Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

アイスクリーム(Eis)

拾った新聞にアイスクリームの統計が載っていたのでご紹介。

2017年7月19日(水)のHandelsblatt誌です。本文はコチラですが、どうやら有料記事のようです。著作権大丈夫かなぁ、、、まぁ、いいっか。

Eisige Zeiten in Deutschland

 

1.ドイツ人が年間で一人当たり食べるアイスクリームの数:113

Jährlicher Pro-Kopf-Konsum in Deutschland in Eiskugeln

113kugelnといって、アイスクリームをすくう大きめのスプーン一個を、1kugelと言います。3日に一度はアイス一個食べてる!

 

2.ドイツでのアイスクリーム生産量

Produktionsmenge von Speiseeis in Deutschland in Mio. Liter

1965年:54 百万リットル

1990年:238 百万リットル

2015年:540 百万リットル

ここ50年で10倍!

 

3.国別の生産量ではイタリアを抜いて第一位(ヨーロッパかな?世界かな?)。売り上げは断トツの1位。

ドイツ:540百万リットル   1649 百万ユーロ (売上)

イタリア:464百万リットル  812 百万ユーロ (売上)

フランス:457百万リットル  982 百万ユーロ (売上)

スペイン:303百万リットル  605 百万ユーロ (売上)

イギリス:260百万リットル  412 百万ユーロ (売上)

 

4.アイスクリームショップは減り続けている。

Zahl der umsatzsteuerpflichtigen Betreibe

2002年  6794店

2015年  5591店

 

5.でも、アイスクリームショップのアイスが好き。

Umfrage zur Lieblingssorte 2014

74% アイスクリームショップのアイス

9% ソフトアイス

7% ブランドアイス(スーパーなどで包装されて売っているもの)

4% フローズンヨーグルト

6% その他

 

6.でも、アイス市場はブランドアイスが圧倒的

Anteil am Eismarkt 2016

81% 工業的なブランドアイス

16% アイスクリームショップ

2% ソフトアイス

ガリガリ君のようにみんなに愛されているブランドアイスが、Flutschfinger Eisです。UnileverグループのLangneseブランドで、シェアは34%で1位です。

www.langnese.de

 

7.好きな味

Beliebteste Eissorten 2016

1.チョコ、2.バニラ、3.ヘーゼルナッツ、4.イチゴ、5.Stracciatella(チョコチップ)

 

ということでした。なにせドイツ人はアイスクリームが好きで、1Kugelのために10分ぐらい平気で待ちます。そして老若男女アイスを舐めてます。僕はどちらかというとスプーンで食べるか、かじる派なんですが。。。

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アイスショップに入って自分の番がくると(Nächste, bitte!)、Waffel oder Becher?と、ワッフルかカップかを聞かれます。日本のサーティワンアイスのように、ワッフルコーンで追加料金が取られることはまずありません。次に(場合によっては一番最初に)、何Kugelかを聞かれます。日本で言うところの、シングルか、ダブルか、トリプルかです。ここで、連れの分も一緒に慌ててイチゴ二つ!と言ってしまうと、一つのワッフルにイチゴアイスが二つのっかって出てきちゃうのでご用心。あくまでサイズですので、シングルでよければ、Ein Kugel!と言いましょう。

これ、あれと指をさして何とかアイスの選択を済ませたら、Noch etwas?(ほかには?)と大体聞かれます。イチゴをもう一つ頼みたいときは、このタイミングでその旨を伝えましょう。その後お会計となります。お店にも依りますが、1Kugel、2Kugelnぐらいのお客は、テイクアウトが前提です。着席して食べる場合は、通常の喫茶店と同じように先に座って待っていると、注文を取りに来るところが多いです。その場合は最小でも3 Kugelnぐらいのサイズのアイスになり、ちゃんとした容器に入って出てきます。

お店の後ろにはフルーツが載ったおいしそうなパフェやら、スパゲッティアイスの写真が貼ってあったり、メニューを見ると子供向けの飾りアイス(ピノキオとかネズミとか)がいろいろあったりします。一息つきたいときにはぜひぜひ。

 

ハイデルベルクでお薦めなのは、下記の3店舗。

Schoener gefunden werden - That's Gelato

が4店舗(Steingasse, Bergheimstr., Rohrbach, Handschuhsheim)出していて、さらに大学構内にもたまにカートで売りに来てます。

 

Das Eiscafé gelato go in Heidelberg mit leckeren Bio-Eisssorte und vegane Eisvarianten

はHauptstr.にお店があり、今年Bahnstadtに二店舗目を出しました。夏はよく行列ができています。

 

https://www.facebook.com/AmamiHeidelberg/

AMAMIは2017年にできた新しいアイスクリーム屋さんで、ちょっとおしゃれなフレーバーです。日本語から名前は来てますが、日本とは何の関係もありません。

 

1 Kugel 1ユーロ~1.20ユーロが多いので、売店でアイスを買うぐらいなら、アイス屋さんで買った方がお買い得な気分になります。コンビニアイスのスーパーカップにもよくお世話になりましたが、こればかりはドイツの方がアイス事情は恵まれていると言わざるを得ません。冬季は1~2か月、たっぷり休むことが多いですが、それでもなんと2月からもうお店が開いてます!寒いのに!

フンボルト財団 年会(Jahrestagung der Alexander von Humboldt-Stiftung) 2017 その2

その1の続き

 

2.二日目

朝食後、この日はいよいよ大統領に謁見。9時ころからバスでベルビュー宮殿(Schloss Bellevue)に向かいます。ドイツ大統領の官邸だそうです。入り口では手荷物検査。芝生の庭に通され、炭酸ジュースで喉を潤しながら、大統領の登場を待ちます。こちらもProgramme for children and teenagersとありましたが、庭の後ろの方でアトラクションがいろいろ出ていて、子供が遊べるようになっておりました。写真手前のバレルも子供が入ってコロコロ回るもののようです。ほかにもバドミントンやらフェイスペイントやら。

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しばらくして、シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)ドイツ連邦大統領が登場。Schwarzフンボルト財団理事長に見守られながらの挨拶が始まりますが、残念ながらドイツ語で何言ってるかわからず。。。後日、大統領府のWebサイトにドイツ語のスピーチ全文が発表されておりました。国際交流は大事で、皆さんの訪独を歓迎するといった内容だったようです。挨拶後はゼクトで乾杯し、その後大統領は研究者からの写真攻めや握手攻めにあっておりました。特にアフリカ系の人などに人気でした。まあ、一生に一度あるかないかのチャンスですからね。スピーチの前は、宮殿の中でフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト賞の授賞式が行われたようで(非公開)、今年は京都大学の安部浩教授が受賞されておりました。安部教授の袴姿や、八木毅駐ドイツ連邦共和国大使夫妻などの姿も見えました。

www.bundespraesident.de: Der Bundespräsident / Reden / Stipendiaten der Alexander von Humboldt-Stiftung

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大統領との握手を求める列がずっと続いてましたが、途中雨が降ってきてお開き。バスでベルリン工科大学へ向かい、ビュッフェ式のランチです。午後はHumboldt Lunchtime Fairということで、それぞれのプログラムに参加しました。大雨の中、着物やドレスで10分ぐらい歩かされた女性たちはなかなか大変そうでした。初日と同じくChildren Programも開設されていましたが、せっかくだからと子供もラボツアーに連れていくことにしました。並んでいると、子供は連れてってもいいけど、ベビーカーは置いていってくれという指示。

Flying in the SEPHIR-Simulatorは、パイロット訓練用のシミュレーターを開発しているラボに訪問して、実際に航空機シミュレーターを操縦して離着陸を体験するというものです。一時間ほど操縦させてもらい、なかなか楽しかったです。着陸も難なく成功。乱気流が強い時はさすがに応えましたが。。。学生の頃にYS FLIGHT SIMULATORで鍛えた感覚が役に立ったようです。

フリー フライト シミュレータ - YS FLIGHT SIMULATOR

説明している学生に話を聞くと、ヨーロッパでは新型の航空機もあまり開発されておらず、業界としてはあまり活気づいて無く、一体博士号がいつになったらとれるんだろうみたいな悲しい話でしたが。。。

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ラボツアー後はバスでホテルに戻り、ホテルのレストランでFarewell dinnerです。テーブルがあるビュッフェ形式で、どれもこれもおいしかったです。受賞者などはまた別にちゃんとしたディナーがあるようです。

 

3.三日目以降

プログラムとしては、朝食をとってチェックアウトで終了です。朝食を食べてると、ベルリン工科大学の号外が配られていて、大統領訪問やラボツアーの様子などが載っていました。仕事が早い!

さて、2泊延泊してベルリン市内を観光。動物園に行ったけど、パンダはまだ来てなかった、、、というかいくらなんでもパンダ中心に改装しすぎなんじゃないかしら。ほかの展示も人気の動物を集めてみました感が出ていて、豚以外はなんかイマイチ。再入場不可で、高くてイマイチな園内のレストランで昼食をとらされるし、、、最後に水族館というか爬虫類館にも行きましたが、ここはなかなか良かったです。学芸員(?)の心意気を感じます。

Zoo Berlin

 

食べ物関係だと、

Curry 36 Berlin のCurrywurst・カレーソーセージ

Das Rausch Schokoladen-Café am Gendarmenmarkt Berlin のチョコレートケーキ

Europa Center - Ming Dynastie 大明酒家の中華料理(ビュッフェじゃない方)

がとてもおいしかったです。特に中華はちゃんとした中華でした。というかハイデルベルクに比べるとみんなおいしく感じますね。。。

Cocolo Ramen | KUCHI RESTAURANTS - Das Sushi Restaurant in Berlin Mitte und Berlin Charlottenburg のラーメンも本格派でとてもおいしかったですが、大人気店の様で一時間ぐらい待つ羽目になりました。

Tee Tea Thé で茶葉も購入。Heidelbergだと、結構フレーバーが付いた紅茶がほとんどなのですが、我が家としてはニルギリなどのあっさり系が好み。喫茶スペースで優雅にお茶タイムでもしようかと思ったら、土砂降りにあいましたが。。。

なお、この周辺はおしゃれな雑貨屋さんや洋服屋さんも多く、ぶらぶらするにはもってこいの街でした。しばらく歩くとにぎやかなところに出て、Marktに出くわしました。ティラミスを食べてると再びにわか雨になり、雨宿りしながらベルリンに移り住んでもう40年という淑女と談笑。NHK『旅するドイツ語』に登場するスザンネさんのような方ですが、こんな雨、生まれてこの方見たことないわよなんておっしゃってました。床下浸水多数で、電車も高速道路も止まったんだとか。ニュース見てないから全然知りませんでしたが。。。ベルリンの言葉はアクセントが穏やかで、あんまりはっきりしてなくて少々聞き取りづらいですと言ったら、私もシュトゥットガルトに住んでる親戚が何しゃべってるか時たまわからないわよと返されました。なるほど、そういうものですか。マルクトは毎週水・土だそうです。マルクトを過ぎるすぐにUバーンのNollendorfplatzの駅があり、アクセスも便利です。

Wochenmarkt Winterfeldtplatz | visitBerlin.de

 

最終日の日曜日のベルリンからハイデルベルクへの帰り道。ICEでWolfsburgに寄ってVW groupのAutostadtに行きましたが、ちょっと期待外れ。万博のブースみたいになっちゃってて、あまり車らしさを楽しめませんでした。

Die Autostadt in Wolfsburg - Autostadt

隣のPhaenoという科学博物館の方が楽しかったかも。。。

phaeno - Home

WolfsburgからICEに乗ってHamburgで乗り換え。ちょうどHeidelbergまで直通のICがあったので、MannheimまでのICEをパスしてICに乗ったのですが、うるさいのなんの。。。ギャルたちがずっと高笑いしてました。。。ICEは静かだったなあ。Frankfurt Hbfでしばらく停車していたので夕食を調達できたのはよかったですが。ユーレイルパスで、座席予約してませんでしたが、大体は一駅・二駅待てば座席にありつけました。

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雨には見舞われましたが、楽しい旅(?)になりました。歓迎されているなと感じることができ、頑張って研究しようという気概が増しました。

ほとんどポスドクの人だろうと思って、途中いろんな方と言葉を交わすと、どうも話がかみ合わないことが多く、Experienced ResearcherのFellowshipでいらしている方もかなり多くいらっしゃることがわかりました。こちらは博士号取得後12年以内の助教もしくはグループリーダー以上のポジションの方が応募するプログラムで、6-18か月ドイツに滞在して研究に従事します(最大3回に分割可)。ポスドクのプログラムと合わせて年間500人採択するということで内訳は明かされていませんが、しゃべった感じだと少なくとも1/3ぐらいの方はこっちのプログラムだった気がします。この場合、元の職を辞しているわけではないので、休職かサバティカルかでいらっしゃるようです。年会参加者のNetworking GuideにHome Instituteの欄があって、ポスドクなんてもう母国に拠点ないから何書けばいいんだろうと思っていたのですが、謎がやっと解けました。

そのポジションの人に対する大型の助成はあまり聞いたことがないので、フンボルト財団の特色の一つと言えるかもしれません。皆さん口をそろえておっしゃるのは、日々の業務(授業・会議など)から離れて研究に集中できる時間が取れるようになったことです。これは将来ポジション取ってからもう一回応募したいなと思っていたら、奨学金一回取った人はもうダメと書いてありました。。。そりゃそうだけど。助教の皆さん、お仕事に疲れたらぜひドイツにいらしてみてください。

フンボルト財団 年会(Jahrestagung der Alexander von Humboldt-Stiftung) 2017 その1

ベルリンで開かれたフンボルト財団の年会に行ってきました。1年に1回の大イベントです。長ったらしい体験記です。

 

0.行く前

2017年度の年会はベルリンで6月28日ー6月30日に開かれます。4月20日にメールで招待が届きました。早速、家族三人で行く旨を、オンライン上で登録します。ドイツ連邦の大統領に会うということで、個人情報なども登録します。

他にはNetworking Guideという項目もあって、これは年会に参加した人の交流を促進するために配布される冊子+PDFに記載されます。写真や研究内容などを記します。

Humboldt Lunchtime Fairというイベントもあり、これはベルリン工科大学(Technische Universität Berlin)内のラボツアーや、キャンパス案内、講演などで、自由参加ですが事前に登録が必要なイベントです。Flying in the SEPHIR-Simulatorというのを申し込みましたが、定員は4-5人だったようで、僕ら家族の申し込み(3人分)でいっぱいになりました。人気のものはすぐに埋まるようですので、早めに登録してよかったです。

年会が水木金の予定だったので、二晩延泊して日曜日まで滞在することにしました。知らされていたHotel Berlinの担当者にメールして聞いてみたのですが、一晩135ユーロになるとの返答。一方、Webサイト(http://www.hotel-berlin.de/en/)から予約すると一晩78.28ユーロだったのでこちらにしました。途中で部屋を変えることもなく滞在することができました

 

ちなみに、年会の前の週ぐらいになって、Humboldt Life (フンボルト財団関係者のSNS)に三つのファイルがアップロードされました。ファイルは公開されており、下記リンクの右側からダウンロードできます。

Alexander von Humboldt-Foundation - 13 - Jahrestagung der Alexander von Humboldt-Stiftung 2017

年会の参加者に関する統計で、一つ目は

Aus welchen Ländern kommen die Teilnehmer der Jahrestagung 2017?で、参加者(研究者)の分野ごとの統計です。

https://www.humboldt-foundation.de/pls/web/docs/text_id_50294359/F-480580356/NeT_Dresden_Statistik_Fachgebiete.pdf

抜粋だけご紹介しますと、総数578人に対し、

農業林業、園芸および獣医   2.59%

生物              8.32%

化学              16.44%

人文系             19.89%

地球科学            6.06%

工学              15.57%

数学              3.64%

医学              7.92%

物理              7.96%

社会・行動科学         11.40%

その他             0.17%

 

二つ目はIn welchen Fachgebieten forschen die Teilnehmer der Jahrestagung 2017?ということで、出身の国・地域に関する統計です。

https://www.humboldt-foundation.de/pls/web/docs/text_id_51466384/F-1954450918/JT_Lander_alle.pdf

アフリカ       9.16%

アジア        37.88%

オセアニア      1.73%

ヨーロッパ      25.77%

中南米        8.81%

北米         16.61%

国別には、79か国と地域から研究者が来ており、

アメリカ(13.15%)、中国(11.59%)、インド(10.55%)、ブラジル(5.36%)、イタリア・スペイン・カナダ(3.46%)、イラン・インドネシア・フランス(3.11%)、、、中略、、、日本(1.90%)となっておりました。フンボルト財団の認知度の問題もあるでしょうが、やっぱり日本人は引きこもり気味ということですかねえ。

最後は今ドイツのどこに滞在しているかというもので、Berlin (21.11%)、München (5.36%)、Hamburg・Freiburg (3.46%)、Mainz (3.29%)、Bonn (3.11%)、Stuttgart (2.60%)、Heidelberg (2.42%)と続きます。外国の研究者から選ばれるような研究が、ドイツ全国各地で行われているのがドイツの特徴でしょうか。

https://www.humboldt-foundation.de/pls/web/docs/F85234756/JT_Orte-alle.pdf

 ほか、フェローシッププログラム獲得者などの統計は下記リンク先にあります。フンボルト財団としてはこれらの統計を通じて、あらゆる国の、あらゆる研究をサポートしてますよということをアピールしたいのでしょうか。

Alexander von Humboldt-Foundation - Statistical Trends

 

ちなみに、日本の学振も外国人特別研究員(一般)のプログラムを行っておりまして、採択率は10%の狭き門で年間で約240名を採用しているようです。フンボルト財団Research fellowshipは採択率約3分の1で年間約500名採用です(Experienced Researcherを含む)。比較すると、人文学(文系)が日本にくる研究者ではわずか5%と、相対的に少ないようです。また、アジアからの割合が54%、ヨーロッパからが29%となっています。まあ、極東の日本語を主とする国の割には、結構人気がある方ではないでしょうか。

採用状況 | 外国人特別研究員|日本学術振興会

 

あれあれ、話がだいぶそれてしまいました。

 

 

1.一日目

フンボルトネクタイにフンボルトバッジをして、フンボルト帽子を息子にかぶらせて早朝に電車で出発です。15:30までにホテルに到着して連絡バスに乗れ、さもなくば直接会場に向かえとのお達しです。車内で同じくフンボルト財団の年会に向かうご家族と出会いました。ハイデルベルクにはMax Planck Institute for Comparative Public Law and International Law というのがあり、法律を学びに結構様々な国から人がやってきているようでした。「あれっ、そのバッジ!フンボルトの方ですか!」と。ホテルについてからももう一人、同じマックスプランクから来ている方と知り合いました。ちなみに、バッジもネクタイも帽子も、会場ではほとんど見かけなかったです。。。ちょっと恥ずかしい。

ところで、今回のICE 374はFamilienbereich座席を予約したのですが、扉が付いた6人掛けの個室の席になりました。予約料金は3人セット(家族)で片道9ユーロです。ユーレイルパスを使いました。座席を予約すると、該当座席のディスプレイに今回だとマンハイムーベルリンと表示されるのですが、この表示がマンハイムを出発してしばらく経つと消えます。DBでは自由席車・指定席者の区別はなく、空いてるところは好きに座っていいことになっていますので、彼らの心としては、発車するときまでは席を押さえてあげるけど、そこから先は自由に席移っていいよということなのでしょう。子供の座席を予約したとはいえ、親のところに来たりなどしてじっと座っているわけではないのでその時座席が空き、それを見ていろんな人が「そこ空いてますか?」と聞いてきます。予約表示も消えているので、そうなりますわな。皆さん子連れで大変そうなので、途中から譲ってあげることになり、6人掛けに子供3人、親5人と大変にぎやかになりました。

途中、レストランでもらえるICEのおもちゃを巡って大紛争が起き、結局みんな一個ずつもらって仲良くなりました。同じくフンボルト財団の方は島田ゆかさん作の『バムとケロのにちようび』の英語版の絵本を持ってきていたので、こちらもと『バムとケロのおかいもの』を読み聞かせてあげました。英語通じてよかった。。。世界中で人気だったんですねえ。ストーリーと関係ないところも細かくいろいろ描かれてるのが大変すばらしいと、母親の方がほめていらっしゃいました。

ICEを降りてからローカル線へ。ローカル線の車内ではアニメから日本語を学んだというロシア人が話しかけてきました。すごく流暢でびっくり。100番バスに乗り継いで、Hotel Berlinへホテルに着いてまずはフンボルト財団のRegistration。ホテルのロビーの大部屋ではリフレッシュメントでパンやらフルーツやら飲み物やらが提供されていました。こういうサービスはうれしい。長旅の疲れが癒されます。チェックインから部屋に案内されるまではしばらく待たされましたが、浴槽付きの部屋になって、よかったよかった。

15:30を過ぎると、開会式会場のベルリン工科大学までバスで移動です。子供連れのためにベビーカーを載せられるバスも裏口に数台用意してありました。きめ細かい!しかもダブルデッキの観光バスとあって息子は大喜び。途中雨が降ってきたり、車の故障で降ろされたり、はたまた勘違いでもう一回戻されたりと散々でしたが、何とか会場に到着。日本人の方は皆さんそれなりのおしゃれをしておりましたが、アジア・アフリカ系の方は普段着の方も半分ぐらいだったでしょうか。。。妻がどんな格好していったらいいんだと空気を察するのに必死でした。そんなに周りを気にしなくても。。。

"Programs for Children"と書いてあるので何かなと思いきや、業者を呼んできて「わくわく広場」みたいな感じで子供の遊び場が大学内のスペースに作られていました。フェイスペイントやら、バランスゲームやら、子供用の簡単なビュッフェや休憩室もあって、みんな楽しそうに遊んでました。雨が降らなきゃ室外の予定だったのかも。いやー、こういうのを日本で見たことないですね。。。学会の託児サービスはありますが、普通はもっと小規模だったと思います。ただし、必ず親が付き添ってあげてねとも注意書きに書いてありました。

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大人向けの開会式は1階のホールで行われ、Trio Danの三重奏(メンデルスゾーン スケルツォOp.20)、Dr. Christian Thomsenベルリン工科大学学長の挨拶、Dr. Helmut Schwarz アレクサンダー フォン フンボルト財団理事長の挨拶に続いて、量子力学分野の研究で2012年にノーベル物理学賞を受賞したDr. Serge Harocheが基調講演を行いました。基調講演は英語でしたが、挨拶はドイツ語でした。ふぅ。わからん。Schwarz博士の講演内容は事前に冊子に印刷されていて、英訳が付いてました。「あのストックホルムにある団体が賞を授けるより、20年も前にフンボルト賞を受賞したHaroche教授です!」と得意げに紹介してました。これはもちろんアドリブ。

いずれの挨拶でも、政治的な発言に積極的に踏み込んでいたのが印象的でした。「科学は今危機に瀕している」「マーチ・フォー・サイエンス(科学のための行進がこの春に行われたが、我々はもっと声を上げなければいけない」と、Schwarz理事長が挨拶したのに加え、Haroche教授の基調講演も「ブレイクスルーはいつも応用研究とはかけ離れたところから生まれている」「マクスウェルもファラデーも、自分の研究が今日のような生活に応用されると夢にも思っていなかった」「ところが、政治家や一般国民にはこれがわかっておらず、すぐに役に立つ研究が求めている」と危機感をあらわにしていました。日本の科学者でも酒屋では似たような談義になりますが、公の場でこういった問題に正面からコメントを発することは珍しいかと思います。という話を帰ってからラボメンバーに話すと、「まぁ、日本はやっぱり違う文化だよね。フランス人は幸せでも、ハッピー行進のデモに行くよ」と言われてしまいましたが。

そのあとは研究レポートなどのプログラムがありましたが、サボって子供と遊んでました。最後はレセプションで夕飯をとって、バスに乗って帰りました。知り合いもおらず、生物学者にもなかなか出会えず、、、結局日本人の方ばっかりとしゃべってしまいましたが。。。

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ベルリン工科大学の近くをぶらぶらすると大きな門があり、これがブランデンブルク門かと思って写真を撮ったら、シャルロッテンブルク門(Charlottenburger Tor)という別の門の、しかもこの写真は裏側でした。

 

その2につづく

エクス=アン=プロヴァンス・マルセイユ (Aix en Provence・Marseille)

南仏への旅。

 

・1日目

ハイデルベルクからエクスまで、パリ経由で電車移動。Aix en Provence TGVからはバスで市内のバスセンターまで行きます。目に混んでくるのは岩・岩・岩。緑に覆われてない岩山はなかなかの壮観です。違う国に来たことを実感しました。

ホテルはバスセンターから徒歩数分のHôtel des Augustins。地球の歩き方にも紹介されている素敵なホテルです。予約した当時はWebサイトが故障していて、メールで問い合わせて部屋を予約しました。一晩109ユーロ+宿泊税(3人分 3.3ユーロ)でした。子供がいるということで部屋をアップグレードしていただきました。

Hôtel des Augustins - Hôtel Aix en Provence centre historique

 

荷物をホテルに預けて旧市街へ。夕食は近くのPlace des Cardeurs(カルデュール広場)のレストラン、Restaurant L'Epicurienでとりました。広場には所狭しと各レストランのテーブル・椅子が並び、ちょっと映画の中のワンシーンのような賑わいでした。

L'Epicurien | Aix en Provence | Office de Tourisme

Entrée/plat 36 euros (前菜・メイン)
Plat/dessert 34 euros (メイン・デザート)
Entrée/plat/dessert 42 euros(前菜・メイン・デザート)
Menu enfant 14 euros (子供メニュー)

おいしいのはもちろんのこと、子供メニューも手抜きせず、大人メニューが小さく、スパイス抜きで出てくるところが驚き。ドイツではなかなか出てこないような手の込んだ料理に舌鼓を打ちました。子供は適当に広場を走り回り、最後のデザートの大きなマカロンにテンションが上がってました。

 

・2日目

ホテルの朝食を覗いてみたけど、簡素そうな感じだったので外をぶらぶら。ミラボー通りを挟んだすぐ向かいに洋菓子屋さん(Pâtisserie Béchard)を発見し、朝食を調達しました。日本のソーセージパンみたいな総菜パンもあり、さっそく購入。子供はマカロンを見つけて早速購入。フランス=マカロンの国ってなりそうだな。。。

https://www.facebook.com/maisonbechard

その足でバスセンターに向かい、マルセイユ行きのバスへ乗車。日中は5分~10分間隔で出ているようです。ここは電車よりもバスの地域なのか。バス内でパンをぼりぼり。本当は車内飲食禁止だったりして?どれもおいしかった。マルセイユのバスセンターに到着して、地下鉄でVieux-Port駅へ。歩けなくもないけど、バスセンター周辺は治安がちょっとよくないとのこと。

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目の前に広がる空と海はいかにも南仏という感じ。港の近くでは魚市場が開かれており、なかなか生臭い感じでした。ちょっと街をぶらぶらして、船でフリウル島(Îles du Frioul)まで出かけます。荒波のため、イフ城(Château d'If)は通過。風にあおられて、小船もえらく揺れました。外で見物していた人たちはみんなずぶぬれになってました。

フリウル島はなかなか広く、15-20分程度歩くと、小さなビーチに着きます。しばらく海辺で遊びました。ちかくの幼稚園の子たちも来ていてました。こんなところまで遠足ってなかなかすごいなあ。昼過ぎに港近くに戻って昼食。小魚のから揚げがうまかったなあ。名前なんというのか知らないけど…Les petits poissons fritsとかかなあ?

遊び疲れたのか、子供は帰りの船でご就寝。大人はGaleries Lafayetteでお買い物。夜はブイヤベースを食しにChez Fonfonへ。

Chez Fonfon, spécialités de poissons et bouillabaisse

小さな入り江にボートが所狭しと並ぶところで、窓から見える海と人々と夕日が素敵でした。Bouillabaisse du pêcheurは53ユーロで、中身の魚が付かないSoupe de poissonsは17ユーロ。一個ずつ頼もうとしたら、メインディッシュは一人一つ頼まないとダメと言われ、何か適当に頼みました。味の方は思ったよりはあっさりしていて、ペロッと食べられるかなと思ったけど、最後の方はさすがに同じ味にちょっと飽きちゃいました。漁師(pêcheur)は大食いだったのでしょう。デザートはCafé (ou thé) gourmandという盛り合わせ。Menu enfant(子供メニュー)Une petite bouillabaisse pour le plaisir de leurs papilles / Moelleux au chocolat / Jus de fruits 16€ 超お買い得。大人もこれぐらいで量良かったんだけどな。。。とはいえ、慣れない味に息子は苦戦でした。食後はタクシーを予約して、バスでエクスまで帰りました。ずいぶん遅くまでバスがあるようです。

 

・3日目

この日はエクスの旧市街を散策。お昼はIZUMIで和食を、夜はLa madoでステーキをとりましたが、いずれも期待以上のおいしさ。フランスは食の平均値が高いですなあ。

https://www.facebook.com/izumiaix/

restaurant & sushi tapas bar - Restaurant La Mado Aix-en-Provence

一方、カリソンなどの地元のお菓子はまあまあで、そこまでという感じでは。ロゼのワインをお土産にしようかと思って入った酒屋さんも不愛想な感じでした。とはいえ、かわいらしい小物やおしゃれなものが町中にあふれており、疲れるまで歩き倒しました。わいわいしてて、こじんまりしていて素敵な街です。マルセイユのような都会とは違って、子連れでも夜でもあまり歩いていて危なくなさそうな感じでした。

 

・4日目

朝のバスでAix-en-Provence TGV駅へ向かい、Paris Gare de Lyon駅へ。パリ市内でも軽く観光しようと、電車の時間を調整して時間をとってみましたが、スーツケース&ベビーカーの移動が大変大変。。。ドイツと違ってエレベータがないところが多々あって、回ろうとしているうちに疲れました。無理せず、早めにParis Est駅に行って暇をつぶすことにしました。土産屋で買ったTGVのおもちゃは見るだけで遊べなかった…残念。パリはまた次回ですな。

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ストラスブールに行くたびに、フランス人とドイツ人というのは、こうも考え方が違うのかと驚かされましたが、南仏まで行くと、まったく違う空気・色の街でした。石が豊富に取れるので、どこもかしこも石造りでしたし、ずっと風が吹いていました。島に至ってはサボテン生えてたし。。。水道水もうまかったなあ。フランスは実に広いです。ハイデルベルクではお目にかかれない海に触れることができて満足な旅でした。

 

子どもと遊ぶ Spielen mit Kinder

ドイツ・ハイデルベルク(Heidelberg)近辺で、子供とあちこちに出没してます。

 

 ・Schwetzingen Schlossgarten

Schwetzingen城で催されたLust auf „Blindekuh“? GALANTE SPIELE IM SCHLOSSGARTENというイベントに子供と行ってきました。蹄鉄で輪投げをしたり、木の間をジグザグに走ったり、ゲートボールをしたり、綱引きをしたりと、庭の中を案内・散歩しながら古風な遊びをするというものでした。イベント名にもなっているBlinde Kuhというのは、一人目隠しした鬼を、みんなでつついて、誰か捕まったら鬼交代という遊びでした。途中でナビゲーターがいろいろ子供たちに質問するのですが、みんな「ハイ!」とか言わずに、黙々と指一本で手を上げているのがちょっとおかしかったです。ナチス時代の反省から、手を上げるときは必ず一本指だそう。お行儀よいですこと。最後は"Ende der Welt"と呼ばれる世界の終わりのところに、案内してくれました。通常は立ち入り禁止のようです。

イベント全体的には、そんなにお薦めするほどでもないですが、それなりに楽しめる感じでした。イベント付きのチケットは大人12ユーロ(入場料込)。イベントなしの入場料は6ユーロです。

 

・Krabbelkonzert

子供向けのコンサート。この日はAndrea Apostoliという方が指導(?)するコンサートがLudwigshafen, dasHaus Kulturzentrumで行われるというので行ってきました。開演時間になっても扉は開かずホールの外で待機。親子連れが15組~20組ぐらいいた感じでしょうか。

冒頭Andrea Apostoliさんがフルートをもって扉の外でご挨拶。「子供のコンサートだけど、子供のためのコンサートではないので、子供に構いすぎず、親も楽しんでほしい。子供は音楽を聴いている親の表情を見て学んでいる」とのこと。また、曲ごとに拍手は不要とのことでした。大きいカーペットの上に座り、その周りを楽器が囲む舞台設定。この日は、バイオリン×2、電子ピアノ、オーボエ、ファゴット、チェロ、ドラム、フルートでした。Deutsche Staatsphilharmonie Rheinland-Pfalzの奏者のようです。

バッハ、ヴィヴァルディから、ショスタコーヴィチまでの幅広い作曲者の楽曲を3-4分に収まるように編集した小曲を次々に演奏。Andrea Apostoliさんはよく歌っていました。各楽器の音に親しむ、音楽がいろんなフレーズの積み重ねからできている、音楽が繰り返しでできているなどを目的としたプログラムでした。ただ、余計な解説などせず、ひたすら聞かす感じでした。奏者も歩き回っているので、各パートが大きくなったり、小さくなったりというところも面白い試みです。途中、子供の泣き声をメロディーに拾ってセッションにしてたのはさすがという感じでした。Apostoliさんは音楽教育のコンサートをヨーロッパ各地で開催しているようです。CDも発売してたのか!

Musa! A new concept for classical music concerts

肝心の息子は「おかあさんといっしょ」のファミリーコンサート的なものを期待していたようで、歌じゃなくてちょっと不満顔。昼過ぎでちょっと眠たかったようです。それでもショスタコのメロディを覚えたらしくよく口ずさんでますが。そこは気に入ったのね。。。

 

・Märchenparadies

Märchenparadies – Lebe Dein Märchen

メルヘンパラダイス。ハイデルベルク城がある山の上にある遊園地です。3月中旬ー11月中旬の夏季限定営業。登山鉄道か、39番のバスでKönigstuhlまで行き、徒歩すぐです。入場料とは別にコインを買って(1枚50セント)、いろんな乗り物にのります。デパートの屋上遊園地が立派になって広くなった感じでしょうか。小学生低学年ぐらいまでが楽しんでました。水をボールにあてて持ち上げる遊びとか、一見普通そうだけど乗り心地の悪い自転車とか、馬鹿っぽくて笑えます。メルヘンたる所以は、園内各所に童話を演じるからくり仕掛けの見世物があるからでしょうが、ドイツ語がなかなか難しく、話を聞いてもよくわかりませんでした。

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探偵ナイトスクープで紹介されてた「パラダイス」よりは遊べます。

 

・Eltern & Kind in Heidelberg (0-6歳)

メルヘンパラダイスに無料で置いてあった冊子。妊娠した時から、6歳ぐらいになるまでの子供関連のことが程よくまとまっています。病院、遊び、食べ物、習い事などなど中身が多岐にわたる情報誌です。地域に根差した感じで、広告も載っていて、具体的にどこに行けばいいのかがよくわかります。行政系の資料だと、そういうところまでなかなか手が届かないですので。。。もちろんドイツ語です。結構小さい字でびっしり書かれてます。日本の各種ガイドブックはだいぶ字が大きくなって、文量が減って来てますが、ドイツはまだまだ文字文化ですなあ。

https://www.elternundkind.com/

Frankfurt/Main | Freiburg | Heidelberg Karlsruhe | Ludwigshafen | Mainz Mannheim | Nürnberg Wiesbadenなど、各地の版が出ているようです。

オンラインでも中身を見ることができて、ハイデルベルク版がこちらです。

 

 

issuu.com

Eltern & Kind 0-6Jahre in Heidelberg

Wegweiser für Eltern - von der Schwangerschaft bis zum Vorschulalter 2017/2018

 

ちなみに、Freizeit- und Erlebnisparksの章には、Märchenparadies Königstuhl, Luisenpark unt Herzogenriedpark Mannheim, Holiday Park Haßloch, Playmobil-FunPark Zirndorfなどが紹介されていました。一番目に紹介されてたら、そりゃ冊子いっぱい置いとくわな。

研究雑話(2)

・プログレスレポート

3か月で2回ペースで進捗状況を報告しております。さすがにちょっと多すぎやしませんかねえ。いくら身内の発表とはいえ、発表するとなれば、ある程度体裁も気になるし、結論付けるのに足りないデータもとりたくなるし、といろいろ準備に時間がとられますが、心の中では「まぁ、こうだろうな」というのもあるわけで。発表の頻度が少ない方がもっと面白そうなことに絞って深く掘れると思うのですが。まぁ、一長一短だし、素直に従います。

ある回の終了後、「日本人は上下関係を大事にするのかもしれないけど、ここではやりたくないことはやりたくないと言っていいんだよ!」と学生たちがアドバイスをくれました。セミナー中にボスが提案した実験に対し、「確かに面白そうですが、今のところ、プロジェクトと直接かかわるようなことではないので、準備を始めるぐらいならまだいいかもしれませんが、、、」とお茶を濁していました。「遠慮不要で断らないと、つまらないことに時間を取られるぞ!私なんて無駄だと思った実験に半年もとられて、結局無駄だってわかったんだから!」と学生からの忠告。おっしゃる通り。でもわかっちゃいるけど、このあたりのさじ加減がなかなか難しいんだなあ。そもそも意識の問題もありますが、表現の問題としても、日本だと10思ったら、5ぐらいに弱めてもちゃんと伝わるけど、ドイツだと、みんな10思ったら20ぐらいの言葉にしてるように感じます。簡単にNo!っていうし、結構簡単に翻意するし。まあ、これも含めて英語学習ということですな。

またとある回では、これは面白い実験だと思って提案してみたものの、総スカンを食らいました。そうはいったってもう準備しちゃったんだし、なにくそーと思いながらデータを取って、次の回で発表すると、ようやく面白いと食いついてくれました。「そういえば、これ、やらなくていいよって前のセミナーで言ってたね。いやー、やっぱりちょっと見てみる(take a look)というのも大事だね」とボスも一言。うーん、でも本当はちゃんと前回のセミナーで反論して論破できるぐらいにならんとなあ。まだまだ議論力不足。

 

・凡ミス

情けなくなるぐらいの凡ミス発見。。。やりなおすのに半年コース。せっかく面白くなってきたのに。。。文句言っても仕方がないので、せっせとやり直します。早く気づけて良かったと言えなくもないが、、、あ゛ぁー、しかしショック。

 

・口が悪い

西洋人、皆さん結構口が悪い。というか、表と裏で結構違うことを言う。「Super!」とか「Cool!」とかと口先ではよく人を褒めるのだが、じっくり本音を聞いてみると、そうでもないことがままある。

先日はサーバーに問題があり、仕事がしばらくできなかったので、フランス人ポスドクがIT部門の人を呼ぶことになったのだが、このIT部門の人のレスポンスが悪い。数日待たされてようやくやってきてくれたのだが、「あいつ、まじでクソだよ~」みたいな会話を5分前にしてたのに、打って変わってにこやかに応対。かと思えば、去った5分後にはまた悪口再開。

ほかの日は、ボス主催のセミナーで、セミナー後にゲストをディナーにご招待。ゲストが来るまでラボメンバー3人で待っていると、ボスから今日のゲストの研究についてかなり辛辣なコメント。ゲストが登場すると仕事が面白いよねとほめて、ゲストが帰るとまた批判的に。。。もちろん日本だって、表立って悪口いうような奴はいないが、あんまりそういう表裏があるところを人に見られたくはないから、裏でこっそり見たいな感じなんだけど、みなさん堂々としていらっしゃる。これが当たり前なのかな?西洋流のおもてなし。こりゃ、僕も裏で何言われてるか、推して知るべしだなあ。

 

・所内のセミナー発表

研究所の合同セミナー。学生・ポスドク3人が週に1回、20分ずつ発表するというもの。いろいろな分野な発表が聞けて面白いと言っちゃ面白いのだが、最近は自分の分野以外聞きにいかないやつが増えてきたと、何やら教授・グループリーダー会で問題になったらしい。どこも似たようなものか。うちの研究室はこの日の朝にセミナーをやっているので、午後のこのセミナーも聞きに行くと一日がつぶれちゃうよとラボメンバーから苦情が出て、ついにラボセミナーの曜日を変えることになった。こういうセミナーがあることが、同じ研究所にいる意義としてとても重要というボスからの意思表示。

これとは別に、近い分野のグループが集まり、月に一度の学生・ポスドク合同セミナーというのもある。加入約一年でついに発表の順番が回ってきてしまった。データがまだ全然ないので、何をしたいかを中心に話をまとめ、ちょっと出てきたデータを各所にちりばめる。ラボでは皆リハーサルをやるので、一週間前にスライドまとめて、メンバーから意見を募る。20分の発表でも学生がやると2時間ぐらいかかって結構炎上するのだが、幸い40分ぐらいでサクッと終了。ふぅ。ポスドクのメンツはとりあえず保たれた。納得できる指摘が多かったので、大体はそのまま取り入れる。

「解くべき具体的な問題が多すぎる。大問題1つに小問題3ぐらいまで!」

「時間にまだ余裕はあるし、概念だけじゃなくて、もうちょっとラボの過去のデータも織り交ぜた方がいい。現実味が増す。」

「表記の仕方が分野のスタンダードとずれている。」

などなど。

「ココのスライドはよかったよ。」とほめてくれるのも西洋風。日本ではほとんど言われたことなかったな。。。リハーサルにボスは欠席。でも、特に見せに来いとも言われてなかったから、大丈夫、、、か?自分から聞きに行くべきだった、、、か?まぁ、いいっか。

発表当日。ボスは講義があるから来れないはずだったが、学生が講義に一人も来なかった(!!)ので、講義は中止でお越しになる。ええっ!聞いてなかったよ!

発表を無事に終え、質問も2、3出る。基礎のところでまだまだしっかり勉強した自信がないので、質問者の発言が間違っててもなかなか訂正する勇気がない。。。あとでボスがフォローしてくれてた。終了後、初見のボスに何を言われるかひやひやだったけど、特に大きなダメ出しもなくて一安心。

「あそこのデータ、もうちょっと説明してもよかったんじゃないか?」

「そこの説明は、リハーサルでみんなから説明いらないと指摘されたところでして。。。」

「えーーっ!!」

まぁ、十人十色で意見は異なるものです。次回はぜひリハーサルにお越しくださいませ。って、日本だと逆にこっちから見てくださいとお願いするよね。。。感覚狂うなあ。そもそもボスのいない時間帯にリハーサルとかやらなかったなあ。こっちではままある。

 

・いざこざ

僕のあずかり知らぬところでラボ内紛争ぼっ発。3日間の技術的なセミナーが行われるとの案内があり、無料だし、近所だし、ちょうど習いたいことだし、早い者勝ちだしとラボメンバーがごっそり応募。ラボ内はSlackというLINEみたいなプラットフォームで会話しており、誰が行くー?みたいな話をみんなが気軽にしていた。

ところが、ボスが急に異を唱え始める。この技術セミナー、ラボセミナーにかぶってるし、研究所の公式なシンポジウムにもかぶってるじゃないか。そもそも先週も二日間かけて君たち同じ演者を招いて自主的なセミナーをしたばかりじゃないか。本当にこれ必要なの?時間は効率的に使わないといけないよみたいなコメントがSlackで流れ始める。何回かコメントのやり取りがあって、これじゃらちが明かないということで、ミーティングルームにメンバー全員が集められてミーティング。

参加する方の言い分としては、この技術は大事だし、でも習得するのが難しいからセミナーに出たい。全日程はかぶってるけど、このセミナーは行く日ごとに応募するからそもそも私たちかぶってない日にしか行かない。自主的なセミナーの時に演者に聞いたところ、このセミナーをお薦めされた。ボスからこういうことを言われると委縮してしまうとのこと。

ボス側の言い分としては、かぶらない日程にだけ行くとは知らなかった。委縮させてしまうような書き方をしたのは悪かった。でも、ボスとしてそれが必要かみたいな問いを発するべきだと思うし、これからも発していきたい。だからそんなにショックを受けないでほしい。実験や解析の細かいところまではもう知らないけれど、問われたときには委縮せずにどう重要なのかをあなたたちが説明して、納得させてほしい。時間を投資するだけの価値があるかどうかを常に考えてほしいとのこと。

この後も延々と議論は多岐にわたり、2時間ほど続きました。。。「この前、ボスはこの解析もうやめるべきだっていったよね!」「そんなこといってない。誤解だ。いつ終わるかを聞いただけだ。」「でもあんまり興味なさそうにしてたじゃない!」・・・などと昔の話絡んで出てきたりと。。。ふぅ。疲れた。まあ、積もり積もった話でもないと、いきなりこれぐらいのことでいざこざになったりしないわな。ちょっとラボ内のコミュニケーションが最近少なかったのかもしれないなあ。

つまるところ、ボス部屋だけが離れているのもあり、別にハブにしているわけではないけど、ボス抜きで研究生活がどんどん進んじゃっていて、そこに俺をもっと関われらせてくれというのがボスの思うところ。忙しそうに見えていても、ドアをノックしてほしいとのコメント。ラボメンバー的には、普段スルーしてるのに、急に「なんでセミナー行くの?」みたいに聞かれると、それはプレッシャーになるよー。でもまあ、こういうセミナー参加や、実験のこと、プロジェクトのことも、もっとボスと積極的にかかわりあって決めていきましょうということで落ち着きました。

終った後は中国人ポスドクと、メキシコ人ポスドクと個別に軽くおしゃべり。こういうことが起きたときにみんなで話し合うってすごいよね、、、お互いの前のラボならボスがダメと言ったらもうダメだよね、と意見一致。今のラボの雰囲気はいい方だと思うので、これを維持できるよう、それぞれがもう少しずつ努力をしないといけないなあ。あとは、やっぱり言語の問題。お互い英語で意思疎通してるけど、誰にとっても第二言語なので、細かい感情の機微を表現したり感じ取ったりするのは難しい。重い言葉を受け止められなかったり、軽い言葉を受け止めすぎたり。表面上の意思疎通はできても、ある程度時間が経たないと、お互いが何を考えているかはやっぱりわからないなあ。ってこれ、一番最初にも書いてるじゃないかっ!

ポイントカード

日本でもWAONポイントとか、Tポイントとかをちまちま集めては使っていましたが、ドイツでもポイント集めてます。Punkt sammeln!

 

・PAYBACKカード

日本で言うTポイントカード的な存在です。一番発行枚数も多く、よく使われているカードです。REWEなど店先にカードが置いてあり、住所や誕生日を機械で登録すると使えるようになります。家族で持つように2枚セットのものもあって、どちらを使っても同じアカウントにポイントがたまります。こういうの、日本だとあんまりなかった気がしますね。

 

なんといってもポイントが集められる店が多いのが特徴。REWE、Alnatura、realなどのスーパー、dmドラッグストア、GALERIA Kaufhof デパートなど、日常生活でポイントがよく貯まります。REWEやrealでは2ユーロで1ポイント、ALNATURA、GALERIA Kaufhofやdmでは1ユーロで1ポイントと貯まり、100ポイントたまると1ユーロとして使えます。

https://www.payback.de/pb/partner/id/16380/

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ポイント商法はどこも同じようで、REWEではよくチョコレートポイント10倍クーポンとか、今日はポイント10倍デーとか、販促がよくあります。Kaufhofでも10%割引になるクーポンがあったりします。お会計の時に「PAYBACK Karte?」とよく聞かれます。[ck]のところの子音はほとんどなく、ペーヴェと言っているように聞こえるけど気のせいかなあ?ちなみにそのあとは「Kassenbeleg?」とレシートがいるのかを聞かれます。Wikipediaで調べてみると、Kassenzettelとか、Kassenbonとかの方がメジャーのようですが、ハイデルベルク周辺はKassenbelegが多いようです。

 年に数回、紙のクーポンが自宅に送られてくることもありますが、e-Couponが多くなってきました。PAYBACKカードのサイトに行って、ログインすると、e-Couponの一覧があり、使いそうなものはみんなクリックして有効にしておきます。次回買い物時にカードをかざすと適用されます。REWE入口近くにある専用の機械でも、カードをスキャンさせるとクーポンを有効化することができます。ほかにもルーレットでクーポンを引き当てたり、ポイントを使う(punkt einlösen)ように設定することができます。こちらも、次の買い物時に強制適用ですのでお気をつけて。一回、500ポイント分(5ユーロ)を使う設定にしてレジで並んでいたところ、前のお客さんがPAYBACKカードを持っていませんでした。そこでお姉さんは気を利かせて、次に並んでいた僕のカードをスキャンしてポイントをおまけで貯めようとしてくれたのですが、ついでに前のお客さんの会計分で5ユーロ割引になってしまい、お会計がぐちゃぐちゃになりました。。。

なお、オンラインショップではさらに多くの店舗でポイントがたまるようです。AppleとかC&Aとかebayとか。

Online shoppen & Punkte sammeln mit PAYBACK

 

・Deutschlandカード

PAYBACKカードの対抗馬はDeutschlandCardなのですが、こちらはあまりやる気がないようです。レジでカード持ってますかと聞かれることもあまりないですし、キャンペーンも頻度が少ないです。スーパーのEDEKA、Nettoで使えます。2ユーロで1ポイントです。EDEKA系列のScheck-in Center heidelbergでも使えます。野菜とか鮮魚とかちょっと質が良いので、ちょくちょく行きます。大学内のMathematikonのREWEは、ついに鮮魚コーナーを止めました。。。どれだけ魚食べないんだよドイツ人。。。

 

・Shell ClubSmart カード

レンタカーなので、めったにお世話になりませんが、ガソリンスタンドのカードです。ARALはPAYBACKカード系列、EssoはDeutschlandCard系列で、Shellは自前のカードです。めったに使わないので大してポイントは貯まりはしませんが、このカードがいいところは、近隣の10店舗(他系列も含む)での最安値でガソリンを入れられることです。早朝とかはShellのスタンドでよくガソリン代が高めになっていることがあるのですが、そういう上乗せ分がカードをかざすだけで割引できます。どのガソリンスタンドがいいかと、値段をチェックしながらドライブしなくてもよくなります。

 

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ゲーム感覚でポイントを集めていくのは楽しいのですが、一方で集めそこなったりすると悔しくなってしまうのが、まだまだみみっちいところでして。。。PAYBACKは普通に買い物してて一年で延べ3700ポイントほどたまりました。GALERIAでもPAYBACKカード関連で数十ユーロは割引になった気がします。まあ、手間は手間ですから、ぼちぼちといったところでしょうか。