Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

中国・合肥へ行く(2)

・上海

上海浦東国際空港から市内の人民広場へはタクシーで一時間ほど。現地の外国人PIが滴滴(DiDi)という携帯アプリでタクシーを呼び出してました。言葉は通じないけど、これなら場所や料金の間違いがなくて安心とのこと。5人+荷物も載れるワゴン車も選べて便利です。待ち合わせ場所がわからなくて、運転手さんに来てもらいましたが、タクシーのところに並んでるわけではなく、立体駐車場の中で待っているので、そこに行けばよかったみたいです。

外国人が中国でPIをやるのはどうだい?という話になり、言葉は通じないけれど、通勤バスなどいろいろサポートしてもらって、できないことはないということでした。大学院生たちが自分の人生を決められず、親の意向に左右されることに驚いたとも。結婚にしても、進学や留学にしても、西洋人からすると、親の影響が大きすぎると映るようです。

タクシー運転手とも雑談。地方の小役人が昇進したとたん母親の誕生日会を開いて、贈り物を集めるようになった話とか、近頃は結婚する時の出費がかさみ過ぎて、男の子より女の子の方が人気あることもしばしばとか、昔は年に一度の帰省だったのが、今はITが進んで何かある度にすぐに実家に連絡とるようになったとか、アリババ創業者の馬雲の出身地の杭州ではIT化がすごいごとになっているとか、とかとか。

そうこうしているうちに人民広場に到着。そこまで暑くもなく、そこまで空気も汚くない感じでした。上海へは10年ぶりぐらいでしたが、ずいぶん大気汚染は改善されたようです。そこから歩いて外灘までぶらぶら。教授の一人はさっそく短パンに履き替えてました。

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うわさのメイソウは賑わっていました。DAISOとユニクロを混ぜた感じ、なかなか思いつかないですね。平日ということもあって、目抜き通りはそこまで混んでいませんでした。特に食べ物のにおいでむんむんとすることもなく、普通の大都市といった感じでしょうか。中国らしいごみごみした感じはあまりなかったです。

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外灘からの眺めも壮観です。上海には大丸もあるのか、すごいなあ。あんまり繁盛はしてませんでしたが。そこからタクシーで、小籠包で有名な鼎泰豐へ遅めの昼食。ゆっくりしたいのはやまやまですが、合肥への電車も迫っているので急いで食べて、上海虹橋火車站へ地下鉄で向かいます。

 

・高鉄

降りてみると、駅が大きさにびっくり。縦にも横にも広くてまるで空港です。まあ、実際すぐ横に虹橋空港があるんですが。実際の導線も空港のように、入口は一つ(か二つ?)しかなく、ぞろぞろと結構歩かされます。地下に出口、地上に電車が走り、入口・待合室は2階という感じです。

チケット売り場や引き換えのための機械がずーっと並んでいますが、今回Trip.comで購入したチケットはパスポート番号で本人確認のため機械では受け付けられず、チケットをもらうのに窓口に並ぶ必要があります。地下の売り場は長蛇の列で、列車はあと20分ほどで発車。焦って聞いてみると二階の待合室のところでも窓口があるというので、そちらへ急いでいきました。

荷物検査をすませて、窓口へ。引き換えなどは優先窓口でもよいということで、パスポートと予約番号を見せてすんなりチケットを入手。間一髪間に合いました。二階の待合室から改札機を通って各ホームへ降りるようになっていて、人が通れないぐらい列ができていました。「指定席なんだから並ばなくてもいいんじゃないの?」というボスの指摘はごもっともですが、それでは食いぱっぐれるのが今までの中国でしたから、習慣はそう簡単に変わらないということでしょうか。実際、ゲートが開くのは発車の10分前とかで、改札機も2か所に計6台ぐらいですから、これで全員通すとなると、並んでくれてないとちょっと無理な感じもします。

和諧号 - Wikipedia

中国の高速鉄道は様々な車両が入り乱れていて、日本の新幹線ベースのものと、ドイツのICEベースのものなど、いろいろあります。車両番号は控えませんでしたが、上海虹橋から合肥南への列車は日本の新幹線ベースの和諧号CRH2型でした。まさに瓜二つといったところで、座席に貼るシールの色調まで一緒で驚きました。列車はほぼ満員。検札は特に来なかったですが、ワゴン販売が結構盛んでにぎわってました。給湯設備があるのも中国らしいところでしょうか。

中国高速鉄道CRH2型電車 - Wikipedia

 

・合肥

特に遅延もなく、19時過ぎに合肥南駅に到着。2014年に新設の駅で、上海駅と同じような構造してました。デカい。改札を出ると、学会の方が立っていて、お出迎え。学生さんが奪うようにもう一人のボスのカバンをひったくって車に積んでいきましたが、これも中国式のおもてなしでしょうか。合肥は小さい街だからとお迎えの方が謙遜しますが、いやいやビルがびっしりで道路も立体交差でどこが小さいねんと突っ込みたくなります。サマータイムもなく、19時ですっかり夕暮れ。この方が体のリズムに会いますね。ホテルにチェックインしてあらびっくり。メゾネットタイプで2階にも寝室が…シングルで泊まるのはもったいないですね。外国人PIをお迎えするのはこれぐらいでなくっちゃということでしょうか。さすがです、合肥貝斯特韋斯特精品酒店。

夕食はホテルのレストランでビュッフェ。奇をてらわない一般的な中華料理がメインでおいしくいただきました。ドイツと比べるまでもなく飯がうまいです。出張中は一度もパンを食べずに、飯・麺・粥で通しました。朝食と夕食はずっとここで、昼食は中国科学技術大学の食堂でしたが、ここもうまい。ついつい食べ過ぎてしまいます。

学会は滞りなく進み、海外から招待した演者が面白いトークをするのはもちろんのこと、中国国内発の研究も面白くなってきました。人海戦術はもちろん健在ですが、アイデアも面白くなってきた感じです。10年弱前にも違う分野の中国でのミーティングに参加したことがありますが、そのころはまだ差があった感じがしたので、だいぶ詰めてきました。これからこういう人たちと競争していかないといけないわけで、先が思いやられますね。よりアイデアで勝負しないと、正面突破ではスピードで負けてしまいそうです。ポスターセッションもあると書いてあったのに、実際貼られたポスターは2、3枚だけ。要旨集にも情報を隠すために"因子X"と堂々と書いてあって、情報戦が厳しいです。

夕食後は外国人PI達と酒場へ。現地人も一緒に混ざって飲めばよさそうなものを。。。遠慮でしょうか。いろんなタイプのPIがいて、それを間近に見れたのが今回の一番の収穫でした。研究がすごいだけでなく、人のキャラクターとしても魅力的な人が多かったです。おしゃれなバー"CHI CHI"で出てきたビールはベルギーのHoegaarden WhiteとドイツのFranziskanerで、中国まで来て何飲んでんだって感じでしたが。。。沈殿物がある白ビールはグラスに注いで飲むのが正しく、ラッパ飲み厳禁なんですか、そうですか。みんなこだわりがあって話を聞いてるだけで面白いです。ゲテモノ食いの話になって、スウェーデンのシュールストレミング(塩漬けのニシンの缶詰)はまだ食べれると豪語してた人が、あれはひどかったといったのがイカの塩辛だそうで。日本に出張したときに食べさせられたけど、あれは食べ物じゃないと言ってました。うちの韓国人ポスドクは好きだって言ってたんですが。。。国際的に活躍する彼らも、家族や国籍の話になるといろいろ悩みが多いようでした。

学会が終わり、ボスはまだ用事があるというので、一人でドイツへ帰国です。帰りの高鉄も前日にネットで予約しました。チケットを引き換えようと窓口に並びますが、空いてる窓口が一つしかなく、ホールの外まで並ぶ大混雑。払い戻しや変更など、まだまだ機械で対応してない作業を、女性社員が一人で懸命にさばきますが、とても追いつきません。早めに来といてよかった。社員が並んでるお客さんに怒鳴ったりしているのは元気がある証拠。大変な状況にまわりも少し応援モード。

駅構内に水餃子と油条のお店があり、欲張って食べてしまいましたが、あとで少し気持ち悪くなりました。。。あぁ。。。この年になってなお食べ過ぎるって。。。

上海行きの電車はドイツ・ICEベースのCRH3型でした。

中国高速鉄道CRH3型電車 - Wikipedia

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