緊急事件発生
ハイデルベルクに来てから、4回ほど大きな事件がありました。
・BASF爆発事件
世界規模で展開してる化学メーカーBASF。おとなりMannheimのさらにお隣のLudwigshafenのプラントが、2016年の10月17日に爆発し、煙がもくもくと上がっている写真が配信されました。ハイデルベルクは何ともありませんが、Ludwigshafenでは一応窓を閉めて、空気汚染に備える要請が住民に出ました。火はその日のうちに鎮火しましたが、5人の死者を出す大惨事となりました。Wikipediaで記事ができるほどの大事件でした。
Unfall bei der BASF in Ludwigshafen 2016 – Wikipedia
・ビスマルク広場 車両突入事件
2017年2月25日(土)午後、一台の車がBismarckplatzのGrimmingerというパン屋の前まで突入し、73歳の男性が一人死亡、二人が軽傷となりました。35歳の運転手は手にナイフを持っていて、駆け付けた警察官が発砲、逮捕となりました。ドイツは日本と違って、容疑者の名前も出さなければ、写真もメディアに載らないんですねえ。。。テロかとも思われて、日本大使館から注意を喚起するメールも回ってきて、ハイデルベルクに暗い影を落としました。
www.heidelberg24.de事件から2年が経ち、まとめ記事が出ていました。35歳の彼(Mathias K.)は、2016年にハイデルベルク大学の修士号を取得。科学者としてのキャリアを目指していましたが、職は得られず、一年ほど無職に。その後、大学でHiwi(リサーチアシスタント)のポジションを得たとのこと。初めての挫折を味わい、Kは統合失調症になり、事件を引き起こしたとされ、ドイツ刑法20条(§ 20 StGB)に規定されている刑事責任能力がない状態(schuldunfähig)であることが、2017年8月の裁判で明らかになりました。.現在はWieslochにあるPsychiatrisches Zentrum Nordbaden(PZN)という精神病院に収監(?)されているそうです。
テロじゃなくてよかったけれども、大学関係者だったのか。。。なんとも言えない気持ちになります。
・Wieblingen噴煙事件
今年の2月2日(土)早朝、Heidelbergの西の方のWieblingenにある工場から噴煙が上がり、異臭がすると住民から通報。Klutheという会社が持っているRematacという子会社の化学工場らしいです。住宅地だと思ってたんですが、結構工場もあるんですねえ。。。事件を受けて高速道路のA5は封鎖。近隣住民は窓を閉めるよう指示が出ました。ドイツの家は防寒のためか、窓を閉めると密閉度が結構高いので、一応役立ちそう。
トルエンが漏れたらしいですが、数時間後に、特に危険な物質が出続けているわけではないことが明らかになり、指示も解除され高速道路の封鎖も解禁。あわただしい週末の始まりとなりました。
・青い水事件
2月7日(木)、ラボで実験していたらメールが回ってきて、水道水飲用禁止とのこと。普段はラボでもBRITAでフィルター通して飲んでますから、あらあらという感じ。なんでもDossenheimの方で水道から青い水が出てきて、異臭もするとのこと。ハイデルベルク市が水を調査中なので、お達しが回りました。
あれよあれよという間に騒ぎは大きくなり、学食も閉鎖。幼稚園も炊事ができないため、できる早く迎えに来てとの連絡。食料と水を求める人で近くのパン屋はあふれ、スーパーにはペットボトルの水を買いに来た人の長蛇の列ができて、売り切れになるところも出てくるほど。プールも閉鎖、大学病院も手術を延期、研究施設も、緊急時に薬品などを洗い流すシャワーが使えないなどの理由で閉鎖するとかなんとか。。。
午後4時ころになって、ハイデルベルク市が検査の結果、異常は見つからなかったと発表。飲用禁止は解除されました。青色は通常の変動の範囲内だったとのこと。通報があった水はEntenseeという湖から取水したものでしたが、その湖からの取水は当分行わないことになり、ほかの取水地からの水で水道水を賄うことになったらしい。
肝心の原因は今なお不明ですが、2月27日の発表によると、カルキの微粒子が光を散乱させて、水を青く見せた可能性があるとのこと。現在引き続き走査型電子顕微鏡(!)で検査中で、結果は3月の第2週より前に出ることはないだそうで、Entenseeからの取水禁止措置ももうしばらく継続するようです。
Heidelberg/Dossenheim: Blaues Wasser: War Kalk Schuld an der Färbung des Trinkwassers? | Region
まあ、水道水は大事ですが、そうはいったって、隣町のマンハイムぐらい行けば水ぐらいは買えるだろうから、そこまでパニクらんでも。。。パニックっても、ちゃんと列作って何十分もレジで待つドイツ人たちも、さすがだなという感じですが。全国ニュースにもなったようで、ボスは実家の親から、心配で連絡が来たといってました。
研究者たちは、生情報を見るまで信じない人が多いので、みんなで一斉に新聞社(RNZとか)のWebサイトにアクセスしようとしますが、アクセスが殺到してサーバーのレスポンスが間に合ってませんでした。。。情報を仕入れるのも少し難しかったです。
Rhein-Neckar-Zeitung Regionalnachrichten - Rhein Neckar Zeitung
他にも、ハイデルベルクのニュースサイト Heidelberg24
Heidelberg24 - Nachrichten aus Heidelberg und der Region
市の公式プレスリリースもありますが、、、
heidelberg.de - 07.02.2019 Trinkwasserwarnung für Dossenheim und Heidelberg ist aufgehoben
市の公式ツイッター。
Stadt Heidelberg (@heidelberg_de) | Twitter
NINAやKATWARNと呼ばれる、緊急情報を受け取るアプリもあるようです。
Bundesamt für Bevölkerungsschutz und Katastrophenhilfe - Warn-App NINA
大山鳴動して鼠一匹も出なかったですが、隣のラボのボスは、誰かが社会実験仕掛けたんじゃないのと冗談で言い出す始末。確かに、人がどうやって反応したかを調べてまとめたら卒論ぐらいには十分なりそう。ラボでは、本当に水がなくなったら、蒸留水にミネラルっぽい成分いれて飲んでみるかとも冗談で言ってたので、それはちょっと試してみたかったかも。。。