Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

出産までの道のり(3)

・日本かドイツか

まずは、ドイツで産むか、日本で産むか。日本での妻の実家の近くの産院にも問い合わせてみたところ空きはあるそうで…。うーむ。ドイツで出産された方にお話を伺ったりすると、何とかはなってそうで、長男の日本での幼稚園探しなどいろいろ考えるとここはドイツでと相成りました。特に決め手はないですが、主治医のGüntherさんが頼もしいというのと、ドイツの医療機関はいろいろ余裕がありそうというのも考慮に入りました。いろんな科を合わせると所属している医師だけで36人いますからねえ。これで年間1400人の出産を診てるらしいです。長男が生まれた日本の病院は年間1200人の分娩を7人の常勤医で診てました。もちろん出産だけが産婦人科の仕事じゃないし、これにバイトの医師も加わるので目安でしかありませんが。

Arzt Archive - Klinik Sankt Elisabeth

実家からのサポートがない分、僕(夫)が頑張りましょうということです。

 

・食事の準備

ドイツで出産するにあたっての懸念事項の一つに食事がありました。病院食は食えなくはないけど、体が弱ってるときぐらいは好きなものを食べたいということで、ちょうど日本への出張もあり、日本からいろいろ取り寄せました。出産後も僕のレパートリー(中華丼、チンゲン菜炒め、チャーハンなど)だけだと不安だということで、セットになっているレトルト食品の惣菜を発注しました。

金沢ふくら屋

他にもおにぎりやスープを作り置きしたり、餃子を作り置きしたり、北海水産ですぐに食べれる水産物をいろいろ頼んだりと冷凍庫をパンパンにしました。

 

・産院の予約?

二人目だし、母親教室的なものには申し込みませんでした。予定日の8週間前ぐらいになっても、お産の準備の話が全然来ないので、「あの、産院の予約とかしなくても大丈夫ですか?」とGüntherさんに聞いたところ、「それなら次の検診のあとに僕が案内してあげるよ」とのこと。予定日の6週間前の検診は木曜の午後6時半になって、検診終了後にGüntherさん自らKlinik Sankt Elisabethの分娩室や病室などを案内してくれました。分娩室は幼稚園張りのカラフルな色遣いでびっくり。そして経営状態をこっちが心配するぐらい結構空いてる。。。

Rund um die Geburt - Klinik Sankt Elisabeth

結局予約らしい予約はなく、なんかあったらここにきてねとのこと。この辺りは余裕を感じるというか、不安を感じるというか。。。ちなみに、検診の治療費の明細にGüntherさんによる産院案内はちゃんと書かれていて、有料でした(10ユーロ程度)。この辺りはがっちりしてますなあ。なお、通常は産院をいくつか見学して選ぶようですが、主治医がいるところでしょうということで雰囲気的にKlinik Sankt Elisabethになり、特にほかは見ませんでした。ハイデルベルクのNeuenheimではほかに

Krankenhaus Salem Das Wunder der Geburt  1200分娩/年

Uniklinik Heidelberg https://www.klinikum.uni-heidelberg.de/Willkommen.119359.0.html 1300分娩/年

があります。ちょっと多すぎ、、、というか固まりすぎ。

 

・自然分娩か帝王切開か

長男は逆子のため帝王切開( Kaiserschnitt)でした。そこから4年経ちました。日本だと、通常は二人目も帝王切開だそうです。当ブログは医療情報について責任をもって提供できる立場にないため、具体的な議論は避けますが(書くとなるとちゃんと書かないと誤解を生む恐れがある)、英国のロイヤルカレッジが提供しているガイドライン(英語)が、エビデンスと確証度も示していて一番信頼できました。僕が一読して妻に説明すると妻は日本人の体は違うんだと主張してましたが、、、Googleで検索してる限りでは、日本人を対象にしたこれほどしっかりした資料は見つかりませんでした。

https://www.rcog.org.uk/globalassets/documents/guidelines/gtg_45.pdf (英語)

あれよこれよともうすでに予定日3週間前。主治医のGüntherさんから何も言われないので、こちらから、「実はいろいろ心配なので帝王切開にしようかと思うんですが」というと、「おおぉー。全然自然分娩で大丈夫かと思ったけど、まあ、そういうならそうしようか。」とやっとこさ出産へ向けての段取りが始まることに。

帝王切開についてのリスクなどを説明した用紙を渡され、読んでくるようにとのこと。帝王切開日については、予定帝王切開の方は基本的に火曜日に摘出してその週末には退院とのこと。Güntherさんが大丈夫っていうので、予定日の4日前に設定してその前に陣痛が来たら来たで自然分娩で臨む方針にしました。麻酔科医のところも案内され、麻酔についての説明シートを渡され、前日に麻酔科医との面談も設定しました。

予定日の一週間前の検診で、やっぱりできたら自然分娩でいきたいということになり、Güntherさんに相談すると、それなら帝王切開の日を一週間後にずらして、予定日の3日後としました。直前まで優柔不断になってしまいましたが、特になんともなく受け入れていただいて感謝感謝です。

 

・出産準備

まずは入院パックの準備。Klinik Sankt Elisabethの病院のサイトに必要なものリストがアップされてました。だいたいこれで事足りました。

https://www.sankt-elisabeth.de/wp-content/uploads/2016/10/Flyer-Tipps-zum-Kofferpacken.pdf

ドイツ語の婚姻証明書(Heiratsbescheinigung)が必要ということで、ちょうど日本に出張もあったので、戸籍謄本とりよせて、フランクフルトの総領事館で発行してもらいましたが、滞在許可申請時の戸籍謄本のドイツ語の認証翻訳で事足りたようで特に必要ではなかったようです。

帝王切開に備えた麻酔科医との面談で、妻はときどき不整脈があったことがあると伝えると、念のため心電図を取ってきてということになり、その足で近くのクリニック(ホームドクター的な)へ行き、心電図を産院へFAXしました。

麻酔科医との面談後は分娩室(Kreißsaal)の方にも行ってくださいとのこと。行くと助産婦さんが出てきて、どうやら何の説明もいっていなかったようで、普段はGüntherさんに診てもらってると伝えたうえで一から事情を説明しました。。。大丈夫か?でも助産婦さんも驚いてなかったし、こういうもんか?帝王切開予定日の前日にGüntherさんのところで説明などを受ける予定でしたが、助産師と産婦人科医が相談して、もうブリーフィングしてしまいましょうとのことに。診察室に通され、説明を受けたのちに採血も済まし、あとはいつ産んでもよい状態に整えました。予定日の5日前のことです。