Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

Europcarでレンタカー(3)

・傷?

親戚が来欧したときに、空港までの送迎や旅行に行くので、大きめの車(Intermediateクラス)を10日間借りました。15%引きのキャンペーンと20ユーロ引きのクーポンを使って、227ユーロでした。まあ、こんなもんですかな。週末は安いですが、平日はなかなかこれ以上は値段が下がらないです。実際に車はMazda 6 kombi (日本名 アテンザワゴン)の走行距離数千キロの新車でした。ATで、荷物もいっぱい入って、なかなか良い車でした。ナビオプション付けなくても、車載ナビがついてました。

Mazda6 Kombi

問題が起きたのは返却時のこと。車を点検していたおじさんがおもむろに、後右のドアとホイールアーチに傷がついているとクレーム。事故(Schade)と主張。見てみると、確かに少し塗装が剥げている。しかし身に覚えはない。車借りるときは鍵を渡され、そのままそそくさと乗ってしまったので、借りたときにすでにあった傷がどうかもわからない。。。

カウンターに行くと、受付の人がデジカメで車の写真をとり、レポートを作成。まあ、身に覚えがなくても、レンタル期間中についた傷ならこちらの責任になるわけで、、、しぶしぶその場では"Accident Damage Report"にサイン。Tuer Hinten Rechts Gestreift (9-8)、Radlauf Hinten Rechts Gestreift (12WA-8)だそうです。いくらぐらいかかるんだとお店の人に聞くと、確かなことは言えないけど、数百ユーロかなとの返答。後日請求書が自宅に送られるそうです。Europcarで追加で保険は購入していなかったので、950ユーロまでは免責。まあ、痛い出費だけど、、、何回も車借りてたらこういうこともあるかなと。免責が1セントになる保険をEuropcarで購入するとそれだけで10日間180ユーロかかってしまいます。

 

・修理代の請求書

二週間ちょっと過ぎ、自宅に請求書が届きました。なんとその額1045ユーロ。いったい何をどう計算したら見えるか見えないギリギリぐらいの塗装傷に1045ユーロもかかるんだ。。。二週間以内に振り込めとのお達し。

内訳をみてみると、修理見積代(Reparaturkostenkalkulation)は計約1150ユーロで、保険が効いて自己負担額(Selbstbeteiligung)が950ユーロ。それに手数料(Kostenpauschale)が95ユーロとのこと。

修理見積によれば、

Arbeitswerte

Tuer H R Instandsetzen 53.25 euro
Seitenwand H R KPL Instandsetzen 53.25 euro

Lackierung (塗装)

Tuer H R Reparaturlack ST III 15AW (15作業単位) 164.25ユーロ
Tuerschweller H R Reparaturlack ST III 10AW 109.50ユーロ
Seitenwand H R KPL Reparaturlack ST III 16AW 175.20ユーロ
Vorbereitung zur Lackierung (塗装準備) 17AW 186.15ユーロ
Lackiermaterial (35% von Lacklohn)塗装材料費 222.29ユーロ

に19%の消費税を加えて約1150ユーロだそうです。AWがついているのは作業時間に対しての作業費です。

調べてみると、Europcarなどの大手レンタカー店で修理代でぼったくることは結構頻繁に行われているらしく、イギリスでもEuropcarは調査の対象になったんだとか。

Europcar accused of fraudulently inflating repair costs | Daily Mail Online

1045ユーロをさすがにすんなり払うわけにはいきませんので、いろいろ調べることにしました。

 

・反論

まずはHeidelbergのEuropcarにいってなんでこうなったんだと聞きました。担当者が言うには、営業所は写真を撮って報告するまででおしまいで、修理代の計算は本部がやってるのでよくわからないとのこと。それじゃその撮った写真を送ってくれないかと言ったところ、すんなり送ってくれました。断られる可能性もあったので本当はレンタカー返却時に写真を撮っておくべきでした。

 

f:id:eulechang:20180221143757j:plain

 

ECRCS - European Car Rental Conciliation Service - Welcome

にも連絡してみましたが、こちらは国をまたがったときのみを対象としていて、ドイツ国内のことはドイツ国内でやってくれとのことでした。

Bundesverband der Autovermieter Deutschlands e.V. - Startseite

ドイツレンタカー協会もありますが、これはいかにも業界団体という感じで、あんまり消費者に役立ちそうにありません。

https://www.verbraucherzentrale-bawue.de/

消費者センターでも相談できますが、相談が有料なのでちょっと腰が重いです。

 

ということで、いろいろ調べて反論メールを自分で書くことになりました。

さて、主張ポイントは3つ。

1.車の運転中に異常を感じたことは全くない。また、車の点検に誘われておらず、この傷が借りる前からあった可能性を否定できない。

やっぱりちゃんと車を点検してから乗るべきでしたが、

Schadenmanagement | Europcar Autovermietung

によると、

Die Vorteile

Fahrzeug-Check gemeinsam mit einem Europcar Mitarbeiter*

*Innerhalb der normalen Öffnungszeiten und eingeschränkt zu Stoßzeiten.

 と書いてありますので、営業時間内で混雑していなければ、従業員と一緒に点検することは本来義務付けられており、そこを一応咎めてみます。

 

2.写真を見ると、ドアの塗装の傷は2cm以下である。2cm以下の擦り傷は事故とは認識されず、支払う必要はないはずだ。

Schadenmanagement | Europcar Autovermietung

So ist ein Schaden definiert:

Delle, Beule und Kratzer ab 2 cm 

 

3.ホイールアーチの塗装の傷も小さい傷である。これは本来定額の修理代が課されるべきであり、この場合最高で380ユーロ。今回の修理費計算書はそれを上回っている。

Richtlinie zum Schadenmanagement | Europcar

https://www.europcar.de/files/live/sites/Europcar.de/files/PDF/AVB/Preisliste_fuer_Bagatellschaeden_1117.pdf

 

これらのことから今回の請求書を受け付けられません。ということを頑張ってドイツ語にしてメールをschaden@europcar.comに送信しました。受け付けましたとの自動返信がありました。返信してからもう3か月が経っていますが、修理代がクレジットカードから引き落とされてもおらず、またこちらの反論に対する反論も、新しい額の請求書も届いておらずいまだ音沙汰なし状態です。まさか見逃してくれたりなんかして・・・?ドイツはそんな甘くないですよね。。。続報があればまた追記します。

追記)5か月が経ちましたが、音沙汰なしです。

 

・保険

免責額を下げる保険は日本のレンタカーでもありますが、大概は営業所の追加収入になってるだけで、保険としてはそんなに価値があるものではないです。自分で支払えないような高額なものを少額の保険料でカバーするのが保険だという立場に立つと、数百ユーロ(数万円)は払えない金額でもないですし、自分がほかのドライバより特に事故しやすいとかでもないと割が悪いはずです。まあ、いくら気を付けていても、駐車中にこすられたとかなれば、レンタカーを借りた人が弁償する可能性はあるので、いざとなれば運が悪いこともあるのかなという心構えはしていました。

とはいえ、修理代の計算がぼったくりで、どんなかすり傷も1000ユーロ請求するというのでは、さすがにやってられません。Europcarの保険は高いので、ほかにはないかなと探していると、insurance4carhire.com というのがよさそうで購入することにしました。

Car Hire Excess Insurance | Annual & Daily Policies | I4CH

Towergate Underwriting Group Limited.というイギリスの会社が運営している保険会社のようです。信用できるかどうかはなんとも言えないところですが。。。

41.99ポンドで、一年間ドライバーをカバーする保険で、免責額(Europcarの場合は950ユーロ)を負担してくれます。Web上で購入が終了し、約款や契約書などはメールで送られてきます。レンタカーを借りるたびにではなく、一年間何回借りてもカバーしてくれるのが良いところです(一回のレンタルで60日間まで)。それ以来事故はしていないので、特に保険会社の使い勝手はわかりません。

 追記)商用車(バン・トラック)などは対象外です。

 

・まとめ

Car Hire Guides | insurance4carhire.com

この保険会社が出しているレンタカーガイドはなかなか参考になりました。

 2. Checking the vehicle
Over 46% of our customers told us you take photos or videos of the vehicle before you drive away or sign the car rental contract. This avoids any unnecessary charges for damage that may have already been caused to the vehicle. Customers also mentioned it’s wise to take a torch in case it’s dark when you collect the vehicle. Lastly, remember to keep your paperwork for at least a few months after just in case you notice a sneaky charge appear on your credit card.

 たいして点検せずにレンタカーに乗り込むのは無防備すぎたんですね。。。

ということで、それ以降は必ず車両点検してから乗り込むことにしました。かすり傷がいっぱいだった車もあり、従業員にいちいち指摘してると、「わかったわかった」といって、「全面にかすり傷!」と契約書に書かれたときはちょっと笑いましたが。。。車の傷を事前に指摘するのはこちらの利益につながるので、こちらから声をかけないといけなかったんですね。。。これが彼らの仕事なので、声をかけると忙しそうにしていても、必ず応じてくれます。日本だと、店員さんがお客さんを車両点検に連れて行ってましたが、もめ事をなくそうとする日本文化とはちょっと違うようですね。

車を借りるときに、追加の保険も薦められますが、ほかで保険を購入してましたというと、それ以上特に何も言われませんでした。

車を返す時も、以前は営業時間外に返したり、「置いといていいよ」と言われたらそのまま置いていましたが、事故後は必ず従業員を呼んで、その場で手続きをすることにしました。何かあれば、その後交渉する可能性があるので、次は自分のカメラで該当部位を撮るようにしたいと思っています。