Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

引っ越し(2)

ああ、11月も更新が落ちてしまいました。。。なんなんでしょうねえ。日本にいるとやることが次から次へとわいてきます。

 

・次の店子(Nachmieter)を探す。

契約上3か月前の通知。ただ、急に帰国が決まったので、通知した時点ですでに3か月を切っていました。ラボの人に聞くと、大家さん側は、通知から3か月分の家賃を請求する権利があるらしく、前の店子からとっておいて、次の借りる人からもとるなど二重獲りが結構ざらにあるらしい。次の店子がすんなり決まれば、その分は取られないので、私たちも頑張って探すのを手伝います。日本だと、借りてる人が次の人探すなんてほとんどありませんが、そういう事情もあるようです。私たちにとっては、引き取ってもらえる家具などがあると、処分する手間が省けますし、大家さんにとっても、不動産屋に頼むと手数料が取られますから、直接見つけられると、その分節約できます。

ImmobilenScout 24などの大手賃貸サイトにも、Nachmieter探しの物件を見かけます。どうしたらいいかなどのチップスがまとめてあったりもします。

Erfolgreiche Nachmietersuche

とはいえ、こっちもいろいろ忙しく、見ず知らずの人とドイツ語でやりとりするほどの自信もないので、そこまではしませんでした。身近なところで、大学や、日本人、中国人の掲示板・グループチャットなどには情報を載せました。Neuenheimというところは高級住宅地で、以前なら空きが出たらすぐに埋まったものですが、コロナの影響もあるのか、なかなかそうとはいきません。私たちの広告伝いだったり、大家さんの紹介だったりで、問い合わせはぽつぽつとあり、内覧も何回かしたのですが、最後まで決まることはありませんでした。内覧のたびにそれなりに片付けないといけないので、妻はだいぶぶつぶつ言ってましたが。。。

 

・部屋の引き渡し

結構もめるところのようです。

問題となったのは木製・無垢のフローリングで、ところどころはがれてくるところがありました。大家さんには知らせていたのですが、水分が足りてないから、渡した液体せっけんでよく水拭きするようにとの指示でした。指示に従ってやってると、どんどん余計にはがれてくるようになり、、、

 

ドイツには家主協会(VermieterVerein)と、借主協会(Mieterbund)があり、双方が自分たちに都合の良いような賃貸契約書のテンプレートを出しています。間に不動産屋が介在している場合は、そこと交渉すれば良いのですが、うちの場合は、いろいろ特殊事情で、適当にそこらへんから拾ってきたような賃貸契約書だったので、あんまりこれをベースに解決する感じではありませんでした。どっちもたいして条文読んでないし。。ドイツに来て間もなかったころはそのあたりの事情もよくわからず、適当にサインしていたのが実情です。だって物件見つからなかったし。。。

Mieterverein Heidelberg e.V.: Home

ドイツ人でもそのあたりはもめやすいようで、ハイデルベルクにもテナント協会があり、年会費64ユーロを払っておくと、そのあたりいろいろ相談に乗ってくれるそうです。

Mieterverein Heidelberg e.V.: Auf einen Blick

大家さんとしては、どっか損害賠償保険に入ってないのかということでしたが、あいにく公的保険に変更したときに、やめてしまって、特に探して加入はしなかったのでありませんでした。どこか契約しておけばよかったかもしれません。言われたとおりにメンテナンスしてたから、こっちの責任じゃないだろというのがこちらの言い分。いろいろあって話し合いということになり、家賃二か月分の敷金(Kaution)から適当な金額を決めて引いて、それで解決ということになりました。日本と違って、敷金は原則全額返ってくるそうですが、まあ、あれにつけてこれにつけていろいろ取られるようです。まあ、本当に全面フローリング張替えとかなったら、敷金じゃ足りないので、敷金内に収まってよかったかもしれません。

取られたお金で本当に修理するかどうかなんて誰にも分らないですが、大家さんが特にあくどいという感じでもなく、次の借主が見つからなかったので、請求する権利があった家賃も請求されず、結局とんとんという感じでしょうか。ドイツでは次の人に貸す前にクリーニングを入れないことが多いので、大家さんから「ここキレイにして」みたいな要求がすごいとうわさを聞き、妻がせっせかと、水垢がなくなるまであちこちをピカピカにしていたのですが、敷金が一部取れて満足したのか、特にみられることもなく、何も言われなくて済みました。「そんなんだったらここまできれいにしなくてもよかったじゃん!」と妻はキレてましたが。。。壁も最後はもう一家塗って返すみたいなことも多いそうですが、そのあたりも免除ということになりました。

教訓としては、借りるときは床にも気を付けろというところでしょうか。薄い無垢材は問題が起きやすいので避けたいところです。損害賠償保険は入っておいてもよかったかもしれませんが、賃貸は対象外のところも多いです。 Privat-Haftpflichtversicherung に補償範囲が含まれているかは要確認です。Mieterbundに入っておいてもよかったかもしれませんが、結局年会費に見合うだけのものがあったかどうかは何とも言い難いところです。間に管理会社が入っていれば、そのあたりはもめずに済むのでしょうが、まだまだドイツでは大家さんが直接貸しているところが多くて、選り好みできるほどの選択肢があるかどうか。

 

・帰国

昼の便を予約しました。NH204 13:30- FRA-HNDです。全日空のこの便だけは、コロナ禍のなかも毎日飛ばしてくれていて、ありがたいです。当日の朝に少し時間があったので、最終日の朝まで家に宿泊して、当日の朝に最後の処分物を片付けられました。帰国準備はカーシェアリングのStadtmobilにずいぶん助けられました。

荷物全部片づけて、最後はホテルに泊まってという人が多いようです。本当は最後は旅行して帰るのがよかったんですが。まあ、なじみの家でいろいろとお世話になった方とお話ししたり、子供が遊んだりできたのは良かったです。

このころは、ドイツで一日400人が、日本で一日1000人ぐらいぐの新規感染者出ていました。当時のルールでは、出国前72時間以内のPCR検査が必要ということだったので、それにあわせてDarmstadtの検査センターを予約しました。空港にも検査センターがあるのですが、一人300ユーロ近くとっていて、高すぎ。。。今は唾液でもOKになったのですが、当時は鼻咽頭ぬぐい液というかなりドイツでも珍しい検査方法しかなく、その方法でも証明書を出してくれるところはなかなか近くでは見つかりませんでした。

結局インドじゃこの検査方法ができるところがなくて、大使館がそのための施設を用意する羽目になったそうですが、何のためのルールなんだか。そして、日本入国後の検査も全部唾液でしたし、帰国者に鼻咽頭ぬぐい液を指定してたのは単なる嫌がらせだったんでしょうか。。。

日本人専用のPCR検査受け付け窓口開設(インド、日本) | ビジネス短信 - ジェトロ

フランクフルト空港まではタクシー。貸し切りにしかできないので高価ですが、荷物が多い家族持ちの私たちにはちょうどでした。

Zuverlässiger Flughafentransfer nach Frankfurt - TLS

入国後は流れに沿って歩いていくだけですが、最初に検体を提出して、いろいろ手続きをして、PCR検査の結果が出るまで4-5時間ぐらいは羽田空港に滞在しました。QRコードでスキャンすりゃいいだけなのに、QRコードの印刷された紙が持っているかどうかを2回ぐらいチェックするためだけの人が配置されていて、日本に帰ってきたなと実感しました。「頑張っているのは認めるが、効率が悪い!」

このころは3泊4日の指定宿泊施設での隔離。家族別々になることも覚悟してましたが、狭くてもよいなら一部屋に入れるとのことで、別々にならずに済みました。案内されたのはこの開業前のホテルで、設備も新しく、Wi-Fiも完備でありがたいことに至れりつくせりでした。バスタブから出てくるお湯も温泉らしく、肌がすべすべになったと喜んでいました。どの宿泊施設になるかは勝手に決められるわけですが、家族持ちに対しては多少考慮してくださったのかもしれません。子連れで、さらに飛行機に乗せられて遠いホテルに飛ばされたみたいなのはあまり聞きません。

天然温泉|【公式サイト】住友不動産ヴィラフォンテーヌ|羽田空港国際線ターミナル直結 / ホテルヴィラフォンテーヌグランド

ご飯もコンビニ弁当ということではなく、結構豪華な松花堂弁当でした。最初は喜んで食べていたのですが、味が濃い。。。後になると食も進まず、持ってきたフリーズドライのぞうすいがおいしく感じました。人間の感覚って不思議なものです。

最終日にPCR検査して無事陰性で、親族に迎えられ、無事入国できました。