・発端
知り合いのロシア人学生から、引っ越しのために家具をネット上で見つけてきたんだが、取りに行くためにはどうしたらいいかという、控えめな相談。バンをレンタカーで借りればいいと思うよ、と答えたら、俺ドイツのことはよくわからないから、車借りるのと運転してくれよとぐいぐい言われ、手伝ってあげることになりました。アリ地獄に引っかかったアリみたいですが。
・比較
ハイデルベルクの街中でよく見かけるレンタカー屋さんの値段を比較です。ここでは、平日15:00-18:00まで借りる設定、Benz Sprinterや、Fiat Ducato、IVECO Dailyなどのサイズのバンで比べます。
Enterprise
Günstige Mietwagen und Transporter | Enterprise Rent-A-Car
59.97ユーロ
großer transporterクラスで、料金は一日料金。走行距離は200kmまで。事故の際の、車両の修理代に対する自己負担額(Selbstbeteiligung)が1100ユーロまでに限定される保険(Haftungsreduzierung)がついてます。自己負担額100ユーロまでに限定する追加の保険は(Erweiterter Vollkaskoschutz)追加で 1日25ユーロです。オンラインで支払いを済ませると54.52ユーロに割引になりますが、キャンセルは三日前まで申し出ないと返金されません。
Europcar
Autovermietung - Auto, Transporter und LKW weltweit mieten | Europcar
51.97ユーロ
GR.2 MB SPRINTER 316クラスで、料金は一日料金。走行距離は100kmまで。事故の際の、車両の修理代に対する自己負担額が750ユーロまでに限定される保険(Basic-Schutzpaket)がついてます。自己負担額400ユーロまでに限定する追加の保険は(Medium Schutzpakete )追加で 1日18.5ユーロです。ほかにもいろいろ保険のオプションがありそうですが、オンラインでは選べず、現地で購入でしょうか。オンラインで支払いを済ませると48.97ユーロに割引になりますが、キャンセルは二日前まで申し出ないと返金されません。
SixT
Autovermietung: Jetzt günstig Auto mieten bei Sixt
22.00ユーロ
Mercedes-Benz Sprinter oder IVECO Daily bis 3.5t LANG クラスで、料金は5時間料金。走行距離は50kmまで。+10ユーロで100kmまでになります。ほかの会社同様、人身保険などはついていますが(Haftpflichtversicherung)、車両の修理代に対する自己負担額は制限がありません。自己負担額を750ユーロまでに限定するVollkasko- und Diebstahlschutz (Selbstbeteiligung: € 750)は+20.49ユーロ、自己負担額を0ユーロにするVollkasko- und Diebstahlschutz (Selbstbeteiligung: € 0)は+44.49ユーロです。オンラインで支払いをしても割引はありません。キャンセルは直前まで可能です。
と、ここまで調べてから借りればよかったのですが、実際はあまり考えずにSixTの22ユーロに飛びつき、後で肝を冷やすことになりました。予約はネットから簡単にできました。
・SixTで借りる。
Eppelheimer Str. 10, 69115 HeidelbergにSixTの営業所があります。ロシア人とそこで待ち合わせ。受付を済ませると、26か所もの傷リストが出てきて、サインするように求められました。さすが商用車。車は全部路駐。すげえ。保険入ってないけど大丈夫?と聞かれましたが、イギリスのInsurance 4 Car Hireという保険に入ってるから大丈夫です答えました。実際は勘違いで、ここの会社のUK & Europe Car Hire Excessという保険は、バンなどの商用車は適用外です。家具を止めるバンドとかいらないのかとも聞かれ、いらないと答えましたが、家具が急ブレーキで動いてぶつかってたので、あった方がよかったと思います。ケチるもんじゃないですね。
エンジンをかけて、ドライブ開始。メルセデス=ベンツ初運転です。なんか違うけど。。。ロシア人の道案内で、3か所を回って家具を載せて、郊外の新居(?)へ。別のロシア人が引っ越しで出ていくので、彼らが住んでいた部屋に後から入るようです。激重のソファーを3階まで運ぶとか聞いてなかったんですけど。。。いろいろあって遅れに遅れ、HeidelbergのSixTに戻ったのは、営業時間を過ぎてからでした。
・返却
一応満タン給油して返しましたが、おそらくはタンクメータの8メモリで計算するみたいで、メモリが減ったらその分お金を取るので、満タンにして返さなくてもよかったようです。今回は開始時が8/8でしたから、ほぼ満タンでしたのであんまり変わらないですが。開始時に満タンに給油しといてくれるオプションもありました(erste Tankfüllung 11.2ユーロ)。
無事に帰っては来たのですが、問題が起きたのは、駐車場に入れるとき。路駐してなにかお金取られたらいやなので、SixTの駐車場に入れて返したいのですが、何ぶん車体が大きく、小回りが利きません。無理してなんとか枠に収めようとロシア人と二人で四苦八苦しているときに、誤ってトラックの箱の横面を、駐車場の柱にあててガリッ。あっ。。。やっちまった。。。へこみはしませんでしたが、塗装が結構派手にこすれてしまいました。
枠に入れるのはあきらめて、駐車場3台分ぐらい横断して占拠して駐車。最初からこうすればよかった。。。この時は保険に入ってると思っていたので、とりあえずSixTの営業所に書いてある番号に電話。状況を説明しましたが、とりあえず車置いといて、明日見るからとの返事。鍵をキーボックスにいれて、返却完了です。40分ぐらい遅れちゃったので、遅延料金取られるかなあと、つまらない心配をしてました。
・保険が効いてない
帰宅後、しばらくして、カギが返却されたという自動メールが届きます。保険のお世話になるのかなあと思い、Insurance 4 Car Hireの契約内容を見直していると、なんと商用車は適用外。ぐぐっ。いくら払うことになるんだろうと思って、SixTの保険をもう一度見直すと、なんと負担の上限額なし!ベンツのスプリンターは大体500万円はこえますから、そりゃ自己破産!?まあ、さすがに塗装だけなのでそこまでは行きませんが、いかに恐ろしいことをしてたが段々わかってきました。
寝つきが悪い夜の翌朝。念のためにInsurance 4 Car Hireに問い合わせて、BenzのSprinterを借りようと思うんだけど保証対象内ですかと聞きますが、それは対象外ですと即答。英国に住んでいれば、そういうバン専用の保険も別にあるようですが、そもそも事故った後だし、ドイツに住んでいるしで、どうしようもありません。
お昼頃に、レンタカー屋さんに赴き、昨夜車返したんだけど、どうなってますかと聞いてみます。ばれなきゃいいんじゃないか、というのはもちろんあるんですが、一方で、ほかの傷まで請求されたんじゃたまりませんので、リスクを限定するという意味合いもあります。ちょっとこすっちゃったんですけど、どうやら保険の対象外らしくって、と正直に話してなんとか落とし前がつけられないかなと思ったわけですが、
「だから、保険入ってるかどうか聞いたのに!クレジットカードの保険で大丈夫って思ってるやつは多いけど、バンはダメとか結構あるんだよ!」とまず咎められ、
「担当部署が違うから、いくらかかるとか、いつまでに修理代の請求をするかというのはわからない。今日かもしれないし、一か月後かもしれない」と、実質ゼロ回答で、
「とりあえず、今のところ何も損傷レポートは出てないようだ。まあ、まだ作成中なのかもしれんが」と、こちらは見逃してくれるかもしれないというわずかな希望。
・請求書が来る
請求書がいくらになるんだろうと、気が気じゃないですが、なかなか来ません。
上記サイトからオンラインでもチェックできるようなので、何回か見ていると、返却2日後になって見えるようになって、とりあえずはレンタカー料金の22ユーロ+AdBlue consumption per kmが0.42ユーロでした。遅延料金は取られなかったようです。まぁ、どうせ5時間まで同じ料金なら、最初から5時間いっぱい借りる設定にしておけばよかったですが。SixTからは、さらに1日後に請求書が添付されたメールが届きました。
修理代の方はわかりませんが、一か月以上たっても音沙汰がないので、おそらく今回は見逃された気がします。よかったよかった。。。
・まとめ
1.商用車(バン、トラックなど)は通常の保険適用外になっていることがあるので、借りる前には注意しましょう。
2.レンタカー会社によっては、今回のSixTのように、車両へのダメージがあった際の自己負担額に制限がない設定で貸すこともあるようなので、必ず確認しましょう。750ユーロが限度になる保険は購入すべきでした。そうなると、レンタカー各社の間でそんなに金額に差はないです。
3.なんだかんだと、見逃してくれるラッキーなこともあるようなので、おとなしく経過を見守りましょう。
2018年はそんなに運が悪い年ではなさそうです。