Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

マーストリヒト・ユトレヒト(1)

9月上旬。もうすぐ小学校も始まるので、休暇を取ってどっかいくならこの時ですが、まだ行ってないスペインもポルトガルも、新型コロナで行けるような状況じゃありません。近くで異国情緒が味わえて、ドイツに帰ってきても隔離を要請されないところということで、オランダに行ってみることにしました。

ドイツに帰国後に2週間の隔離が要請される地域は日々ロベルト・コッホ研究所から更新されています。9月上旬の時点では、ブリュッセル・アントワープ・アムステルダムだけが指定されていましたが、10月上旬の現在では、第二波の影響でベルギー全土(9月30日)オランダほぼ全土(10月2日)も指定されており、まあ、行けるうちに行っといてよかったなというところです。8月中の方がもっと自由でしたが、そのころは仕事に追われて…。

RKI - Coronavirus SARS-CoV-2 - Informationen zur Ausweisung internationaler Risikogebiete durch das Auswärtige Amt, BMG und BMI

本当は格安パックツアーを使いたいところでしたが、さすがにこのご時世ではほとんど設定されていなくて、普通に宿を予約しました。

 

・マーストリヒト

オランダ最古の町にして、EU発祥の町。ハイデルベルクからは車で3時間ちょっと。レンタカーはほぼ正規料金で、いつもはいろいろ使える割引クーポンがほぼ使えませんでした。VW PASSATが一週間で約270ユーロ。オランダなんて大してドイツと変わらんかなと思っていましたが、そんなことはなく、低くて窓が大きくてレンガ造り(表面だけ?)の家がずらりと並んだ感じはなるほど、違う国に来たなと感じさせるのに十分な感じでした。

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宿はArtagnanというところをBooking.com経由でとりました。車は路駐してあとはご主人が手続きしてくれました(12.5 ユーロ)。外見上は全くの普通の民家ですが、ドアを開けると古風な調度品がふんだんにちりばめられたところ。女主人は英語も堪能だし、ドイツで育ったこともあってドイツ語も流暢。さらにオランダ語だから、三つぐらいはみんなしゃべれるのね。。。一軒家を3部屋に分けて貸しているようで、私たちは2階の部屋へ通されました。マスクは「心配ならしたらいいと思うけど。。。」という感じした。

www.booking.com

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お姫様ベット風に子供たちも大喜び。

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部屋自体はワンルームでしたが、廊下伝いの図書室的な部屋も自由に使ってくださいとのことで、立派な感じに感嘆。おもちゃも用意されて子供もすっかりお気に入り。ジャグジーバスもあって、ゆっくり疲れました。ラジオは出るわ、泡は出るわ、ライトは出るわ。。。

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翌朝の朝食はホテル1階のテーブルで。一人12.5ユーロ。子供も入れて3人で37.5ユーロ。ふんだんにヴィンテージのガラス食器が使われていて妻が大興奮。子供がいると大人はヒヤヒヤ。こういう食器はこう使うのかといろいろ新しい発見があったようです。巨大ながま口財布の保温器から紅茶やらコーヒーのポッドが出てきたときは驚きました。オランダの朝食はドイツとは少し勝手が違うようで、パンの上にチョコチップやらなにやら甘いこまごまとしたものを載せるようです。Muisjesとか、Hagelslagとか、Vlokkenと呼ばれるもののようで、スーパーに行けばずらーと並んでるし、オランダ食材のオンラインショップでもトップページに並んでるし、なるほどこれがオランダ人のソウルフードですか。

Streusel & Frühstücksaufstriche aus Holland online kaufen

オランダ内ではコロッケ(kroket)があちこちに。高速のサービスエリアでも熱々のコロッケをパンにはさんで売ってました。マクドナルドでもMcKroketなるものが発売されてました。日本のジャガイモベースのコロッケというよりは、クリームコロッケという感じですが、どこも結構おいしい。サクサクした食感がオランダ人の好みなのかもしれません。

McKroket » oer-Hollands Genieten ☆ McDonald's

ディナーはPieke Potloedというちょっと路地裏にあるレストランで。

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Home - Bar Bistro Pieke Potloed Maastricht

味はドイツ以上フランス未満といったところでしょうか。味の濃さもほどほどで、ドイツ程はしょっぱくない。値段は比較的お手頃でした。英語も流暢。星のロゴはマーストリヒトのマークです。

街を歩くと目につくのが、Vlaai(フラーイ)と呼ばれるスイーツ。コロナ中で入店できる人数は2、3人に制限されていますが、老若男女が店先で並んでました。パイともタルトともちょっとだけ違う感じで、甘さも控えめで結構パクパク食べれました。パンも柔らかめのものが多く、商品も一個ずつ袋に包んでくれるので、日本のパン屋さんの様でした。

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https://bakkerijpaulissen.nl/

マース川を渡ったところに老舗ショコラティエのFriandisesもまだ人気があるようで。

http://www.friandisesmaastricht.nl/

 

Artagnanは1泊だけでチェックアウト。朝食代や駐車代は現金払いなので要注意。他のゲストが主人に話してるのを立ち聞きしてると、なんでもヴェネツィア行ってみたらどこもガラガラですごい良かったぜと自慢してたので、ここぞとばかりにヨーロッパ内であちこちに出かける人もいるようです。10月に入ると、オランダ・ベルギー・チェコ・フランス・スペイン・ポルトガルなど、主な都市はほぼリスク地域に指定されてしまったので、ある意味早い者勝ちだった感じもします。

 

街をぶらぶらしようと思ったらあいにくの雨だったので、マーストリヒトの洞窟へ向かいました。

Maastricht Underground | Explore Maastricht

要オンライン事前予約でしたが、当日の午後でも空いていました。1グループは12人まで。

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 中はもちろん真っ暗。広大な洞窟は地中でベルギー・フランスともつながっているそうです。建築材としての石灰岩を掘り出すために掘ったトンネルで、規模が大きい。マーストリヒトの地名は地学的には有名な様で、白亜紀最後の期はマーストリヒチアンと呼ばれていますし、恐竜の存在が知られる前の1700年代後半にモササウルスという海中の巨大トカゲ(~10m)の最初の化石もここで見つかったようです。

マーストリヒチアン - Wikipedia

http://www.scc.u-tokai.ac.jp/sectu/box/9510yk11.html

モササウルス - Wikipedia

石の質はもろい方ですが、その分加工もしやすく、様々な建築物の見えないところに使われたとか、すごい水分を吸うから鍾乳洞にはならなかったとか、キノコ育ててるとか、いろいろな面白い話を聞かせてもらいました。トンネル内随所に壁画が描かれています。ここは面白かった。

 昼下がりにツアーも終わり、車でユトレヒトに向かいます。