Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

産後の育児と訪問助産婦(Hebamme)

・助産婦さんと打ち合わせ

ドイツでは産院からの退院が早い代わりに(第二子の帝王切開で入院は3泊4日でした。)、助産師(Hebamme)の方に自宅に来ていただいて、いろいろ面倒見てもらうことが一般的の様です。まあ、第一子でいろいろ段取りはわかっているので、必須ではないかとも思いましたが、郷に入ってはなんとやらで。

ヘバメの数は多くなく、探すのは結構難しいようでしたが、隣人のヘバメさんの紹介でなんとかありつけました。最初の連絡だけはメールでしたが、以降の連絡が基本電話で、ヘバメさん側へはいつも基本留守番電話にメッセージを吹き込むようになっていて、毎回ドイツ語の試験みたいです。

https://www.grn.de/fileadmin/user_upload/klinik-weinheim/gynaekologie-geburtshilfe/pdfs/Hebammenliste_Rhein-Neckar_2015.pdf

妊娠3か月から4か月目にかけて2回ほど自宅まで来てもらって、面談。一人目の出産・育児状況などについていろいろ話をして、お互い大丈夫そうということで、お願いすることになりました。通常のドイツの国民健康保険ではカバーされますが、DAAD Tarif 790の保険では対象外ということでヘバメさん的にはびっくり。全部合わせて、おおよそ700ユーロぐらいだそうです。

 

・出産後の訪問

出産予定の月ぐらいになって、近況を一度留守番電話に報告。生まれた後と、退院が決まったときにも連絡をして、退院翌日の月曜日の朝に自宅で久々に再会。結局、産後、4, 5, 6, 7, 9, 11, 14, 18, 22, 29, 43日に来ていただいて計11回でした。妻の方は、傷口の状態や回復状態の確認と抜糸、授乳や乳腺炎があったのでそのケア。新生児の方はへそ周りの消毒、体重測定、入浴指導などでした。

 

最初いきなり言われたのが、部屋が寒い!暖房(Heizung)のバルブをひねりました。そして赤ちゃんの足がむき出しなのはいかんということでした。ドイツ的には赤ちゃんは大人より一枚多く着せることになっているそうで、頭は帽子で、足は靴下を履かせてポカポカにするんだとか。早速dmで靴下を買ってきました。日本だと汗トラブルが多いのですこし薄着が良いよという指導でしたが。。。

 

赤ちゃんの目やにには、生理食塩水の目薬が渡され、気になる時はこれで涙がわりに洗い流すんだとか。へー。オムツかぶれには羊の油のクリームが渡されました。へー。ヘバメさんはカバン一つでやってくるので、体重測定は吊り下げ式のバネばかりに、サックに入れた赤ちゃんを吊るす方式でちょっと笑える。。。足裏の外側を1日数回ほど撫でるようにという指導も、、、O脚防止?

 

乳腺炎については、授乳前は温かいタオルで温めること。スーパーでQuarkという乳製品を買って冷蔵庫で冷やしておいて、ペーパータオルに挟んだものをあてて、授乳後に冷やすように言われました。ドイツでは結構一般的なようです。同じく一般的なものとして、Retterspitzというところが出している外用薬も勧められて、薬局で買いました。匂いはちょっとするけど効くんだとか。。。処方箋なしで買えるので特に薬用という訳ではなさそうですが、いろんな油が入っているようです。

Verletzungsfolgen & Schwellungen behandeln: Retterspitz Äußerlich | Retterspitz Online-Shop

 

入浴は週に一回ぐらいが目処で、ベビーオイルで入浴後の肌のケアを入念にとのこと。暖房で暖かくなってますが、その分乾燥してますからね。これも毎日入浴させる日本とは結構な違いです。シワを伸ばして中も拭くようにとのことで、動物園の飼育員さん気分です。

 

ヘバメさんが定期的に家に来るので、いろいろちゃんとしなきゃという気になります。部屋温めて、靴下履かせて、Quark準備して、家片付けて、、、そういう査察ではないんですが。いろいろ迷わずに指示が来るので、気が少し楽になります。来てもらわなくても大丈夫だったけど、プロの方に見てもらいながらの方が、安心しながら子育てができました。最後の一回はちょっと寂しい雰囲気に。訪問が終わっても、何か悩みや相談があれば、いつでも電話してくださいねとのこと。実は英語ペラペラだったことが最後に発覚。ドイツ語で頑張って通したのに。。。ヘバメさん的には母国語のドイツ語の方が安心だったからでしょうか。

 

後日請求書が届きました。訪問一回につき約40ユーロで、面談2回も合わせて計13回でしたので、約510ユーロ。交通費やらいろいろ合わせて、計600ユーロの請求でした。産後ケアの分の助産婦さん代はでないという保険でしたが、医療処置については支出されます。助産婦にその旨を伝えて、乳腺炎のケアと抜糸のことは請求書で特記してもらうようにし、その日時の分の費用を保険会社に申請してみたところ、無事認められて、240ユーロは保険から降りました。

 

・病院、病院、、

生後4週間経って、U3の一ヶ月検診。Duelli先生にお願いしました。

Kinderarztpraxis Heidelberg - Dr. med. Andrea Duelli, Dr. med. Verena Frongia / Startseite

特に何事もなく、ビタミンKを投与して終了。予防接種の予定などについて説明されました。

 

助産婦の方が股関節の検診(Hüftdysplasie)もやったほうがいいよというので、申し出ると、また別の日になるからと言われ、後日再び小児科へ。股関節の骨のところの角度をエコーで測るらしいのですが、新任のFrongia先生があまり慣れてないようで悪戦苦闘。。。十数分ぐらいエコー当てて、ようやく検査終了でした。ふう。

 

先天性聴覚障害のスクリーニング検査。TEOAEという鼓膜に音波をあてて反響音をみる検査ですが、産院ではパスできず、後日また見てもらってくださいとのこと。U3の予約時にDuelli先生の小児科にできますかと聞くと、うちではやってないから大学病院に行けばと言われ、大学病院の小児科に行くと、それはKopfklinikに行けばと言われ、Kopfklinikに行くと、そういう人いっぱいいて見てられないから、まずは地元の耳鼻科医に見てもらって、それでも再検査ならうちに来なさいとのこと。。。。さいですか。

Willkommen in der HNO-Praxis am Neckar, Dres. Horn, Choudhry in Heidelberg. Hals Nasen Ohren Ärzte Heidelberg

HNO Praxis am Neckar Dres. Horn, Choudhry

でようやく引き受けてもらいました。

でっかくて古いパソコンで動かす機械で測定。画面は大昔のWindows3.1並みの解像度。。。子供が起きないように、泣かないように頑張って測定しましたが、結果はまた再検査。。。羊水が残ってたりするかもしれないから、二、三週間後ぐらいにまた来てくださいとのこと。この病院待ち時間長いし、新生児を連れてくるのは結構辛いんですが、、、耳聞こえてないのかなあとだんだん不安になってきます。長男が出すやかましい音にビビって反応してるんだから聞こえてないわけはないのですが、、、妻曰く、耳の穴じゃないところに機械突っ込んでたって、いくらなんでもそれはないような。。。

後日もう一度検査すると、片耳はパスでもう片耳はまた再検査。また一ヶ月後かなあと思いきや、スクリーニング的には難聴かどうかを見分けるのが大事らしく、片耳は少なくとも聞こえてるから、また一年ぐらいしたら来てくださいだそうで。。。さいですか。まあ、割り切ってあまり気にしないようするしかありませんが、親の心情をもう少し慮っていただきたいものです。果たしてどうなるやら。

乳腺炎でしこりが残るところがあると助産婦さんが言うので、再び産婦人科へ。Güntherさんに診てもらいますが、Quarkでも塗ってろって、おいおい。そんなにひどくないから大丈夫よと一安心。

出産6週間後に産婦人科で最後の検診。予後の経過を確認です。抜糸後の傷口も順調に回復していて何より。最後なので赤ちゃん抱いてもらってGüntherさんと一緒に写真撮りました。帝王切開なので、あと1、2年は少なくとも妊娠しないように気をつけてくださいとのこと。必要なら授乳期にでも使えるピルを出しますよ、まあコンドームでもいいけどと、急に言われたので一瞬なんのことだか分かりませんでした。

あとで少し調べてみると、2011年の統計で避妊には、ドイツでは53%のパートナーシップがピルを使用していて、37%がピルのみ使用。同じく37%がコンドームを使用していて、20%がコンドームのみ使用。10%がスパイラル(子宮内避妊器具)で、5%が不妊化だそうです。また、20歳まではピルの費用は公的保険でカバーされるようで、それ以降も月に数千円の負担で済むようです。

Empfängnisverhütung – Wikipedia

JAMSNET-ドイツ

 

一方、日本では2016年の統計でコンドーム 82.0%、性交中絶法(腟外射精)19.5%、オギノ式 7.3%、ピル(経口避妊薬)4.2%、IUD (子宮内避妊具)0.4%、だそうです。2番目と3番目は避妊と言わない気がしますが、、、。

日本の避妊方法から考える | お知らせ | 国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)

 

ドイツではコンドームが避妊のファーストチョイスじゃないから、ピルを勧められたわけだったんですね。この数字だとたしかに日本はピル後進国と言われても仕方がない気がしますね。。。医薬品はなんといっても処方すればするほど、副作用のケースが集まってくるので安全性は高まっていきますからね。。。日本のお国柄というかなんというか。。。いかんともコメントしづらいですが。