Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

中国・合肥へ行く(1)

上海から西へ約400kmいったところに、安徽省の省都である合肥市(He-Fei)があります。

合肥市 - Wikipedia

地方都市ですが、570万人の人口です。日本は大阪市で269万人ですから、すごいです。これでも人口は中国で67位だそうで。

2017年 中国都市人口ランキング1位~339位(GDP情報付き) – 中国語圏ビジネス支援のミツトミ株式会社

 

合肥市には中国科学技術大学というのがありまして、科学研究においては、北京大学・精華大学に次ぐ中国第3の大学だそうです。今回は小さな学会が開かれるということで参加してきました。

中国科学技術大学 - Wikipedia

http://top.at0086.com/Ranking/73_jp.html

 

・旅支度

ホテルは学会事務局から強く推薦されて、合肥贝斯特韦斯特精品酒店 Best Western Premier Hotel Hefeiになりました。Best = 贝斯特, Western = 韦斯特と当て字で来て、最後は Premier = 精品と翻訳ですか。ここからバスで学内の会場まで運ばれました。

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フライトはLufthansaでフランクフルト(FRA)-上海(PVG)。合肥にも空港があり、空の便でも行けたのですが、招待のボスたちは陸路の新幹線(高鉄)を指定されていたので、同行して移動することに。電車のチケットはTrip.comというサイトから購入できるようで、日本語もあって便利です。数百円の発券手数料が取られます。中国公式サイトからは手数料なしで購入できるようですが、身分証明書や中国国内の携帯電話番号が必要なので外国人には難しいですね。

航空券、ホテル予約、中国鉄道 新幹線 | Trip.com シートリップ

ハイデルベルクからフランクフルト空港は鉄道で移動。行きだけ事前にチケット購入。当日になって、ボスからタクシーで行くけど、乗る?っておいおいいまさら。。。お断りして空港まで一人旅です。

 

・上海まで

研究所からはボスと僕ともう一人の教授がこの学会に参加。空港で鉢合わせて搭乗までカフェで暇をつぶすことに。このもう一人の教授がどうやらGoogleオタクらしく、なんでも調べないと気が済まないというか、頭の回転が止まらないというか。フランクフルト近辺の雨雲レーダーを見てたかと思いきや、急にフランクフルト空港で一日ジェット燃料が何トン使われるか計算しようとか言い出す始末。昔受けたコンサルの就職面接のケーススタディってこんな感じだったなあ。しかし今からGoogleが使えない中国に行くんだけど大丈夫なんだろうか…?ほかにもトイレが壊れていると飛行機が1時間だか2時間までしか飛べなくて、カナダのど真ん中の空港に緊急着陸したとかいろいろ面白い話を聞かせていただきました。いやぁ、、、教授すげえ。頭の回転も、面白い話のストックも、雑学もぜんぜんかなわない。うちのボスもたじたじ。少し遅れて搭乗がやっと始まり、睡眠薬飲んでビジネスクラスへ消えていきました。大学の旅費の規則では、二時間を超えるフライトは、一筆書けばビジネスクラスにアップグレードできるのですが、うちのボスはまだ教授になりたてでそんな勇気がなかったらしい。指をくわえて、「今度はビジネスに乗ってやる!」と決意表明してました。

フランクフルト空港17:15発のLH 728便はAirbus A380 という二階建ての大型機です。エコノミーでも割と座席の設定は広めで、なにより静かなのが良い。中国行路線ですが、日本語の映画や吹替がいくつかあって、往復で3本半見て、久々に楽しみました。ちょっとは仕事しましたが、発表がないので気分が楽です。

 

・映画


(一応Amazonアフィリエイトです。こうでもしないと権利がうるさくて画像が貼れませんので。。。)

「DESTINY 鎌倉ものがたり」堺雅人&高畑充希主演、山崎貴監督。突拍子もないおばけ物語なんですが、家族愛を描く結構印象深い作品でした。途中涙ぐむ場面もあったりなんかして、年取って涙腺弱くなったんでしょうか。お二人とも役にぴったりな感じです。

 

「ミックス。」新垣結衣と瑛太主演、石川淳一監督。卓球混合ダブルスの話なんですが、テレビの企画ものの番組を映画で見せられているような感じで、ちょっといまいちでした。コメディにしても、もう少しなにかほしかった感じです。ガッキーかわいい、ヒロスエもまだまだかわいい、蒼井優なんでもできるなあ、瀬戸康史はリーガルハイのときの岡田将生と同じような雰囲気がしました。

 

「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」原題は「Darkest Hour」。ゲイリー・オールドマン主演、ジョー・ライト監督。オールドマンは第90回アカデミー賞の主演男優賞、チャーチルのメイクで、辻一弘さんがメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したのも話題になりました。イギリスの映画です。

ちょっとチャーチルをよく描きすぎな気もしますが、戦争の裏の政治の駆け引き、しかも作戦決行までの短い時間に焦点を当てたのは面白かったです。吹替で見終わった後、もう一度英語で見直しました。いきなり英語だと、悲しいかな、意味わからないところがまだまだ多いですからねえ。。。近代史の勉強にもなりました。途中、ヒトラーの演説がドイツ語で流れてきて、チャーチルが聞きたくないからドアを閉めるシーンがあるのですが、イギリス人にとって耳障りな感じが、ドイツ語を勉強してよくわかりました(笑)。

しかしまあ、メイ首相の演説をテレビで見たことがありますが、イギリス首相の演説は格調高いです。それに比べて日本の国会演説は。。。法廷みたいに言葉尻をとらえ始めると、ぼろを出さない答弁、うそにならない演説になってしまうのはわかりますが、、、チャーチルみたく、言葉で人の心を動かすような演説を聞いてみたいものです。塩爺がいた頃は、答弁は無茶苦茶でも、その人が何を考えているかはよく分かったものですが、今やそんな人は麻生さんと二階さんぐらいでしょうか。話が逸れました。チャーチルの秘書のエリザベス・レイトンは実在の人物で、チャーチルに関する回顧録も出版しているようですが、本作ではフィクションの演出が結構加えられているようです。

Elizabeth Nel - Wikipedia

 

 (タンブラーはAmazonの抱き合わせ商法です)

「リメンバー・三―」ピクサー製作、リー・アンクリッチ監督。原題は「Coco」。こちらも第90回アカデミー賞の長編アニメ映画賞と主題歌賞を受賞しました。ラボのメキシコ人から、家族で見てとてもよかったとお薦めされていました。実際メキシコでは骸骨柄がよくあるし、文化背景は結構現実に即したものになっているようです。生死の難しいテーマを正面から描いてる印象です。しかし、死者(黄泉)の国のイメージがなんか鎌倉ものがたりとよく似てるなぁ。不思議なものです。死という恐怖を各国の文化がどのような方法で和らげるか、いつかは死んでしまうけどどうやって気を取り直して今をしっかり生きようと思えるようにするのか。そのあたりは面白いですね。

映画は、さあこれからというところで飛行機が着陸。チャーチルを英語版で見直した時間がたたりました。続きはええっと、、、金曜ロードショーでやってくれないかなぁ。

 

・上海浦東国際空港

上海浦東国際空港に到着。外国人は全員まず機械で指紋を登録するようです。入国審査でもう一度指紋を確認して入国。ドイツ人たちは要VISAですが、日本人はVISAなしでOKです。思ったほどは暑くないなあ。現地ではもう一人の教授の知人が上海で研究室を主宰しており、夕方の合肥行きの電車までの間、上海を案内してくれる運びとなりました。

 

続く