Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

大学に雇用されるための諸手続き

海外学振の開始時期を遅らせて、それまでボスのERCの研究費で雇ってもらえることに。これが結構大変なようで、昨年から加入した韓国人ポスドクは手続きをいろいろ手抜いていたせいで、家族持ちなのに給料がずっと2000ユーロ足らずで、貯金を切り崩して生きてました。本来もらうべき金額になるまで、あれこれ手続きで一年ほどかかっていました。これは大変そうということで、採用される4か月前から書類集めです。

 

・Vorbeschäftigungszeit gem § 57b HRGÄndG / Stufenformular

雇用履歴書といったところでしょうか。前者の書類は雇用してよいかどうかをチェックするもので、後者は給与の額算出のための様です。給与システムとしてこれまでの経歴に応じて給与が上がっていくので、Stufenformularをしっかり書かないと新米扱いとなり、給与が低いままです。ポスドクとして働いてた期間に加え、フェローシップや奨学金をもらっていた期間、リーサーチアシスタント(RA)、ティーチングアシスタント(TA)の期間もカウントしてくれるというので、できるだけ列挙します。

それを証明するための書類もできるだけそろえてほしいということで、元ラボの事務に頼んで、在職証明書を発行してもらい、秘書さん伝いにPDFを送ってもらいました。日本語でしたが、英訳をつければとりあえずOKなようです。学振にもお願いして、研究奨励金をもらっていた期間の証明書を発行してもらいました。学振としては原則郵送での申請、郵送での書類発行となるそうで、そうなると返信用封筒を用意する必要がありまして、、、まあ、国際返信切手券なるものは一応ドイツでもありまして、 Internationaler Antwortschein といって郵便局で買えるらしいですが、現在発売中止中で、5月から再開だそうです。。。

Internationaler Antwortschein | Shop Deutsche Post

そのほか、メールで担当者に問い合わせてみると、実家の方に返信用封筒だけ別送で送ってもらうなど、いろいろ手はないわけではないらしいですが、いつになるかわからないし、ちょっと急いでいるということでPDFで発行していただけることになりました。申請も本来郵送が原則ですが、あとで原本を郵送で送ることを条件に、メールでの申請を受け付けてもらい、迅速に証明書を発行していただけました。しかしなんというか、切手代ぐらいなんとかならんもんですかね。。。

これらに加え、学位の証明書も提出。これは何かに備えて日本から出てくるときに持ってきてました。ドイツの研究機関で採用される可能性がある人は、在職証明書や学振の証明書なども念のために持っておくと、そのあとの手続きがスムーズにできそうです。

修士の時は日本学生支援機構からも奨学金を借りていたので、本当はその書類もあるとよかったのでしょうが、発行してもらえるかどうか怪しいところで、JASSOの連絡先も明示されていなかったので、あきらめました。

 

・Krankenversicherung

続いて健康保険。大学のキャンパス内にdie Technikerという保険会社のブースがあるので、飛び込みで手続きしてきました。パスポート、滞在許可証、家族に関する証明書(戸籍謄本の認証翻訳、ドイツの出生証明書など)、これまでの健康保険契約書などなど、結構な量の書類のコピーを取られました。その日のうちに僕の分の契約者番号がもらえ、後日家族の分の証明書も届きました。大学に提出するほか、滞在許可の申請にも使いました。

これでめでたく、雇用開始と同時にGesetzliche Krankenversicherung (GKV)の保険に加入することになり、保険料は半分が天引き、半分が大学(雇用主)負担となるはず。そして、治療費を建て替えたり、請求書を保険会社に送ったりする手間もなくなるはず。

 

・Erklärung zur Sozialversicherung (LBV42101s) / Erklärung zur Zusatzversorgung (42101z)

社会福祉に関する調査票。各種保険や年金に関する情報です。名寄せに使ったりするからでしょうね。該当する項目はほとんどないから空欄でよいですが、いちいち調べたりするので、手間暇かかります。英訳を大学側が一応用意してくれてるのですが、それでも真意がつかめないことがしばしば。。。

 

・Personalbogen / Lebenslauf

いわゆる履歴書。ええ、何部でも書きますとも。

 

・Steuerklass / Erklärung zur Auszahlung der Bezüge (LBV42101)

口座番号や、steuerliche Identifiktionsnummer (納税者番号的なもの)などを記入。大学での仕事はHauptbeschäftigung というところにチェック。日本の源泉徴収票の「主たる給与」に当たるところですね。Steruerklasseという納税者クラスを書くところがあり、不明なので税務署(Finanzamt)に問い合わせ。すると、僕・妻ともに4だったことが発覚。妻は専業主婦なので、この場合は、僕を3、妻を5にした方が税金がお得らしい。

https://www.heidelberg.de/hd,Lde/-/Verfahrensbeschreibung/;vbid229

上記サイトからもダウンロードできる変更届(Antrag auf Steuerklassenwechsel)に、夫婦ともに署名し、Finanzamtに提出で、めでたく完了。韓国人ポスドクをこの辺りをさぼっていたため、副業扱いのKlass 6になっていたらしく、給料がほとんど税金で持っていかれたらしい。。。

 

これらに加え、Führungszeugnis(犯罪履歴証明書、市役所で秘書さん宛に直接発行、有料)、学部や修士の卒業証明書なども提出。滞在許可の申請には、大学のWelcome CentreからHosting Agreementを用意してもらい、外国人局へ。滞在許可の申請が済んだら、滞在許可申請済みの旨の証明書を出してもらい、これを大学に提出してようやく、雇用契約ができるらしいです。これは確かになかなか長い道のりですね。。。

 

一応、できるだけのことはしましたが、果たして無事に済んでるかどうか。そもそも給料は月末払いなのか?翌月払いなのか?雇われるのもいろいろ大変です。