Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

出産

・陣痛?

そろそろ産まれないかなー、運動したら早く生まれるかなー、スタミナつけるためにも入院前にあれ食べとかなくちゃ、とか言っていた予定日の3日前の夜。これ陣痛かなあと首をかしげながら夕食準備を妻がしていました。陣痛ってはっきりわかるぐらい痛いんじゃないのか。。。なんかあったら連絡してねと夕食後に研究室で解析作業をやっていると、やっぱり陣痛かもしれないから病院行ってみようかと連絡が来て、StadtmobilでJoe Carの車を借りて、入院に必要な荷物や書類を携えて病院へ向かいました。到着したのは夜22:30頃です。長男はすでに寝ており、車やベビーカーに載せても起きないぐらいでしたのでそのまま連れて行きました。陣痛かもしれない痛みも間隔にぶれはあるものの10分おきになっていました。

 

・入院

産院の中に入り、診察室(?)に通され、陣痛と胎児の心拍をモニタリング。

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助産師さんが慣れた手つきでてきぱきとやってくれました。1時間ぐらいして、確かに陣痛で間隔も10分ぐらいですがまだまだこれからも時間がかかりそうなので、このまま入院しましょうとのことに。手続きの書類をいくつか記入しました。とり上げる医師を指定しますかの欄もあり、主治医のGüntherを選ぶこともできるらしい。この日の当直の産婦人科の医師はちょっと作業が雑な感じで心配ですが、助産師さんに聞いたら医師の指定は数百ユーロはするよとのことで、やめました。部屋の希望も聞かれ、僕も居れる家族部屋(Familienzimmer)で良いですというと、幸い空いてたのでそのまま入院となりました。家族分の追加料金は1日+60ユーロだそうです。長男用のベッドもご希望ですかと聞かれ、あるならぜひというと、立派な子供ベッドも用意されました。ベビーカーからベッドに移されてもなお起きない我が息子。ジャングルの中だったら食い殺されてるぞ。。。子供がいると出産に立ち会えないため、親戚や友人に預けておくことも多いようです。

Räumlichkeiten Archiv - Klinik Sankt Elisabeth

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 部屋はシャワー・トイレ・テレビ付きの個室に大人用ベッドが2つ、小児用のベッドが一つとなりました。部屋に入るとさっそくフルーツ盛り合わせと夜食が出てきてびっくり。ホテルでもなかなかないサービス。。。しかも味も悪くない。これから長丁場だからしっかり食べて頑張ってとのこと。部屋の設備を一通り説明し、何かあったらナースコール押してねということで、スタッフ方が退室。ちょうど日付が変わったぐらいの時でした。

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・出産

明け方3時半過ぎに、痛みが激しくなり、ナースコール。そのまま妻はスタッフに付き添われて分娩室へ。僕は長男と病室で待機。長男はまだ睡眠中。

4時半過ぎになって、スタッフが慌ててやってきて病室の電気をつけて、帝王切開になったと告知。病室から妻の分のベッドを持っていく。慌てて、眠る長男をベビーカーに載せて分娩室へ。子宮口が8㎝まで開いたが、胎盤が剥離して出血が多くなり、自然分娩から帝王切開に切り替えるとの旨の説明。長男もやっと目が覚め、痛くて苦しそうな母の手にそっと手を添える。吐き気止め(?)薬をグイっと飲みこみ、腕に点滴用の器具をつけて、妻が可動式ベッドに移されて分娩室の横の緊急オペ室へ。ぞろぞろとスタッフが集まり、父子は待合室のようなところで待機。すると、ダウンジャケットを着た主治医のGüntherさんが颯爽と外から登場。どんな時も握手を欠かさない。私が執刀するのでよろしくとのこと。当直だったわけではないと思うんだが、本人の希望で来たのか、誰かが呼んだのか。。。ずっと検診で診てもらっていたおじいちゃん先生で、こちらも信頼できる医師だったので、なんとなくここで胸をほっと一つなでおろしました。時間は午前5時。

スタッフの方がやってきて、ベビーカーなど荷物を部屋において来てくださいとの指示。同じフロアの病室に戻って長男もやっと落ち着いたところで、「お腹が空いたぁ」。いやぁ、そういう状況じゃないんだが。。。仕方なくリンゴとキュウイを剥いて食べさせていると、スタッフが駆け足で病室までやってきて「こらぁ、あんたらぁ!荷物置いたらさっさと戻って来んしゃい!(ドイツ語だったため想像)」と怒られる。食べかけの果物を置いて分娩室横の部屋へ通されると、しばらくして助産師さんが赤ちゃんを抱っこして連れてきました。子供は無事に産まれ、妻の容態も良好で心配いらないとのことです。そのまま抱っこしててくださいねと部屋に放置。長男、10分後にはもう飽き始める。

15分ほどして、妻もベッドに載せられて戻ってきました。結局全身麻酔になったのですが、意識はおぼろげながらも戻ってきており会話は交わせました。まあ、いろいろありましたが、みんな無事で本当によかったです。麻酔科医のGernot Schulz先生が現れて処置と予後などを説明。しばらくしたら意識がはっきりすると思いますが、何か痛みなどあったら連絡してくださいとのこと。その後も回診して病室を訪れてくれるそうです。執刀医のGüntherさんも登場。妻はすでに麻酔で眠らされていたため、Güntherさんが執刀したと初めて知り、感謝の思いで胸いっぱい。「あとちょっとで自然分娩だったけどねー。胎盤がはがれちゃって残念だったね。日本の産婦人科医に負けないぐらい、傷口を小さめに抑えといたからね!」と。確か定期健診の時には、「日本の医師はすごいねえ、一人目の帝王切開をこんなに小さな傷口でやったのか。。。」と感心していたのでした。ここは腕の見せ所と言わんばかりに、緊急帝王切開でも、お腹は横(左右軸に平行)に切って摘出したそうです。「じゃあ、シャワー浴びて今日の診療に備えなきゃ。また後で!」と、登場してから1時間もしないうちに、颯爽と立ち去っていきました。カッコいい。。。時間はまだ6時前です。

さっそく出生届への記入を促される。日本では子供の名前は、産まれてしばらくは親の名前で呼んでいましたが、こちらは子供の名前で呼ぶことになっているので早く決めた方がよさそう。妻とも長男とも相談して名前を決めて記入しました。

 妻の感想としては、ぞろぞろと大勢のスタッフが手術室に入ってきて、これだけ人いるなら大丈夫だなというのと、当直の産婦人科医は作業が雑そうで、腕毛がすごいから、腕の毛がお腹の中に残ったら嫌だなあと思ってたら、ガス吸わされて寝ちゃったそうです。あとでGüntherさんが切ってくれたと知りずいぶん安心したようでした。

しばらく妻のお腹の上に抱っこして家族で初めての集合写真。その場でプリントして、名前や体重を助産師さんが記入してカードにしてくださいました。腕には名前が入ったブレスレットもつけられました。これはどちらかというと識別用。。。ビタミンKを経口投与して、服を着せて、8時過ぎには、普通の病室に戻りました。長男の時の産院では生まれた直後は新生児室で子供を預かってましたが、そういう部屋はなさそうです。

ここから入院生活スタートです。