Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

ユーレイルパスでドイツからフランスへ行く

ドイツ在住者がユーレイルパス(Eurail Pass)を使ってフランスにお出かけです。

 

・使えるのか?

旅行者向けの鉄道パスとして、よく知られているユーレイルパス。「ヨーロッパ居住者は使えない?」と、最初僕も思いましたが、よくよく説明を読むと、

ユーレイルパスを利用できるのは、ヨーロッパ各国の国民でない方およびヨーロッパ以外に居住する方のみです。ヨーロッパにお住まいの方は、Interrail.eu からインターレイルパスをご購入いただけます。ヨーロッパの国の国民でなくても、ヨーロッパに居住していることを証明できる場合は、インターレイルパスを利用することができます。 

 と書いてあります。「かつ」ではなく、「および」と書いてありますので、ヨーロッパ各国の国民じゃなければ、ユーレイルパスは使えるようです。また、ヨーロッパに住んでいるので、インターレイルパスも購入できるようです。下記の公式サイトからも確認できます。

ユーレイルパスとインターレイルパス、どちらを利用するべきですか? | Eurail.com

 

・購入

今回の旅の目的地はフランスで、大人(28歳以上)二人でいきます。ドイツ・フランスの二か国ユーレイルパス・5日間+1日(春先のキャンペーン中だったため)・二人セイバーパス・は490ユーロでした。インターレイルパスは、一か国パスがありますが、居住国のパスを買うことはできないそうです。グローバルパスも、居住国では、有効期間内で往復各一回ずつのみ使用できるそうです。この後、ドイツをいろいろめぐる予定にしているので、インターレイルパスはあまり使えなさそう。

ユーレイルパスのウェブサイトから購入。ドイツの住所を入力して、送料は20ユーロで、計510ユーロでした。

 

・座席予約

南仏方面まで行こうと、ハイデルベルク(Heidelberg)からの電車をいろいろ調べてみると、なんとパリを経由したほうが便利な様子。ストラスブール経由もなくはないけど、かかる時間があまり変わらないぐらい、ストラスブールーリヨン間のTGVが遅いらしい。フランスの中心はすべてがパリか。。。ドイツ国内はユーレイルパスを持ってるだけでICE乗り放題ですが、フランス国内のTGVは事前の座席予約が必要。なんでもパスホルダーに割り当てられている座席が少ないため、早めの予約が推奨されています。ドイツ・フランスを結ぶ国際ICEも要予約です。しかも有料。あまり気ままに途中下車旅をするわけにはいかないようです。

予約は、利用する列車の出発日の 3 ヵ月前から 1 週間前までの間に行うことができます。人気の高い列車は満席になる可能性があるため、ご利用の 2 ヵ月前のご予約をお勧めします。(公式サイト)

座席予約はユーレイルパスのウェブサイトからできるようで、予約しちゃいそうになりましたが、ここはドイツ国鉄(DB)のハイデルベルク駅のReisezentrumに行くのが便利。ユーレイルパスのサイトでは、座席の予約料金に加え、さらにユーレイルパスの運営会社が手数料や送料を取ったりしますが、DBの窓口ではその上乗せ分の手数料がありません。受け付けている駅の一覧は下記サイトにあります。ハイデルベルク駅はありますが、マンハイム駅には無いようです。

ユーレイル案内所 (Eurail Aid Office) | Eurail.com

 

窓口に行き、ユーレイルパスを持っているんだが、座席の予約したい旨を告げます。この時点でパスのヴァリデーションは必要ないです。マンハイム(Mannheim)→パリ(Paris-ost)、パリ(Paris Gare de Lyon)→南仏、そして南仏→パリ(Paris Gare de Lyon)、パリ(Paris-ost)→マンハイムの帰りの分も電車を選びます。出発まで二か月を切っていましたが、座席にまだ余裕はあったようです。一人分の予約料金はそれぞれマンハイム→パリ(13ユーロ)、パリ→南仏(10ユーロ)、そして南仏→パリ(10ユーロ)、パリ→マンハイム(13ユーロ)で、二人分なので計92ユーロ支払いました。予約手数料の一覧は公式ページで紹介されています。

ユーレイルの予約料 | Eurail.com

 

・本当にお得?

ユーレイルパスを使ったほうがお得なのか?今回は往復で移動の2日間だけパスを使い、残った4日間はどこか他へ行くので、パスの二日分料金だけで比べてみます。パスは6日間で510ユーロなので、2日間で170ユーロ相当。座席の予約料金92ユーロを加えると、計262ユーロ(特典+1日の5日間パス)でした。通常は5日間パスなので、それだと2日分は計296ユーロ(通常の5日間パス)。一方、DBとSNCFのサイトで同等の列車を予約すると、マンハイムーパリ間はSparpreis Europa Frankreich割引運賃で最安で往復約200ユーロ、パリー南仏間は列車ごとに料金が異なるので比較が難しいですが、最安の割引運賃で往復約80ユーロからチケットがあるようで、それだと最安で計約280ユーロ(通常割引運賃・最安)。約2か月前の予約だと、マンハイムーパリ間が往復約260ユーロ、パリー南仏間が往復約140ユーロで計約400ユーロ(通常割引運賃・2か月前)。変更可能な正規の往復運賃はマンハイムーパリ間で約400ユーロ、パリー南仏間で約200ユーロで、計約600ユーロ(通常運賃・正規)。料金はいずれも二人分です。

まとめると今回の旅程の場合だと、パスを使ったほうが100ユーロほど安くなりましたが、使わなくても3か月前から最安料金で鉄道サイトから予約すれば大体同じ価格でした。鉄道パスの良さはあんまり予定立てなくても、好きな列車に好きな時に乗れて、好きな時に降りれるところにあるかと思うんですが、パスホルダー向けの座席が限られているとか言われちゃうと、結局かなり前から座席予約することになり、予約するのにもまたお金を取られと、あんまりうまみがない感じです。どうせ予約するなら、普通に鉄道サイトでチケット買えば、スマホ一台で事足ります。一方パスだと、パスを頼んで郵送してもらって受け取り、事前に駅に行って座席予約をし、パスポート持って出発前にヴァリデーションするなどいろいろ面倒です。パスホルダー向けの座席がどれだけ用意してあるのか、いつ頃売り切れるのかが肝心なところですが、情報が特にないのでわかりません。

ただ、パスのほうが予約の変更が自由です。座席予約の分がどれだけ変更に対応できるかはちょっとわかりませんが(できると指定席券には書いてあるが・・・?有料?)、パス自体は好きな日にヴァリデーションすればよいですから、何かあっても比較的に安心です。もちろん、新しく乗る電車の座席が空いてないと変更できませんが。

なお、残った4日間分のユーレイルパスはドイツ国内で使用する予定です。ヴァリデーションから二か月以内に使い切らないと、無効になってしまいます。ベルリンやミュンヘンに行く予定にしていますが、こちらも料金はICEの最安値とどっこいどっこいのよう。ただし、座席予約は必要ではないので、旅程にある程度自由が効きそうです。

 

・子供

子供用の座席も聞いてみましたが、さらに追加料金がかかる(TGV、50ユーロぐらい?)ということなので今回はあきらめました。子供用のDBのチケット(名前や行き先を手書きで入力するおもちゃのようなもの)も2枚手に入れました。このチケットをICEのレストランで渡すと、おもちゃキットがもらえました。一応、ICEはFamilienbereichをお願いしましたが、復路だけとれました。普通の座席に"Familienbereich"と貼ってあるだけですが、まあ、うるさくてもここで文句は言わないでねというところでしょう。往路はテーブルがある向かい合わせの座席でしたが、向いのお二人がずっとパソコンで動画を見たかったらしく、子供が叫ぶたびに女性のほうがじろっと睨んだり、シーっ!っていったりと、ご立腹のようで、ザールブリュッケンからは空いているほかの座席のところへ行きました。悪いなあとは思うものの、口をふさぐわけにもいかず。。。こちらのしつけが行き届いてないのも多分にありますが、そうはいってもまだ2歳だしなあ。子供の声は女性には特に響くようで、動画に集中できないのもわかりますが。。。

行きのTGVに乗る前に子供が寝てしまい、座席も結構狭かったので、結局ドアの近くでベビーカーを出しっぱなしにして寝させることになってしまいました。まあ、静かでよかったですが、結局電車も1時間ほど遅れての長旅となりました。座席の隣の4,5歳ぐらいの男の子がおしゃぶりをくわえさせられて、ずっとスマホで動画見て静かにしてました。フランスのほうが、子供を静かにさせるしつけが厳しいようですね。

 

・感想

ICEは何回か乗ったことありましたが、安全・安心の乗り心地。座席間も広く、車内も明るいです。TGVは客車が二階建てになっていて、狭く、少し暗かったです。発車2分前には扉が閉まるようです。また、発車20分前近くまでにならないと、車両のあるホームが案内されないので、乗客みんなが掲示板とにらめっこして待ってました。パリー南仏間はノンストップで一駅で、車窓からは田園風景がずっと続きました。ICEだと、たいてい中ぐらいの町とかいろいろ通るのですが、TGVはただひたすら南仏を目指す感じでした。フランスって土地いっぱいあるのねえ。パリ・東駅と、パリ・リヨン駅の行き来は65番バスが乗り換えなしで便利です。20分ぐらいでした。あれこれあわせて乗り換えに1時間ぐらいは余裕をもって見積もった方がよさそう。復路の時は地下鉄でしたが、パリの地下鉄はほとんどエレベータがなく、道も入り組んでいるので、スーツケース+ベビーカーだと移動がなかなか大変でした。