Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

小児歯科(Kinderzahnarzt)

子供のU7aの検診時に、歯科健診にも是非どうぞということで、ドイツの歯医者に連れて行ってきました。

 

・歯科検診

知り合いの歯医者と、小児科で薦められたHeidelberger Milchzähne。山の中にあって、ハイデルベルクの街中からはいろいろ遠いですが、小児歯科専門はなかなかありません。電話で予約しましたが、英語もなんとか通じます。結構混んでいるようで、3週間ぐらい先の予約となりました。Uni. Platzから30番のバスでなんとかたどり着けます。Bosch Museumのバス停近くです。白が基調の明るい一軒家のような建物です。

Home - Heidelberger Milchzähne

 

初診なのでいろいろとアンケートを記入し、診察室ではまず歯科医と握手してご挨拶。握手と自己紹介って日本ではないですよね、なかなか。ベッド(診察台)に子供を横たわらせると、天井からぶら下げたスクリーンでアニメの動画見られるようになっていました。子供相手に道具の一つずつの用途を丁寧に説明して、恐怖心を取り除いてました。小児歯科専門だけあって、そこはなかなか気遣いが細かい。気軽な気持ちで検診に出かけたのですが、虫歯が何本か見つかりました。。。子供の虫歯は親の責任ですので、なんともいたたれない気持ちになります。子供もしょんぼり。本数が何本かあるというのと、ちょっと削りにくいところにもあるので、全身麻酔で一気に治療することをお薦めされました。

まさか全身麻酔をお薦めされるとは思ってませんでしたので、セカンドオピニオンを求めて、街中の一般の歯科(大人+子供も)にもかかることにしました。

Zahnarztpraxis am Römerkreis Heidelberg – Dr. Ebensberger & Kolleginnen

電話すると、こちらはすぐに予約が取れました。意見は同じで、全身麻酔をお薦めされ、そうじゃないと治療がスムーズにいきませんとのこと。どうしてもいやなら試してもいいけど、という感じでした。

 

・日本での虫歯治療

いろいろネットで情報検索してみると、全身麻酔は海外では当然の様ですが、日本の小児歯科医で取扱件数は増えているものの、まだまだこれからのようです。ちょうど日本に一時帰国する予定もありましたから、日本でも小児歯科医に聞いてみようということになりました。小児歯科の専門医はこちらから検索できます。Milchzähneでは歯間にできた虫歯のレントゲン写真もとってましたので、画像ファイルをメールで送ってもらいました。

専門医がいる施設検索|日本小児歯科学会

 

さて、日本。近くの小児科専門医がいる歯医者さんに伺い、まあ、根気強く少しずつ治療していきましょうかということになりました。帰国の予定が迫っている中、無理を聞いてもらい、予定をつめて治療を終わらせました。子供も結構根性があるようで、暴れて治療にならないということはありませんでした。歯間が狭いところに虫歯がありましたので、歯間ブラシを使うようにというのと、フッ素入りの歯磨き粉でコーティングをするようにという指導がありました。

 

・再び検診

何とか治してドイツに帰ってきて、三か月ぐらい経ち、歯科検診に行くことにしました。虫歯にかかるリスクは高いとのことでしたので、三か月ぐらいに一回はチェックすることを勧められていました。Milchzähneの方がしっかり見てくれた感じがしたので、行くのはちょっと遠いですが、こちらを選びました。

口を見てみてまず歯医者さんがびっくり。「こんな小さい詰め物どうやって子供に入れたの?」「これ全身麻酔なしで全部やったの?」と驚きっぱなしです。日本の時の歯医者さんの腕がよかったようです。「せっかくだからこれ写真撮っとくわ。」と言ってましたが、後で届いた請求書にはちゃっかり撮影代が請求されてました。。。まあ、保険降りたからいいけど。

安どしたのもつかの間、前歯の裏側に再び虫歯を発見。断定はできませんが、前歯(切歯:Schneidezahn)の歯間の虫歯を治すのに気を取られて、日本の歯医者さんが治療するの忘れたんじゃないかなあ。。。「本当は今日にもサッと治しちゃいたいけど、後がいろいろつまってるからまた予約を取ってお越しください。」とのことで、また虫歯の治療をすることになりました。歯のクリーニングも同じ時にお願いすることにしました。「続けてで大丈夫?子供耐えられるかしら?別の時の方がいいんじゃない?」と受付の人は半信半疑でしたが、歯医者慣れてるからと言って押し通しました。

 

・ドイツで虫歯治療

まずはクリーニングから。ベッドに子供を横たわらせてからビデオを再生開始。歯垢が染まる薬品でまず染めて、電動の歯ブラシできれいにして、最後は歯間クロスで仕上げ。まあ、どこの国も同じ感じですわな。手際の良さなどは日本の方が上のような感じです。

 

部屋に置いてあるぬいぐるみがなかなかイケていて、子供が喜んでワニの歯磨きをして遊んでいました。買うにはちょっと高いようですが。。。Handpuppen und Puppen - Zahnkönige

http://www.heidelberger-milchzaehne.de/wp-content/uploads/praxis_08-1508x1000.jpg

(http://www.heidelberger-milchzaehne.de/wp-content/uploads/praxis_08-1508x1000.jpg より)

 

そのあとに虫歯の治療。「神経まで行っているかどうかは微妙なところだけど、念のため麻酔をしてから削りましょう」とのこと。歯茎の表面に何か塗ってから(表面麻酔かな?)、続いて麻酔薬の注射。なんかずいぶん大掛かりな機械でしたが。。。昔と違って唇などほかの部位がしびれたりすることもなく、歯の痛みだけを抑えるそうです。

歯を削る機械の音を嫌がるかもしれないということで、次になんとヘッドフォンが出てきました。。。これは日本ではないんじゃないかなあ。アニメのビデオの音が聞こえるので、子供は口の中のことはほとんど気にせずにアニメに集中。治療後に口を押えても口を閉じなかったので、ヘッドフォン外して「口閉じていいよー!」といってやっと伝わるほどでした。

治療自体はシンプルというか、どこも同じというか。削って埋めてUVあてて表面を削って薬塗って。日本のお医者さんに比べると若干手際が悪くてちょっと時間がかかりましたが、しっかりと治療していただきました。「こんなに治療しやすい子はそういないわ。Unbelievableよ!」といってほめてもらい、子供も満足げ。治療が終わるとコインを一つもらい、廊下のガチャガチャでおもちゃが一つもらえます、さすがに歯医者でグミをあげるわけにはいきませんね。

定期的に検診とクリーニングをしてコントロールしていきましょうとのこと。最後握手してお別れするところを、妻がお辞儀してしまい握手し損ねてしまい、「日本人はそうするんだったわね。確かにそっちの方が衛生的かも(笑)」と和やかな雰囲気なまま治療は終了。まあ、虫歯菌(ミュータンス連鎖球菌)が死滅することはないだろうから、気長に共存していくほかありませんね。

後日請求書が届きました。歯のクリーニングは70ユーロほどで、虫歯二本の治療(削って埋める)はもろもろ合わせて250ユーロでした。Faktorと書いてあるところがいずれも2.3まででしたので、標準治療の値段だと思います。DAADのTarif 790の保険では、保険会社が75%支払ってくれますが、クリーニング費用も支払ってくれるかどうかはちょっと怪しいですかね。。。日本よりはちょっと高いといったところでしょうか。