Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

カリフォルニアへ行く(2)

・UCSF

同期の知人に会いにUCSF(University of California, San Francisco)へ。日曜日で勝手がわからないということもあって、ホテルまで迎えに来てもらいました。バス&鉄道はあることにはあるものの、本数も少なく、乗りこなすのは大変なようで、移動はすべてUberでタクシーを呼んでくれました。さすがアメリカ。というかピックアップトラック多すぎ、、、ほとんど荷台空なのになぜ。。。看板とかがドイツ語じゃないから全部読めちゃう不思議な感覚。

車内でいろいろ雑談。UCSFは学部はなくて大学院だけで、しかも医学系だけらしい。へー。大学近くでワンルームのアパートを借りると家賃$2500らしい!まじか!大概の奨学金じゃ足りないので、研究室からの補填が不可欠なんだとか。なるほど。ポスドクの給与はNIH基準で基本決まっているので、全米で大差があるわけではないらしく、いろいろ大変だそうで。

20分ちょっとでMission Bayエリアに到着。どのキャンパスもデカい。。。USJのアトラクションを回ってるような感覚です。2003年に建てられたというGenentech Hallの中へ。研究室内はどこも似たような感じですが、共有するヨーロッパとは違い、やはり個の感じだそうで。

そのほか研究の話やら、生活の話やらでいろいろ深夜まで盛り上がりました。こういうざっくばらんな話を気軽にできる友達は、外国ではやはり得づらいもので。言葉の壁もありますが、いい年した大人はなかなか仲良くなりづらいものです。単身のアメリカ生活にはもう飽きたようで、日本に帰って独立かー。いやー、負けないように頑張らんとなあ。

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坂がとにかく多かった。。。そして電柱も。

・Asilomar Conference Grounds

翌朝はホテル(Millwood Inn)で朝食。可もなく不可もなくといったところでしょうか。そういえばここのホテルは駐車場を取り囲むように2階建ての建物がコの字になっていて、土地余ってるなあという感じの作りです。リゾート系とでもいうでしょうか。地価高いのになあ。

無料のシャトルバスを予約して、再びサンフランシスコ空港まで。しゃがれ声のおじさん運転手が、ラジオのDJっぽくいい感じにアナウンスしてくれて、車内も盛り上がっていました。ただ、道路が混んでいて思った以上に時間がかかりましたが。。。自分の車がないと、余裕持って行動しないと怖いですね。Taco houseで昼食。Burritoで$10。思ったよりおいしくて量もいっぱい。

https://www.flysfo.com/content/24th-mission-taco-house

 Asilomar Conference Groundsが学会会場で、サンフランシスコ空港から南へ約180km。Monterey Airbusというシャトルバスを事前にWebサイトから予約していきます。

Welcome to Monterey Airbus | SFO Airport Shuttle | SJC Airport Shuttle

道中はさすがアメリカという感じで、デカい車がバンバン走ってるし、高速道路?の中央分離帯に電車走ってるし、San Jose空港近くではAdobeの本社ビルがデーンと建ってるし。Pacific Groveに近づいてくると植生もだいぶ変わり、うまく形容できませんが背丈が低くて、もさもさした感じとでもいうでしょうか。

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空港のバス乗り場から乗ったのですが、まず出発から遅れ、San Jose空港など各地で停車したり乗客をピックアップしたり届けたりして遅れに遅れ、学会会場に着いたのはバスに乗って3時間半ほど経った頃でした。すでに最初のトーク始まってるし。。。予定では2時間のバス移動のはずだったのですが。前泊までしたのに遅刻とは情けない限りですが、もっと時間に余裕を持てということですかね。慌ててチェックインして、会場の教会に入り込みました。

 ここの会場はいろいろ歴史があるようで、パンフレットやら説明書きがよくありました。中でも目を引くのがミーティングのメイン会場の教会の建物(grace dodge chapel auditorium)で、Julia Morganという著名な建築家が設計したものです。木製で1915年築ですから、木目や色、艶などもいい感じに年季を帯びてきた感じでした。

 

issuu.com

学会会場としてよく使われているようで、ほかにもいくつかのミーティングが並行して開かれていました。食事もまあまあおいしく、申し分ない感じ。海岸沿いで散歩にも適していますし、朝起きたら鹿が駐車場まで集団で来ているぐらい、自然に囲まれた感じでした。

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・学会

学会はまあ、いつもの学会という感じですが、アメリカ研究者が多いので、やっぱりヨーロッパとは違うなという感じです。一人ハーバードから学生が来て口頭発表してましたが、まるで映画のセリフのようにとめどなく流れる感じでまくし立てるので、すごいです。そしてよく褒める。質疑応答の時には「Nice presentation!」とか「Very good job!」ぐらいはドイツでも声かけますが、「I was very astonished by your super cool talk!」とくるのがアメリカ流ですかね。使う言葉の段階が2段階ぐらい進んでます。

ある朝朝食に向かおうと部屋から出たところ、駐車場でオーガナイザーの一人が車から出てきました。この方UC Davisの人なんですが、学会会場からは300kmの道のりです。。。毎日通ってたのか、、、知らなかった。というかアメリカの車社会ってすごいな。ワシントン州からドライブできたやつもいたって話だし。そのまま二人で歩いて朝食会場に。初参加でしたので、いろいろ質疑応答に参加していたのですが、「盛り上げてくれてありがとう」と声をかけていただきました。おぉー、ちゃんと見てくれてた。目の配り様もさすがオーガナイザー。

ほかにも、日本オタクのフィリピン人と意気投合したり、三大紙に論文出して独立ポジションまでゲットしたのに、PIの仕事は大変そうといってアカデミア辞めて民間会社に入る人がいたりとまあ、人の生きざまはそれぞれですね。学生はどこでも同じような悩みを抱えているようで。中国人学生の苦労話をみんなで聞いてましたが、探究心とか言う前に、とりあえず競争にどう生き残るかにひたすら腐心していたのが印象的。好きに研究させてもらってる環境をありがたく思わないといけないですね。少人数のミーティングで、とにかく、いろんな人の話が聞けたのはよかった。

サンフランシスコ界隈は晴れてたようですが、180kmも離れてるとまるで違う気候。特にこのあたりは海に突き出しているせいで海流も違うらしく、ずっと雨か曇りという天気でした。外でのBBQが中止になって、なぜか外でのビュッフェになりましたが、寒いのなんの。雑誌がスポンサーで、4日間で一人当たり4枚のドリンクチケットをもらっていたのですが、足りなくなって購入しようとすると1枚約10ドル!流石にみんな料金の高さに腰が引けて、飲まないやつからチケットをもらう作戦に切り替えてました。

この学会は専門領域の学会で3年に1度の開催。お互い知り合い同士なので手を抜くわけにもいかず、クオリティは極めて高かったです。普段論文でしか読んだことがない人たちに実際会えたのもよかったですし、日本の方々とも再会したり、知り合いになれたりといろいろ収穫がありました。年に一回ぐらいの遠出も悪くないものです。そろそろ新しいデータ出さないと飽きられてしまいますが。。。次回はヨーロッパ開催のようで、いつかは口頭発表もできるといいなあ。

最終日。まわりのアメリカ流の発表にずっと気後れしていましたが、なんとポスター賞に選んでいただけました。これにはびっくり。お世辞にも発表がうまい方とは言えないので、審査員の心がどっかに引っかかってくれたのでしょうか。後日事務局から問い合わせのメールが来て、賞金振込用の書類を記入。W-8BENという租税用の書類もあって、ちょっと面倒。日本人だけどドイツに居住している場合は、ドイツで課税なのかなあ。。。英語も用語がわからないので難しい。ドイツの税番号書いといたけどこれでよかったのか?思いがけないお小遣いになりました。

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つづく。

カリフォルニアへ行く(1)

・学会へ

「このアメリカでやる学会どう?」とボスから。それいけっていうことですね。。。?ドイツからだとアメリカは近いのかなと思いきや、西海岸のカリフォルニアで約11時間のフライト。遠い。

「どんな学会ですか?」

と聞いたら、3年おきにやってる分野に特化した学会で、クオリティも高いし、これからも付き合っていく人たちだしで、顔を売るにはいいんじゃないかとのこと。

「じゃ、ボスが行けばいいじゃないですか?」

と言ったら、俺は他の学会に行かなきゃいけないんだよだそうで。ああ、そうですか。知り合いが誰もいない学会に単身で送り込まれて、果たして顔を売れるのか怪しいどころですが、まあたまにはとOKしました。

 

・登録

学会の手続きなんてどこでも同じかと思いきや、ちょっと勝手が違うようで。締め切り&手続きの順番が、口頭発表の要旨投稿、口頭発表に選ばれる要旨発表、参加登録早割締め切り、ポスター発表の要旨投稿、になっていました。ということで、口頭発表じゃなきゃ行かない!というのもありみたいです。去年のフランスの学会は運よく口頭発表に選ばれましたが、今回は外れ。選ばれた人たちの面子をみたら仕方がないなという感じです。

ということで、次に参加登録に臨むわけですが、学会会場のホテルで宿泊するときは学会参加費が約400ドル、宿泊しない場合は約900ドルだそうで。。。超高い。ホテル代は2人で相部屋しても計3泊で一人約700ドルなので、ほとんどの人は学会会場で宿泊していました。この700ドルには会場費や食事チケット、コーヒーブレークの費用などの学会の費用も含まれているわけで、運営側でお金を大量に集めて学会会場に支払うよりは、それぞれの参加者に払ってもらう方が運営側も負担が少なそうです。参加費は銀行振り込みでも受け付けるということで大学から直接払ってもらい、ホテル代とかは仕方なく立て替え払いで前払い。シャトルバス、前泊、後泊もろもろ合わせて前払いの出費は1000ユーロ以上。ひぇ~。そろそろユーロ建てのクレジットカード作らないとやってけないなあ。

 

・ポスター

ポスター発表ですが、サイズが最大45 inch X 45 inch(約1.1m X 1.1m)という不思議な正方形サイズ。ボス曰くアメリカではよくあるとのこと。へー。まあ、下の方はしゃがまないと見づらいですからね。通常のA0は841mm X 1189mmで、それ以上の大きさの紙はないのでA0の紙に刷るほかないです。

ポスドク生活もう4年目ですが、ポスターを発表&印刷するのは初めて。もちろんポスターをボスに修正してもらうのも初めて。結構デザインに細かいタイプか。。。なるほど。印刷は学生に聞くと、ZENTRALBEREICH の学内サービスがあるからそこにメールしておけば印刷してくれるので、後で取りに行けばよいとのこと。A0で21ユーロかー、安くはないなあ。

https://www.zbt.uni-heidelberg.de/print/index.html

日本だと、大概大型プリンターがおいてあって、各自好きに印刷する方式でしたが、ちゃんと人を配置して分業にするのがドイツ流でしょうか。その分ギリギリ印刷というのはできないので、ちゃんと余裕をもって完成させないと間に合いません。

 

・フライト

フランクフルトからサンフランシスコ(FRA-SFO)までは直行便ですが、預け入れ荷物が1つしかない。ただの出張なので荷物はもちろん1つに収まりますが、ポスターケースがルール上ではサイズオーバーなので機内に持ち込むの断られたらどうしようとヒヤヒヤしてました。が、特に何事もなく安全検査を通り抜けました。よかったよかった。LH454便はA380-800で運行。この機種に乗るのは2回目ですが、やっぱり静かです。出発は10:25の真昼間で寝るわけにもいかず、仕事をしたり映画を見たり。

 

  月川翔 監督 『響 -HIBIKI-』

原作は柳本 光晴著の漫画『響~小説家になる方法~ 』。結構楽しめました。まあ、主人公が天才少女という設定で、漫画なのでいろいろ突拍子もないストーリーですから、それはそれとして。まぶしい才能を目の当たりにしたときの、まわりの人々のそれぞれの反応を丁寧に描いているのではないでしょうか。31歳で教授になってる人もいますからねえ。。。まあ、比べても仕方がないんですが。

 

 Rob Reiner監督 『Stand by Me』

観たことがなかった古い映画ですが、これも思った以上の出来。変な設定でっち上げなくても1泊2日の冒険だけでこれだけ青春のいろいろを描けるんですね。。。すごい。今も昔も、男の子ってこういう感じなのでしょうが、女子はまた違うんだろうな。

 

 Leslye Headland監督 『Sleeping with other people』

アメリカ英語にも慣れておこうかなと選んでみたのですが、セリフが早くてエロくて、あまりついていけませんでした。。。よくあるアメリカのラブコメという感じでしょうか。日本では未公開だそうで、まあ、内容からして公開できないでしょうねえ。ええ。

 

・到着

事前にESTAで情報を登録したからスムーズにというわけでもなく、機械で写真を撮って、指紋を採取して、印刷された紙をもって、結局通常通り入国審査で並ぶという。。。運が悪く、並ばされたところの担当者が休憩に入り、ほかの列にも行けないままひたすら待ちぼうけを食らったりと、飛行機降りてから空港を出るまで90分ぐらいはかかったでしょうか。長時間フライトの後だと本当に疲れます。

出発ロビーのフロアへ移り、Bank of AmericaのATMを見つけてドル紙幣をクレジットカードのキャッシングでゲット。ATM使用料の手数料2.5ドル。TravelexのATMもありましたが、手数料はもっと高かったです。

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空港近くのMillwood Innで前泊。朝食付きで179ドル。これでまだ安い方。。。カリフォルニアの物価はいったいどうなってるんだ。。。空港から無料でシャトルバスが走っていて、少し暇をつぶしてから時刻表に合わせて乗り場に行ったのですが、15分か20分ぐらい遅れてようやくやってきました。これなら最初から直で待ってた方がよかったな。そして、空は青いけど肌寒い。西海岸ってこんなはずではなかったんだが。。。

Millbrae CA Hotel Near San Francisco/SFO Airport - Millwood Inn & Suites

 

つづく

ついてない話

科学者やっといてなんですが、ついてないなあと思ってしまいたくなるときがありますよね。。。

 

・rnvで罰金を取られる。

妻がバスに乗っていたら、Bismarckplatzから検札のおじさんたちが乗車。ところが持っているはずのJahreskarte が見つからず違反切符を切られることに。誤って僕がカードを持ち出していたことが原因。。。すみません。

ということで、一週間以内に60 euroのerhöhtes Beförderungsentgelt (EBE)(罰金)を払わないといけません。日本だと正規運賃の3倍ですから、それに比べると高額です。1週間を過ぎると、さらに7ユーロの手数料が加算されるそうです。

VRN | Fahrkartenkontrollen

有効な乗車券があるけど忘れたなだけの場合は、すぐに申し出れば、罰金が7ユーロで済むようですが、譲渡可能な乗車券はその対象外。あとで他の人が持っていた切符やカードを見せられてもなあという理屈は分かります。年パスは通常顔写真が付いていて、他人に譲渡できませんが、平日は主に妻が使用しますが、週末は僕と長男だけで出かけることもしばしばあるので、譲渡可能なもの(Übertragbar)なものにしていました。譲渡可能といっても夫婦間で貸し合うだけなのですが、カード代が1枚で済む代わりに、こういう時に罰金の減額ができなかったり、無くした時の再発行料が高かったりします。

何はともあれ、ダメ元で相談してみようということで、その日のうちにハイデルベルク駅のrnvのKundenzentrumに出かけました。これがけんもほろろで、そもそもデータは明日以降じゃないと見れないから今来ても無駄、カードを持ってきても譲渡可能なものはダメと言ったらダメだから来ても無駄、これ全部その罰金の紙に書いてあるからよく読んでと、追い返されました。まあ、ドイツだもんねえ、、、そうなるよねえ。。。

罰金自体は振込で良いので、後日諦めて振込ました。Heidelbergは特に検札が少なく、月に1度も出くわしませんが、かといってバレた時に罰金払うほうが、まじめにチケット買うより安上がりで済むというわけではありません。日本の駐禁切符と同じように、あくまで罰金を払えば警察に突き出すのをやめてあげる処置なだけであって、不正乗車のデータは3年は保存されており、常習者は法律違反として司法手続きの次のステージへ進んでしまうようです。

 

・ワインが割れる。

 AchenbachというワインナリーのSchurebeがおいしいということで、通販で注文。

https://weingut-achenbach.de/search?sSearch=Scheurebe

 振り込んですぐに発送してくれたのですが、DHLの追跡データによると、

Speyer:Die Sendung ist in der Region des Empfängers angekommen und wird im nächsten Schritt zur Zustellbasis transportiert.

となったまま4日過ぎても動きがありません。5日目にようやくステータスが変わり、

Speyer:Aufgrund einer Beschädigung wurde die Sendung nachbearbeitet.

となり、発送元に返送になったようです。おそらく輸送中にボトルが割れでもしたのでしょうか。出張前に現地の友人へのお土産にしたかったのですが。。。Achenbachの人にメールを書いて連絡したところ、すぐに明日再発送するよということになり、ギリギリ間に合いました。ワインは期待通りのさわやかな甘い味で、キンキンに冷やすと夏にはいい感じ!RieslingとかGrauburgunderとかとはまた違う感じです。

 

・携帯が割れる

妻に渡していた一応スマホのWiko Sunset2を胸ポケットに入れて、息子と後ろ走り競走に励んていたところ、スマホがポケットから落ちてガラスが割れました。。。

Wiko Mobile - SUNSET 2

割れても一応まだ動きますが、動作が鈍くなっていたし、古すぎてGoogleナビもまともに動かなくなっていたので、寿命ですかね。2015年発売のAndroid 4.4ですからね。。。むしろよく今まで動いてくれたという感じでしょうか。

いろいろ支障が出るので、後継機種の選定に時間もあまりかけられず、同じWikoのView 2にしました。お値段109ユーロ。Mediamarktのオンラインショップで発注。すぐに届きました。

Wiko Mobile - VIEW2

電源をつけてみると、まず日本語オプションがあることにびっくり!以前のSunset 2はPC使っていろいろしないと日本語のAndroid出てこなかったからですね。。。日本でもWikoが発売されているからでしょうか。Androidも8になって隔世の感があります。WiFiに接続すると、OSのアップデートだけでまず数十分。データの移送は思ったよりスムーズ。古い方(Sunset 1)がNFCついてないので、2台くっつけてカップリングというわけにはいきませんでしたが、WiFiに接続して、アドレス帳とかをGoogleアカウントに紐づければなんとかなりました。WhatsAppはダウンロードしてログインすると、SMS認証になって、データはすぐに反映されました。

SMSのメッセージはSDカードにバックアップは取れたのですが、新しいスマホで読み込めません。。。仕方なく、SMS Backup & Restoreというアプリを両方のスマホにインストールしてやりました。Android 4でも動いてくれてよかったよかった。

play.google.com

カードスロットは二つあって、NanoSIMかMicroSDか、どちらでも差し込めるんですね、へー。思った以上に大きいので、なにかカバーとか買わないといけないかなあ。Sunset 2は小さくて軽く、しかも落としても大概ばらばらになるだけで割れなかったし、電池も自分で交換できたのですが、View 2はばらすわけにはいかないようで、丁寧に使うしかないですな。

 

・掃除機が壊れる

VCH 9530 Akku-Staubsauger

という、サイクロン式で充電式の掃除機を使っていましたが、突如吸わなくなりました。モーターは回ってるのになあ。いろいろ分解してみても原因はわからず、故障認定。3年だと寿命にはまだ早い気がしますが。。。

サイクロン式は紙パックがなくて便利ですが、こまめにフィルター掃除しないとすぐに詰まって吸わなくなっていました。次は元の紙パック式に戻してみようということで、コード式をSATURNで買ってきました。

Staubsauger mit Beutel KVC 3221 A - KOENIC

ところがこれもどうも当たりではなかったらしく、吸引するところが床にぴったりとくっつきすぎてスムーズに動かないし、表面の素材の静電気でゴミがいっぱいくっついちゃうし。。。うーん。100ユーロ超えない安物はやっぱりだめなのか。。。掃除機選びも難しいです。

古い掃除機を処分しないといけないわけですが、小型家電(Elektrische Haushaltsgeräte)にあたるため通常のごみ箱では捨てないルールになっています。

heidelberg.de - Sperrmüll

市役所のウェブサイトからオンラインで予約(Sperrmüllanmeldeformular )。電話、FAXでもできますが、まあ、オンラインが一番便利。住所などを入力すると、月1の収集日の日時が表示され、その日の朝6時までに家の前にごみを出しておくと集められる仕組みの様です。

 

子連れで週末のお出かけ(4)

・Wein streetfood fest

Wein-und Streetfood Festival Heidelberg

ハイデルベルクの動物園の近くの広場で行われました。第1回ワイン・ストリートフード・フェスティバル。入場料は大人3ユーロで、8ユーロ払うと、テイスティングとして5か所のワインナリーのワインが試飲できるようになっております。子供が遊べる場所も少しあって、天気が良くなってからはなかなかの賑わいでした。果たして第2回はあるのか? 

 

・Deutsch-Amerikanisches Freundschaftsfest

Deutsch-Amerikanisches Freundschaftsfest in Heidelberg - großes Highlight erwartet | Heidelberg

もう3回目ですね、行くの。年々少しずつ規模が小さくなっていっているような。。。

Fliegende Fröscheというゲームを初めて見ました。

www.volksfestundkirmes.de - Volksfest- und Kirmestermine, Platzangebote, Platzgesuche, Eventgastronomie


Frösche klopfen

ジャンプ台にゴムでできたカエルを置いて、真ん中の的めがけて飛ばすわけですが、これが入らないのなんの。。。サクラと思われる少年がひっきりなしに飛ばしますが、50回に1回ぐらいしか入ってませんでした。よくこんなくだらないの思いつくなあ。

 

・『展覧会の絵』

heidelberg.de - 16.05.2019 Bilder einer Ausstellung

städtischen Musik- und Singschuleのコンサートで、ムソルグスキー作曲の「展覧会の絵」。13-17歳のオーケストラが演奏してくれました。とりあえず楽器はよく鳴らすような演奏でした。さすが。しかし、演出過多で音楽があんまり耳に入ってこない。。。

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Bilder unserer Einstellung | Flickrより

プーチン大統領とか、トランプ大統領が出てくるわ、それに向かってオーケストラがごみを投げつけるわ、この日は地方選挙だったから選挙に行きましょうとアナウンスするとか、もう無茶苦茶。。。 どうやらJeunesses Musicales Deutschland (JMD)という協会がやっているDeutschen Jugendorchesterpreis 2018/2019というコンクールに出品するようで、この日は3人の審査員がやってきていました。コンテスタントを一堂に集める日本と違って審査員を派遣するのか…確かにそっちの方がお金かからんなあ。演出はNationaltheater Mannheimの人がやったそうで。。。なるほど。

まあ、学校の道徳教育が「平和」「民主主義」「自由」「平等」などと一面的になってしまうのは仕方がないとは思いますが、よその国の指導者の肖像画をわざわざ掲げてこき下ろすのはさすがにやり過ぎ。この辺りの思いついたら一辺倒なところが、ドイツらしさなのでしょうが。。。集団教育ですからねえ。感受性が高い年代だし。自分の子供が「正しいものは世界の果てまで行っても正しいのよ!」的に育ってしまったらどうしようかと、いらぬ心配までしてしまいました。

 

・Heppenheim

やることがなくて、どこか行ったことがない街に行こうということで、Heppenheimへ。日曜日ということもあり、人気はあまりなかったですが、細い路地がいっぱいあって歩くのがちょっと楽しくなるようなところでした。教会もきれい。

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Haus der Museというカフェにふらっとたどり着きました。

Startseite

抜群にうまいというわけでもなかったですが、居心地がとてもよいお店でした。子供用のキッチン用おもちゃがいっぱい置いてある穴蔵もあり、子供も大満足。

 

・Karlsruhe Mess

Karlsruhe: Karlsruher Mess'

まあ、よくある感じのお祭りでした。

 

・Mannheim Kinderfest

Kinderfest Mannheim 2019 - Rhein-Neckar-Kind

Mannheim Stadtfestに合わせて開催されるKinderfest。2回目の参加。音楽、美術、体育、各教科そろってる感じで、どのブースも楽しいです。今回も絵を描いたり、ペットボトル工作したりといろいろ体験しましたが、全部は回り切れませんでした。。。来年もぜひ行きたいですね。

 

・Bad homburg Wein fest

Weinfest Bad Homburg mit verkaufsoffenem Sonntag - 31.05.2019 - 02.06.2019 - Veranstaltungen - Bad Homburg Tourismus

ふらっとみつけたワインまつり。地元だけでなく、クロアチアやらイタリアからのブースも出ていて、大いに盛り上がっていました。

Achenbachという近郊から出ているワインナリーがSchurebeというちょっと珍しめの品種のブドウジュースとワインを出していて、おいしかったです。

https://weingut-achenbach.de/traubensaft-weingut-achenbach-scheurebe-traubensaft-69

 

・Lochmühle

Lochmuehle - Home

フランクフルト近郊の遊園地+牧草地。大した遊具はないですが、幼稚園児にはちょうど良いぐらいで、たいそう楽しめました。いろんなところにトラクターが置いてあり、まるでヒーロー扱いです。係員もあんまりいなくて、いろんなアトラクションがセルフサービス。 いい感じでいい加減です。

 

生活雑話(8)

・風邪

春先から子供が幼稚園からもらってきた風邪によくかかりました。ウイルス性だったり、細菌性だったりといろいろ。抗生物質のお世話になることもありました。ドイツの医者はできるだけ抗生物質は出したくないので、細菌性かどうかを慎重に判断します。妻は授乳中ということもあって、ペニシリン Vが処方されました。

赤ちゃんの方も腸内細菌がやられてお腹の調子が悪くなりがちなので(抗生物質の副作用)、フェンネル茶(ウイキョウ:茴香)を与えて胃腸の調子を整えるようにとの指導が。へー、そういうものですか。

H&S Katalog - Fenchel Nr. 17 X05432

フェンネル - Wikipedia

インドカレー屋さんのレジ横によくおいてあるやつと一緒の様です。

カレー屋さんにあるカラフルな粒々は? | スパイス&ハーブスタジオ

ドイツは結構ハーブ大国のようで、いろんな機会でちょいちょいハーブが登場します。

 

子供は得てして鼻水を出すのが苦手だったりするのですが、それを手助けする道具がこちら、Otobar Naseballon。鼻にアダプタを差し込んで、風船が膨らむように空気を鼻から出すと、あら不思議、自然と鼻水も風船の中にたまっていくではありませんか!れっきとした医療補助器具ということで、処方箋がでて、私立保険ですが、費用がおりました。

 

(Amazon.deのアフィリエイトです)

 使い心地の方は今一つのようで、、、これだったら普通に紙で鼻かむわと、息子にはそっぽを向かれました、

 

赤ちゃんのほうは喘息になってなかなか治らず、いろいろ処方されました。まずは、 Salbutamol (sulfat)が入った気管支拡張剤のスプレー(Bronchospray novo)を。

サルブタモール - Wikipedia

良くなったり悪くなったりと長引いたので、感染症を疑って、抗生物質Amoxicillinが入ったNFECTOMOX Saft。1回あたり4mlを針がついてない注射器で飲ませるわけですが、なかなかの苦行・・・

それもあまりよくならず、血液検査に、レントゲン撮影。

レントゲンはハイデルベルク大学の小児科にKinderradiologieがあるので、紹介状を持って予約なしでいくそうです。撮影前2時間は飲まず食わずだそうで。

https://www.klinikum.uni-heidelberg.de/radiologische-klinik/klinik-fuer-diagnostische-und-interventionelle-radiologie/ueber-uns/sektionen-schwerpunkte/kinderradiologie/

そして、気管支拡張剤だけでは著しい改善が見慣れないということで、ステロイド剤fluticasoneが入った、FLUTIDE mite 50も処方されました。

フルチカゾン - Wikipedia

薬が効いたのが、自然に風邪が治ったのかよくわかりませんが、ようやく健康になって、延ばし伸ばしになっていたワクチンを打ってもらうことができました。まあ、なんだかんだ赤ちゃん本人は体力もついていて元気そうにしていたので、そんなに焦ったりすることはなかったです。長男の時は、「風邪ね、ほっとけば治るのよ」だった小児科の先生が、いろいろ心配していたのが逆に驚いたぐらいで、、、小さい子供は何があるかわからないという不安があるのでしょうねえ。

 

 

・滞在許可(Aufenthaltstitel)の3回目の更新

フンボルト財団のフェローシップが終了して、大学雇いになるため、滞在許可の更新です。もうポスドク滞在も4年目になりますから、そろそろブルーカードも申請できそうでしたが、1年にも満たない契約ですぐに海外学振に切り替えてしまうため、断念。家族4人分の申請書に、写真、大学雇い分のHosting Agreement、海外学振の証明書、海外学振の分のHosting Agreement、TKの健康保険の契約書(家族分も)、住宅の契約書をそれぞれ4部添えて申請です。データ管理のなんちゃらかんちゃらに署名をしてくれといわれ、促されるままにもう一枚書類が追加されました。数日後にメールで面接日の予定が決められ、パスポートを持参するようにとのこと。およそ3週間後が面接で、家族みんなで出かけました。

指紋をとったり、署名したりと滞りなく手続きが進みます。息子が署名したがってるのを見て、本来子供は署名無しなところを変更してくれました。滞在許可カードが届くのが楽しみです。滞在許可カードの作成状況がオンラインで確認できるようになっていました。

http://www.statusabfrage.kivbf.de/

 これで約3年分の更新。期限が切れるころにはどんな状況になってるんだろうなあ。。。長男だけはパスポートの期限がそれまでに切れちゃうので、有効期限までの滞在許可で、来年パスポートとりなおして、再度更新申請です。

 

・駐禁

ハイデルベルクの外国人局から出ると、駐車していたStadtmobileの車に怪しい男の影。ここは広い駐車場があって、するっと入っていけたのですが、実は民間の有料駐車場だったらしい。。。面接時間に遅れて到着したため慌ていたため、見逃していました。おじさんが車のナンバーを記入し、ちょうど振込用紙をワイパーに挟み込もうとしているところでした。

その文句がまた面白くて、通常だと1日分の駐車料金8ユーロに加え、罰金25ユーロをとるので、33ユーロらしいのですが、

Zur gütlichen Einigung und zur Vermeidung unnötiger weiterer Kosten, schlagen wir Ihnen vor, dass wir bei Zahlung eines Betrages in Höhe von 15,50 Euro auf die weitere Geltendmachung der verwirkten Vertragsstrafe verzichten.

 ということで、友好的に15.50ユーロ払ってくれたらチャラにしてやるよだそうです。詳しいことはわかりませんが、一民間会社なので、車のナンバーから所有者を当局に教えてもらい、さらに請求書を送って取り立てるのはなかなかの手間でしょうから、割引感を演出してさっさと払ってもらった方がよさそうという計算が働いているのかもしれません。

こっちはこっちで借りた車ですから、Stadtmobileからさらに手数料取られたらやだし、おとなしく振り込んでおきました。やれやれ。

研究雑話(10)

・ポスドク探し

お金はあっても人がいないんじゃしょうがないということで、ボスのポスドク探し。

一人目の候補者はフランスで学位を取得したてのインド人男性。ボスのツイッターをフォローしていて、求人情報に飛びついたらしい。へー。今どきはそういうのもありか。プレゼンはまあまあですが、ひたすらしゃべり倒しで人の話をあまり聞かない。。。3Dプリンターで細胞から組織を造形して調べればいいんだよ!って、いやまあ、冗談半分でいうならともかく、まじめな顔で言われても。。。セミナー翌日も書き仕事が忙しいからと予定を早々に切り上げて帰っちゃっいました。多分うちのラボの論文一報も読まずに来たんじゃないかなあというラボの評判。あえなく落選となりました。ボス抜きでディナーを食べたドイツ料理屋はおいしかったです。

Dorfschänke Heidelberg

https://www.dorfschaenke-hd.com/

 

二人目はウクライナで学位を取ったウクライナ女性。ジュニア研究員という肩書だけど、もうパーマネントポジションらしい!すげえ!前者と違ってコミュニケーション能力たっぷり。分野が違う僕たちの研究も一生懸命理解しようといろいろ質問してくれました。研究も一生懸命頑張ってはいるんだが、手法とかがいろいろちょっと古めで、今すぐうちのラボに来てもどれだけ貢献できるかというと。。。とりあえずフンボルト財団のフェローシップを出して、採用されたらおいでという対応となりました。世知辛いけど仕方がない。一応、夜も外に連れ出そうと誘って本人も行く気満々だったのですが、この日は他のラボメンバーの都合が悪く、行けそうなのは僕だけに。。。体調が悪いと言っているイタリア人女子学生を、なんとかもう一度誘いますが、断られてしまい、結局ラボでお別れすることになりました。ウクライナ的には、男女二人で夜ごはん食べに行くのは無しなのか。なるほど。

 

三人目はオーストリアで学位を取ったドイツ男性。プレゼンは情熱的な感じでちょっとまくし立てていたけど、まあわかる程度だったし、うちのラボが何をやっているかもわかっている感じ。コミュニケーション能力も申し分ないのですが、本人が将来的に何したいか、うちのラボとどう関わるのかはちょっと今一つ。聞けば、ドイツに戻ってきたくて職を探しているそうで、まあ、なるほどなと。D論提出が二週間後に差し迫っていてこちらもすぐに帰っていきました。一通りラボメンバーの意見を聞いた後で意見を聞いた後でボスもまあ及第点かなという感じでとりあえずポジションはオファーすることに。果たしてきてくれるのか?

ウィーンからはLaudamotionというオーストリアの格安航空会社(今はライアン航空の子会社)でシュトゥットガルトまで飛んできたらしいですが、お値段片道9.99ユーロらしい。安い。。。空港行くまでの方がお金かかる。。。

Lauda (airline) - Wikipedia

 

・サポート

ポスドク一人になってから一気に中間管理職の様相へ。。。いいのか悪いのか。

イタリア人の博士学生はやる気はあるものの、実験はまさに一から足取り手取りの感じ。ボス曰く、イタリアの学生は大体が実験経験の不足気味とのこと。そういうもんですか。でも、初回のプログレスレポートは自分の力だけで大演説をぶってきたし、プロジェクトをちゃんと理解はしているようで、そういうところは手がかからない。軌道に乗るまでは実験の面倒をこまめに見て、なんとか早くひとり立ちしてもらおう。

「解析だいぶやりましたし、ボスのプロジェクトを論文にまとめるのはいいんですが、この実験までは手が回りません。僕のプロジェクトもやらなきゃいけないんで。。。」と断ったつもりが、「じゃあ、バイトを雇おう!」と予想外の展開に。スウェーデン人の修士学生がHi-Wi(Wissenschaftliche Hilfskraft)(リサーチアシスタント)として来てくれることになりました。所得税がかからないMinijob範疇は月450ユーロ。これだと月38時間契約になるそうで、時給は11.6ユーロぐらいですかね?特に募集をかけたわけでもなく、良いタイミングで彼女の方からボスに仕事ありませんかとメールで聞いたようです。

書類をいろいろすませて、お仕事開始。今まで一人で好きにやってた仕事を、人にわかるようにタスクとして振らないといけないわけで、これはこれで大変。。。無駄仕事させちゃったり、時間が合わなかったり、いろいろです。こちらも軌道にのるまで辛抱という感じでしょうか。ポスドクが他にいないので技官さんもいろいろ手伝ってくれて、単純作業がますます減りました。

そうやって空いた時間で、何をやるのか。結局最後まで他人に振れない仕事となると、書類書きや論文書き、プレゼン・ポスター作成、まだうまくいくかわからないパイロット実験とか実験計画を立てるところになるわけで、ある意味、これらが本来研究員がやるべき仕事ということなんでしょうか。ついつい手を動かしたくなっちゃうからまだまだ慣れないですな。。。

 

・予算消化

フンボルト財団から毎月800ユーロの研究費が研究室に振り込まれているのですが、フェローシップが終わるまで使い切らないといけないようです。まだ結構残っていましたが、ボスは好きに使っていいよという事なので、いろいろ計画を。請求書が来ないことにはいくらになるかわからないので、共通機器室をせっついて、RNAseq分の請求書を発行してもらいます。ほっとくと何ヶ月もかかったりしますからね。。。2000ユーロぐらい余りそうだから、ハードディスクとか電子機器とか買おうかなと算段していました。

ところが秘書さんがやってきて、お金ないよと。日本出張で立替払いの分は確保していたのですが、日当が出るの忘れてた。。。しかも、まだ行ってない出張の航空券を旅行代理店から頼んでいたのですが、その分もすでに支払われてる。。。出張にいくのはフェローシップ期間外なのですが、そこらへんはルール上OKらしい。ということで2000ユーロ余るどころか、400ユーロ足りないらしい。すみません。。。ラボ予算にお世話になります。

ところで、と秘書さんが切り出すには、もう一個口座があるよと。研究費はオーバーヘッドで大学が10%ぐらい取っていくのですが(日本の間接経費)、そのお金が貯まってるよと。聞けばなんでもインフラ用のお金になるらしく、2400ユーロほど貯まっていましたが、こちらは期間内に使い切らなくてもも良いらしい。ハードディスクとかパソコンとか買いたいならここから支出してもいいわよ、一応インフラだしって、オーバーヘッドも一部はラボの裁量で使えるとはびっくり。今使い切らなくていいなら急がなくてもいいなという事で、このお金はとっといてもらうことにしました。

アマチュアのNext Generation Sequencing (NGS)解析

バイオインフォマティシャンではありませんが、RNAseqで発現解析ぐらいはできないとねと、いろいろガチャガチャLinuxでやってます、やらされてます。日進月歩の世界で、すぐにスタンダードが変わってしまいますが、まあ、慣れるより慣れろという感じでしょうか。

 

・染色体の名前

良く引っかかったのがゲノム情報上にある染色体番号の表記。>Chr1だったり、>chr1だったり、>1だったりとまちまち。人のプログラムとか使おうとすると、そのあたりでよく引っかかり、sedコマンドで手動でよくいろんなテキストファイルを書き換えてました。

【Linuxコマンド】sedで文字列を置換する方法 | 侍エンジニア塾ブログ(Samurai Blog) - プログラミング入門者向けサイト

igv viewerはエイリアスで、複数の染色体名でも頑張って表記してくれます。これは便利。

https://software.broadinstitute.org/software/igv/LoadData/#aliasfile

ミトコンドリアゲノムとか、気づかずに最後まで解析終わってから、「あれれ、なんかミトコンドリア由来の遺伝子全部0になってる。。。」と気づいてやり直しですからね。シロイヌナズナでは染色体番号がChr1, Chr2, Chr3, Chr4, Chr5, ChrC, ChrMだったり、1, 2, 3, 4, 5, Mt, Pt.だったりして、まちまちです。Plastidか、Chloroplastかで名前が違うのか。

Arabidopsis – Genomics Virtual Lab – Queensland

シロイヌナズナの場合は、TAIR10の次に、Araport11という2016年にアップデートされたアノテーションがあり、これを使いたいわけなのですが、Ensemble plantsでとってきたtair10のゲノムのfastaファイルとは染色体の名称が少々違うようで。。。ゲノム配列にミトコンドリア・葉緑体も含めるのか、含めないのか、カウントする時にどうするのかなど、いろいろ判断が必要なようです。。。しかもこのAraport 11のGTFファイル、RのGenomicFeaturesライブラリのmakeTxDbFromGFFで読ませると、いくつかのTranscriptでストップコドンの位置が転写産物の中にない(stop codons that cannot be mapped to an exon)という警告が返ってきました。makeTxDbFromGRangesのほうだと、drop.stop.codonsのオプションがあるから、エラーにはなりませんでした。

Updated Col-0 Genome Annotation (Araport11 Official Release) Updated Jun 2016 | Araport

 

 

・STAR

マッピングは以前Tophat2を使っていましたが、STARに乗り換え。ラボに16CPUのワークステーションがありまして、メモリーも大量に搭載していて、サクっとマッピングは終了します。時間は1/10ぐらいでしょうか、超高速。ところが、データをよく見ると、怪しげなものがいっぱい。。。STARはパラメータの初期設定がヒト寄りになっているのでいろいろ合わない様。下記の通りイントロンの最大サイズが1000kbになってますが、シロイヌナズナのゲノムでは、99%以上が1kb以下です。

--alignIntronMax 1000000 (default)
maximum intron length

--alignMatesGapMax 1000000 (default)
maximum genomic distance between mates

 Large Introns of 5 to 10 Kilo Base Pairs Can Be Spliced out in Arabidopsis

50bp シングルエンドとリードが短いせいもあって、遺伝子をまたぐような長いイントロンを含むようにマッピングされてました。探してみるほかにも困ってる人がいた!

https://groups.google.com/forum/#!topic/rna-star/cqqaMC_LoDo

ということで、上記のパラメータを小さくしとくのが大事なようです。10000ぐらいでとりあえず満足な結果が得られました。

 

・トリミング

した方がいいのか、しない方がいいのか。。。Smart seq 2で少量のmRNAをたくさん増幅したせいもあって、プライマーの配列がずいぶんリードの中に含まれています。気にはなるのですが、、、trim_galoreの-a オプションの配列指定(-stringency 5ぐらいで)で取り除いたら乗り除いたでリードが短くなってしまって、ゲノムのあっちこっちにマッピングされるようになるようです(multi loci)。50bp SEですからね。。。マッピングされたデータを見てみるとpoly Tとかpoly Aとかのリードもあっちこっちにマッピングされ、、、ナズナのゲノムには結構Tがつながってるところがあるんですね。。。これもPRINSEQで取り除けますが、illuminaのアダプターもあるし、いったい何回トリムすればいいんやら。。。

 

・STAR 再び

 ということで、何とかならんかなとSTARに戻り、まずは、outFilterMultimapNmaxを1にして、複数個所にマッピングされるようなリードを採用しないことに。まあ、発現解析しようというときは、こっちの方が安全かなあ。

--outFilterMultimapNmax 20 (default)
max number of multiple alignments allowed for a read: if exceeded, the read is consideredunmapped

次に、

--outFilterMatchNminOverLread
default:0.66
float: outFilterMatchNmin normalized to read length (sum of mates’ lengths for paired-end reads)

のパラメータの0.66を0.9にして、マッピングの条件を厳しくしました。トリムしてないリードを直接マッピングすることで、アダプターだろうと、プライマーだろうと、ゲノムにない配列をすべてはじくことにしました(リードの50bp中、40bp以上がゲノムにマッピングされていないといけないので、実質的にはじく)。マッピングされたリードの数はだいぶ減ってしまいましたが、それでもデータ解析をしてみると、結果の傾向は変わらずで、igv viewerで見ても変なピークが減ってだいぶきれいになったので、とりあえずこれで進めることに。ちなみに、75bpほどリードがあると、プライマー配列を除いても十分にマッピングできるほどの配列があるため、このパラメータは変更なしの方がよさそうです。

たかが発現解析、されど発現解析。原理を理解して、生データ見て、試行錯誤しながら条件だしして、きりがないからどっかでケリをつけて先に進む感じは結局ほかの実験と大して変わらないですね。。。

 

追記)・トリミング再び

プロのバイオインフォマティシャンに相談すると、トリミングはCutadaptの方が便利とのこと。複数のオプションもいっぺんに処理できるし、マルチコア対応で処理も早い。Smart-seq2のプライマー配列と、その相補配列、poly T, poly A, Illuminaのアダプター配列をいっぺんにトリミングしたところ、まあまあきれいになりました。マッピングではじいてもよいけど、それはやはり本筋ではないようで。。。おかげでマップされたリード数も増えました。

 

・トランスジーンにマッピングする

 遺伝子組み換え生物の発現解析なので、トランスジーンにマップされるリードも数えたいところ。ベクターの配列から、mRNAが作られる配列のところのFASTAファイルを作り、ゲノムインデックスを作らせてSTARでマッピングしましたが、Segmentation fault (core dumped)のエラーに。Googleでいろいろ調べてみると、サイズが小さいゲノムの場合は、index作るときにパラメータを変えないといけなかったようです。。。知らなかった。bowtie 2の時はそんなんなかった。。。

 For small genomes, the parameter--genomeSAindexNbases needs to be scaled down, with a typical value of min(14, log2(GenomeLength)/2 - 1).

 1000bp満たないので、4にして、genome indexを再度作りなおしたらうまくいきました。超高速のソフトウェアだから、一瞬で終わるのかなと思いきや、結構時間かかって、bowtie 2と大して変わらなかったような。。。アルゴリズムって不思議です。

 

・情報を共有する。

マッピングされたデータを共有したい時があります。すでに離れた人が残したデータを解析するとなると、やっぱりその人にも見てもらいたいわけで。かといって、元ファイルアップロードして、igv viewerをインストールしてもらって。。。というのはハードルがまだ高いです。

UCSC Genome Browser Gateway

そういう時に役に立ったのが、UCSC Genome Browserでした。まず、ヨーロッパにミラーのサーバがあって(上記リンク)、ファイルのアップロード・読み込みが早い。対応ゲノム一覧の系統樹には植物は現れませんが、"enter species or common name"のボックスにaraThaとタイプするとシロイヌナズナのゲノムがちゃんと出てきます。なんだか隠しコマンドみたい(笑)。

Viewerに飛んで(go)、下のところの「add custom tracks」のボタンをクリックすると、自分のファイルをアップロードできるようになります。ブラウザ経由でアップロードしてると遅いし、いろいろ止まりそうになるので、僕の場合は、ハイデルベルク大学のファイルサーバー(heiBOX)にアップロードして、公開リンクを取得して、そのリンクを貼り付け方法で行けました。数十MBのbedgraphファイルが10個ぐらいあってもへっちゃらの様です。その後、genome browserのアドレスをメールすれば、ほかの人にもデータ見てもらえました。

もちろん永久保存というわけではなく、何日か誰もデータにアクセスしないと、custom tracksは自動的に削除されるようです。

 

目下、NGS解析した結果をまとめて論文執筆中。その手の専門家からみたらトンチンカンなことやってるんじゃないかとひやひやです。。。まあ、とりあえずはやったことを人よりは丁寧に説明して、あとは査読者・読者の判断を仰ぐ感じですかね。バイオインフォマティクスの方は人材不足の様で、あっちこっちで求人広告見ますから、食い扶持なくなったら、そっち方面で生きていくのもありかもですね。思った以上に微調整がいろいろ大変で、こりゃ人手かかりますわ。