ユーロ以下であっても定額関税ではなく個別物品ごとの関税の支払いを希望する場合は,税関職員が個々の物品について関税率表や関連する税法に基づいて関税額を算定します。
オ 関税の支払いはその場で行います。関税額が3ユーロ以下の場合は,徴収されませんが,算定結果のレシートのオリジナルを入手できます。
カ 関税の支払いをその場で行うことが不可能な場合,10日の猶予期限が与えられますが,課税対象物品は一時的に接収され,関税納入後に返却されます。

海外安全ホームページ: 安全対策基礎データ

なお、引っ越し荷物は非課税だそうですから、そうだと主張すればよかったかもしれません。

イ 引越荷物(Übersiedlungsgut)
 EU域外に12か月以上居住したあとに住所をEU域内に移転する場合,個人的所有物(Personal Property)については,非課税物品とされています。ただし,アルコール類,たばこ,商用品については非課税となりません。
これらの個人的所有物が非課税とされるには,原則として引越し前に少なくとも6か月以上使用したものであること,EU域内に住み始めてから12か月以内にEU域内に運送されることが条件となります。
 上記引越し荷物を非課税とするためには,税関で書面による手続きが必要となります。(運送業者をご利用の場合は,当該業者が通関手続を代行することが通例ですが念のために業者に確認することをお勧めいたします。)
 また,この手続きによって非課税となった物品は,届いてから12か月以内の他人への譲渡・販売は禁止されています。
ドイツ税関

http://www.zoll.de/EN/Private-individuals/Staying-in-Germany/staying-in-germany_node.html

しかしなにより大変だったのがこの22kgの段ボールを家まで運ぶことです。税関はS-Bahnの駅から少し離れていて徒歩7分ぐらい。次の日は筋肉痛になりました。

追記)70ユーロはちょっと痛いので、返金してもらえるかどうかを上記の英語問い合わせ先にメールして聞いてみたところ、以下の返事が返ってきました。申請書を埋めて、ハイデルベルクの税関に郵送したのですが、なしのつぶてでした。却下なら却下の返答してくれてもいいものを。うむ。。。今度時間があるときに一回怒鳴り込んでみますか。

If the requirements for the free import of goods as personal property are met, you could apply for refund. 

Here you find the requirements for personal property:
http://www.zoll.de/EN/Private-individuals/Staying-in-Germany/Transferring-residence/transferring-residence.html

Information on the refund procedure can be found here (in German only):
http://www.zoll.de/DE/Fachthemen/Zoelle/Abgabenerhebung/Erlass-Erstattung/Verfahren/verfahren.html

追記2)7か月後に返事が来て、なんとか関税を返してもらうことができました。ことの詳細はこちらの記事にまとめました。

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他にも何回か追加で日本から郵便物を送ってもらっているのですが、今のところ引っかかったのはこの一回だけです。引っ越しなんだよと言えば、もう少し何とかなったのかもしれませんが…。まあ、貴重なものもいろいろ入っていたようなので、70ユーロ払って取り戻せるならそれでよしです。税関に引っかかることも考えて、段ボールは一つ15kgぐらいまでにしておきたいですね。金額の多寡もそうですが、箱が大きくて重くて、中身がごちゃごちゃしていると、引っかかりやすいのかもしれません。研究室から本や資料などを30kgほど船便で送りましたが、こちらは特に何もありませんでした。価値は20000円(中古本)ぐらいと書いた気がしますから、特に価値が45ユーロを超えたら必ず税関に引っかかるものでもなさそうです。税関で待っているほかの人は、ネットショッピングの明細のようなものを持っていたので、新品はやはり目を付けられやすそうです。

ドイツ大使館 ドイツ総領事館 - ドイツに持ち込み可能な免税範囲

 空港で免税手続き行う際は時間に余裕をもって空港に到着したほうがよいです。スムーズにいけばなんてことはありませんが、僕のすぐ後に中国団体客がどっと押し寄せてきて、ほぼ全員が預け入れ荷物で免税手続きをしようとしていたので、運が悪いと相当待たされそうです。どこの航空会社も自動チェックインを推奨しているので、カウンターにスタッフが少なくなってきていますし。