Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

フンボルト財団 年会(Jahrestagung der Alexander von Humboldt-Stiftung) 2017 その2

その1の続き

 

2.二日目

朝食後、この日はいよいよ大統領に謁見。9時ころからバスでベルビュー宮殿(Schloss Bellevue)に向かいます。ドイツ大統領の官邸だそうです。入り口では手荷物検査。芝生の庭に通され、炭酸ジュースで喉を潤しながら、大統領の登場を待ちます。こちらもProgramme for children and teenagersとありましたが、庭の後ろの方でアトラクションがいろいろ出ていて、子供が遊べるようになっておりました。写真手前のバレルも子供が入ってコロコロ回るもののようです。ほかにもバドミントンやらフェイスペイントやら。

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しばらくして、シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)ドイツ連邦大統領が登場。Schwarzフンボルト財団理事長に見守られながらの挨拶が始まりますが、残念ながらドイツ語で何言ってるかわからず。。。後日、大統領府のWebサイトにドイツ語のスピーチ全文が発表されておりました。国際交流は大事で、皆さんの訪独を歓迎するといった内容だったようです。挨拶後はゼクトで乾杯し、その後大統領は研究者からの写真攻めや握手攻めにあっておりました。特にアフリカ系の人などに人気でした。まあ、一生に一度あるかないかのチャンスですからね。スピーチの前は、宮殿の中でフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト賞の授賞式が行われたようで(非公開)、今年は京都大学の安部浩教授が受賞されておりました。安部教授の袴姿や、八木毅駐ドイツ連邦共和国大使夫妻などの姿も見えました。

www.bundespraesident.de: Der Bundespräsident / Reden / Stipendiaten der Alexander von Humboldt-Stiftung

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大統領との握手を求める列がずっと続いてましたが、途中雨が降ってきてお開き。バスでベルリン工科大学へ向かい、ビュッフェ式のランチです。午後はHumboldt Lunchtime Fairということで、それぞれのプログラムに参加しました。大雨の中、着物やドレスで10分ぐらい歩かされた女性たちはなかなか大変そうでした。初日と同じくChildren Programも開設されていましたが、せっかくだからと子供もラボツアーに連れていくことにしました。並んでいると、子供は連れてってもいいけど、ベビーカーは置いていってくれという指示。

Flying in the SEPHIR-Simulatorは、パイロット訓練用のシミュレーターを開発しているラボに訪問して、実際に航空機シミュレーターを操縦して離着陸を体験するというものです。一時間ほど操縦させてもらい、なかなか楽しかったです。着陸も難なく成功。乱気流が強い時はさすがに応えましたが。。。学生の頃にYS FLIGHT SIMULATORで鍛えた感覚が役に立ったようです。

フリー フライト シミュレータ - YS FLIGHT SIMULATOR

説明している学生に話を聞くと、ヨーロッパでは新型の航空機もあまり開発されておらず、業界としてはあまり活気づいて無く、一体博士号がいつになったらとれるんだろうみたいな悲しい話でしたが。。。

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ラボツアー後はバスでホテルに戻り、ホテルのレストランでFarewell dinnerです。テーブルがあるビュッフェ形式で、どれもこれもおいしかったです。受賞者などはまた別にちゃんとしたディナーがあるようです。

 

3.三日目以降

プログラムとしては、朝食をとってチェックアウトで終了です。朝食を食べてると、ベルリン工科大学の号外が配られていて、大統領訪問やラボツアーの様子などが載っていました。仕事が早い!

さて、2泊延泊してベルリン市内を観光。動物園に行ったけど、パンダはまだ来てなかった、、、というかいくらなんでもパンダ中心に改装しすぎなんじゃないかしら。ほかの展示も人気の動物を集めてみました感が出ていて、豚以外はなんかイマイチ。再入場不可で、高くてイマイチな園内のレストランで昼食をとらされるし、、、最後に水族館というか爬虫類館にも行きましたが、ここはなかなか良かったです。学芸員(?)の心意気を感じます。

Zoo Berlin

 

食べ物関係だと、

Curry 36 Berlin のCurrywurst・カレーソーセージ

Das Rausch Schokoladen-Café am Gendarmenmarkt Berlin のチョコレートケーキ

Europa Center - Ming Dynastie 大明酒家の中華料理(ビュッフェじゃない方)

がとてもおいしかったです。特に中華はちゃんとした中華でした。というかハイデルベルクに比べるとみんなおいしく感じますね。。。

Cocolo Ramen | KUCHI RESTAURANTS - Das Sushi Restaurant in Berlin Mitte und Berlin Charlottenburg のラーメンも本格派でとてもおいしかったですが、大人気店の様で一時間ぐらい待つ羽目になりました。

Tee Tea Thé で茶葉も購入。Heidelbergだと、結構フレーバーが付いた紅茶がほとんどなのですが、我が家としてはニルギリなどのあっさり系が好み。喫茶スペースで優雅にお茶タイムでもしようかと思ったら、土砂降りにあいましたが。。。

なお、この周辺はおしゃれな雑貨屋さんや洋服屋さんも多く、ぶらぶらするにはもってこいの街でした。しばらく歩くとにぎやかなところに出て、Marktに出くわしました。ティラミスを食べてると再びにわか雨になり、雨宿りしながらベルリンに移り住んでもう40年という淑女と談笑。NHK『旅するドイツ語』に登場するスザンネさんのような方ですが、こんな雨、生まれてこの方見たことないわよなんておっしゃってました。床下浸水多数で、電車も高速道路も止まったんだとか。ニュース見てないから全然知りませんでしたが。。。ベルリンの言葉はアクセントが穏やかで、あんまりはっきりしてなくて少々聞き取りづらいですと言ったら、私もシュトゥットガルトに住んでる親戚が何しゃべってるか時たまわからないわよと返されました。なるほど、そういうものですか。マルクトは毎週水・土だそうです。マルクトを過ぎるすぐにUバーンのNollendorfplatzの駅があり、アクセスも便利です。

Wochenmarkt Winterfeldtplatz | visitBerlin.de

 

最終日の日曜日のベルリンからハイデルベルクへの帰り道。ICEでWolfsburgに寄ってVW groupのAutostadtに行きましたが、ちょっと期待外れ。万博のブースみたいになっちゃってて、あまり車らしさを楽しめませんでした。

Die Autostadt in Wolfsburg - Autostadt

隣のPhaenoという科学博物館の方が楽しかったかも。。。

phaeno - Home

WolfsburgからICEに乗ってHamburgで乗り換え。ちょうどHeidelbergまで直通のICがあったので、MannheimまでのICEをパスしてICに乗ったのですが、うるさいのなんの。。。ギャルたちがずっと高笑いしてました。。。ICEは静かだったなあ。Frankfurt Hbfでしばらく停車していたので夕食を調達できたのはよかったですが。ユーレイルパスで、座席予約してませんでしたが、大体は一駅・二駅待てば座席にありつけました。

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雨には見舞われましたが、楽しい旅(?)になりました。歓迎されているなと感じることができ、頑張って研究しようという気概が増しました。

ほとんどポスドクの人だろうと思って、途中いろんな方と言葉を交わすと、どうも話がかみ合わないことが多く、Experienced ResearcherのFellowshipでいらしている方もかなり多くいらっしゃることがわかりました。こちらは博士号取得後12年以内の助教もしくはグループリーダー以上のポジションの方が応募するプログラムで、6-18か月ドイツに滞在して研究に従事します(最大3回に分割可)。ポスドクのプログラムと合わせて年間500人採択するということで内訳は明かされていませんが、しゃべった感じだと少なくとも1/3ぐらいの方はこっちのプログラムだった気がします。この場合、元の職を辞しているわけではないので、休職かサバティカルかでいらっしゃるようです。年会参加者のNetworking GuideにHome Instituteの欄があって、ポスドクなんてもう母国に拠点ないから何書けばいいんだろうと思っていたのですが、謎がやっと解けました。

そのポジションの人に対する大型の助成はあまり聞いたことがないので、フンボルト財団の特色の一つと言えるかもしれません。皆さん口をそろえておっしゃるのは、日々の業務(授業・会議など)から離れて研究に集中できる時間が取れるようになったことです。これは将来ポジション取ってからもう一回応募したいなと思っていたら、奨学金一回取った人はもうダメと書いてありました。。。そりゃそうだけど。助教の皆さん、お仕事に疲れたらぜひドイツにいらしてみてください。