Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

生活雑話(13)

・レンタカー

 去年の秋ころはEuropcar Heidelbergはいろいろひどいことになってました。

子供の誕生日にLEGOLANDに行こうと車を予約していました。会員カードで回数がたまって、ちょうどKostenlose Wochenende(金-月の週末が無料)がもらえる時だったので、それを使いました。金曜日の15時に受け取りを予約して、実験が少し伸びて16時過ぎになってしまって、まあ大丈夫だと思ってたらなんとお店が閉まってる。。。ドアに張り紙がしてあって、いつもは18時までの営業時間を16時までにしばらく変更って書いてある。。。なんと。改めて届いた予約確認のメールを見ると確かに16時までになってる。中に人がいるのに手を振ってまた明日って言ってる。。。

まあ、レゴランドに行こうと思ってたのは日曜日なので、あきらめて土曜朝に受け取りに行きますが、朝一に行くと長蛇の列に対応しているスタッフはいつも見る人と、見慣れない新入りの二人だけ、、、実質一人。車までの案内もやらされてて一人に15分ぐらいはかかってて、いったいいつになるやら状態。しかも話を聞いてると、昨日受け取れなかった人がほとんどでみんなトラブってる。。。金曜受け取りの予約で金曜受け取らないと予約はなんとキャンセルされるシステムらしい。勝手に店早く締めといて、予約をみんなキャンセルしたんじゃ、客もイライラ状態。僕の予約もすでにキャンセルになっていて、改めて新規予約するなら正規料金で100ユーロ近く。いやいやいや。いったんお断りして、ネットで予約すると60ユーロぐらいでしたが、すぐさま電話かかってきて、車ないからむりー、じゃーね、ガチャというひどい対応。いや、車は僕が予約した分があったでしょうに。結局諦めて、enterpriseというお向かいのレンタカー屋がまだギリギリ間に合ったので、土・日・月で66ユーロで借りました。FIATのPANDAでしたが、軽自動車で高速乗ってるような感じでちょっと長距離には向かない車でした。

フリーペーパーなどをよく見るとEuropcarは広告などでもずっと募集をかけていて、人手不足が深刻な模様。秋が終わることには営業時間は通常に戻りましたので、スタッフのバカンスが重なっただけでしょうか。勝手にキャンセルされた予約ですが、システム上はこちら側がキャンセルしたことになっていて、いつまでたってもお金が返ってこない。メール、電話でクレーム入れてやっとお金が戻ってきました。

まあ、ドイツに来た当初ならイライラマックス状態でしょうが、4年目にもなってくると多少慣れっこで、あきらめて淡々と対処しました。システムが回ってるときはいいんですが、どこかでエラーが起きると途端にズタボロになるのがなんともドイツらしいです。いろいろ問題ありまくりのEuropcarではありますが、なんだかんだと使いこなせばコストパフォーマンスが一番いいと思いますので、悪い食べ物に当たったぐらいに思って、相変わらず使い続けてます。

 

・大型ごみを捨てる

家にガラステーブルを捨てることに。ハイデルベルクの大型ごみのページに依れば、ガラス(Glas)は通常の引き取りの対象にならなしいので、リサイクリングセンター(大型ごみ処理場)(Recyclinghöfe)にもっていかないといけないらしい。

heidelberg.de - Sperrmüll

heidelberg.de - Recyclinghöfe

のAbgabemöglichkeit an den Recyclinghöfenのところに依れば、ガラスごみを引き受けるのはKirchheimかWieblingenか、らしい。机をばらして、車にのっけて捨てに行きました。車1台分のゴミで4ユーロでした。

ベットやマット、カーペットのゴミは大型ごみで、こちらは引き取るために予約します。引き取る日が限られてはいますが、無料です。

Sperrmüll auf Anmeldung

3月に予約していましたが、新型コロナウイルスの影響で引き取りが中止に。5月初旬に再開されましたが、うちの住所だと次の引き取りが6月後半に。。。まあ仕方がないですね。

 

・嵐が来る

Orkan Sabine – Wikipedia

Heidelberg: Nach Orkantief „Sabine“ - Bergbahn und Schlossgarten wieder geöffnet | Region

2020年の2月にハリケーンがやってきました。イギリスではCiara、ドイツではSabine、ノルウェーではElsaという名前がついたらしいです。ややこしい。。。子供の幼稚園にSabineという先生がいて、みんなで「サビーネが来るぞー、サビーネが来るぞー。」とバカにしてたらしい。。。もうちょっと関係ない名前にしとけばいいのに。

ドイツでは珍しいようで、みなさん結構パニック。フランクフルト空港はフライトがキャンセルになり、ハイデルベルクでも公共交通機関は止まり、実習で来る予定だったギリシャ人学生は、ルームメイトに死ぬぞと脅されて、代わりにサンプリングする羽目になりました。いやまあ、日本の台風に比べれば大したことはなかったんですが、、、幼稚園も通常営業だったし。

 

・保険問題再び

 大学雇用から海外学振に切り替わるので、健康保険をどうするか問題が発生。

現状では、大学雇用ということで、キャンパス内に営業所があるTKという会社で公的保険(Gesetzlichen Krankenversicherung (GKV))です。雇用主と保険料が折半が基本で、家族も対象です。この公的保険には、自由意志加入(Freiwillige Krankenversicherung)というオプションもあり、雇用されなくなっても引き続き加入することは可能ですが、その場合保険料は全額自己負担になり、いろいろ条件があって詳細は割愛しますが、介護保険(Pflegeversicherung)と合わせて収入の約18%となるようです。収入がない場合は、最低保険料(月額200ユーロ以下)を支払います。

Freiwillige Krankenversicherung bei der TK | Die Techniker

収入に応じて保険料が変わるわけですが、どこまで収入に含めるかが難しいところ。科学振興のための奨学金は非課税と所得税法(Einkommensteuergesetz (EStG) § 3 Nr.44)に書いてありますが、実際には過去に税金を取られて訴えた人がいたようで、その際の判例で、ヨーロッパ内の奨学金については非課税となったようです。日本からの奨学金については明確な司法判断が下されておらず、現地の税務署にうかつにも日本学術振興会のAnnual Reportを携えて、聞きにいってしまったのですが、答えは現状では課税されないとは言えない的な回答でした。。。学振の給料で18%の保険料だと月額700ユーロ以上です。さらに所得税を払えばなかなかの金額で生活が綱渡りになりそう。。。

https://www.gesetze-im-internet.de/estg/__3.html

https://datenbank.nwb.de/Dokument/Anzeigen/692448/

それならまあ、フンボルト時代と同じく、DAADがやってる私的保険(Private Krankenversicherung)に仕方なく戻すかとやんわり思っていました。家族四人だと似たような金額です。ところが、まずDAADの人から、お前正気かってな感じで止められ、ラボのグループランチでさりげなく話題に振ってみても、マジでよく考えろよとドイツ人たちから言われました。最初から私的保険に加入するのはいいのですが、いったん加入した公的保険をやめて私的保険にいくのはどうやら人生の一大決断が必要なことのようです。問題は将来公的保険に戻れるかどうか。条件は下記のページに書いてありますが、例えば運よくグループリーダーになっちゃって額面の給料が5212,50ユーロ超えちゃうと公的保険には戻れませんし、失職して無職になっても(フリーランサーや、月額の給与が450ユーロ以下)今度は公的保険への自由意志加入はできません。私的保険は単身で若いうちは安くてよいけど、将来的に長くドイツに長く住むと損するイメージがあるようです。ということで、私的保険を採用するということは、将来ドイツで老後まで暮らすことはないことを選択するような重い選択のようです。

Ich bin privat versichert. Kann ich mich als Beschäftigter wieder gesetzlich versichern? | Die Techniker

公的保険と所得税払うと大変なんだよというと、見かねた教授が、ちょっと資金援助しようかと優しく声をかけてくれました。が、結局は給与にしないといけないので、今度は学振の副業禁止規定が関門となって、それも難しい。。。

まあ、何とかしのいで生活していますが、日本から奨学金を持ってくるような人は例外で、ドイツの社会保障のシステム設計の対象にはあまりなっていないようです。

 

 

ハイデルベルクでのCOVID-19(2)

・4月上旬 子供靴 
 お店が開かない代わりに通販生活です。靴屋はしまってますが、子供の足のサイズは順調に成長。。。甲が高いので、以前靴屋に行った時もはまる靴がなくて大変でした。MyToys.deで、Asicsの子供靴が珍しく売ってるので注文しましたが、数日後にいきなり注文キャンセルされて、売り切れになってました。。。在庫管理のミスですな。こちらがキャンセルしたていになっていたので、送料分を取り戻すのにメールしないといけませんでした、やれやれ。アシックス本家のサイトは、子供靴(幼児靴?)は取り扱ってないようです。
 次に目を付けたのが、靴屋で唯一見つけた合う靴、Froddoというクロアチア発のブランドの靴です。おしゃれで、革製でやや高めですが(50-60EUR以上)、足が高めの子でも合うようにできてました。

Home - Froddo

Zalandoという大手ファッションサイトで購入しましたが、zalando PLUSというアマゾンプライムみたいな会員サービスができていて(年会費15ユーロ)、会員でない人は注文後1-2週間後の配達。いやー、そういう囲い込みはなあ。。。結局届いたのは8日でした。

ZALANDO | High Street to High End Fashion Online

 

黙って待ってるつもりでしたが、その間に子供は靴擦れになって、長靴を履くと言い出す始末。Lidlで購入している肌着もなんだかオンラインではどの柄でも同じサイズ売り切れになっていて(コロナのせい?)、試してみるかとZARAで購入してみることに。

ZARA Official Website

このWebサイト、PCから見ても、スマホから見ても、タブレットから見ても使いづらい。。。BODYSと検索して、ようやく子供の肌着が出てきます。知るかよ。。。デザイン的にかなり悪いお手本で、ある意味勉強になります。5枚で18EURとLidlの2倍ですが、まあまだ許容範囲。こちらも50ユーロ以上だと送料無料ですが届くまで1週間以上。靴擦れも起きてるし、仕方なく、5.95ユーロの送料を払って急がせました。いやあ、日本の宅配サービスってすごすぎます。ドイツならもっとお金取れます。

結局ZalandoもZARAもほぼ同時着。試し履きさせてみると、断然Froddo。やっぱり靴は靴屋でしたか。ZARAでは3つ買って、1つぐらい合うのがあるだろうと思ったのですが、見た目がおしゃれなだけで、靴としてはどれもいまいちでした。残念ながら箱に詰めて返送です。日本のようにラベルを書く必要はなく、ZARAのサイトでQRコードを作成して、DHLの小包を出すところで見せれば(携帯の画面でも可)、あとは向こうでやってくれるようです。後日返品を受け取った旨の連絡が届きました。

 

・4月中旬

レストランはテイクアウトのみ許可されています。Burger King (Speyerer Str. 10)は時間をかなり短縮して営業(14:00までとか)。他には、McDonald's (Rohrbachのドライブスルー)や、Taj Mahalのインドカレー屋さんも利用しました。キャンパス内に開店した中華料理屋さんもいきなりテイクアウト・配達のみとなりましたが、オンライン注文サイトも開設してなんとかやりくりししているようです。

https://www.jiumei.de/

ちょっと休んでいたお店も4月になり徐々に再開。Neuenheimのアイス屋さんAmamiも4月15日に配達を開始。Wieblingenの中華料理店Yangdaもオンライン注文・配達の準備を整えて再開しました。この辺りのフットワークの軽さはさすがです。

Yangda Chinese Restaurant – Yangda Heidelberg


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 ・4月某日 幼稚園の先生からお手紙が届き、イースターの飾りとかを作って、再開後にみんなで飾りましょう!とのこと。
・4月9日 研究科長より全構成員にメール。4月20日からの再開を目指して、ルールについてはPIらが協議中とのこと。
・4月10-12日 イースター休暇だけど、まあ、何もなし。。。
・4月11日 BW州で、国外からの入国者は一律14日間は自宅隔離するようにとの州令が施行。
・4月14日 5月の日本行きのフライトも無料キャンセルの対象になったので、オンライン上でキャンセル。この購入で貯めたクレジットカードのポイントをもう使ってしまったんだが、どうお返しすればいいのやら。。とりあえずはすべて差し引かれてポイント残高0になりました。
・4月15日 メルケル首相、連邦政府、各州が対策についての新たな合意。接触制限は5月3日まで延長する一方で、制限緩和についても方針が。800平米以下の店舗の再開や、学校は試験が迫ってる学年を優先的に5月3日からなどなど。
・4月16日 研究科長より20日からの再開のルール伝達。1.5m離れて、小部屋は同時に入っていいのは一人まで。マスク着用義務で、できる仕事は家でやることにして、あとの細かいルールは各PIの判断ということになりました。うちのフロアはGoogleカレンダーで各部屋を予約することになり、各ポジションごとにカレンダーを作ったので20弱ものGoogleカレンダーに登録することになりました。。。みづらい。だれかそういうアプリを開発してほしい。。。
・4月20日 ラボ再開・・・ラボには維持要員として行っていたので、特に変わったことはなし。どっと人が沸くというよりは、どのフロアもガランガランでみんな様子見みたいです。
・4月21日 図書館、自動車ディーラーなどが再開だけど、そこっ!?
4月27日より買い物、公共交通機関利用中などではマスク着用が義務に。スカーフでも何でもよいから、口と鼻を隠してとのこと。子供は6歳以上から着用義務。でもまあ、スーパーマーケットの中に子供を入れるのは、できれば控えますわな。15〜30ユーロの罰金が取られるらしい。でもミュンヘンの方のバイエルン州は150ユーロの罰金が取られるらしい。。。
・4月22日 研究科長が頼んだマスクが届くがまだ一人1枚。24日、28日、5月12日に計一人あたり一人当たり6枚支給されました。布マスクもありましたが、手作りっぽい感じ。。。
・4月24日 日本語補習校も初のオンライン授業。子供は大人(僕)みたくオンラインミーティングに参加できて喜んでいる。
・4月30日 メルケル首相、連邦政府、各州が対策についての新たな合意。制限緩和が焦点。そういえば日本はこういう会議ないなあ。。。対立して合意する方が、より多くの人が納得して行動に移せる気がする。店舗は衛生ルールに従っていれば、基本的に再開を許可。5月8日から動物園、植物園、公園!がついに解禁。これは待ち遠しかった。
 
・5月
解禁後に公園におそるおそる足を運びますが、立ち入り禁止のテープがはがされてるだけで、いったいどうしたらいいんだか状態。数日後にようやく人数制限や身体接触の禁止などが書かれたプラカードが掲げられました。州政府の方から次から次に指令が飛んでくるものの、実際にやる方の自治体は対応に追われる感じのようです。最初の数日は人がまばらでしたが、しばらくして暖かくなって定員近くなり、遊びに来たけどあきらめて帰る親御さんの姿もちらほら見られました。
動物園は再開ですが、入場は事前予約制。結構埋まってる。平日でもかなりの人出でした。
Luisenparkも再開ですが、年パス(Jahreskarte)所持者のみの入場。家族の中で僕だけ買ってなかったので、仕方なく購入です。。。
 
・5月6日 メルケル首相、連邦政府、各州が対策についての新たな合意。接触制限が緩和され、他の1家族との外出が可能に。ちょっと危険な施設などの再開方針ですが、祭りや移動遊園地、プールなどは再開未定。感染者が増えたら、再び元に戻すことも決定。5月18日から、幼稚園などは定員を半分にして再開する方針が決まるも、15日に幼稚園からメールが来て、実はそのあと何も政府から通達がこなくてどうするか決まってないので、来週の再開は無理との通知。。。

生活雑話(12)

・歯医者

大学の食堂でご飯を食べているとじゃりじゃり。。。なんか入ってんのかなと思いきや、自分の歯が欠けてました…。慌てて電話したのがこちら、

Zahnarztpraxis am Römerkreis
https://dr-ebensberger.de/en/home/

腕前はともかく、すぐに予約をとれるのがいいところ。英語も問題なく通じます。こっちの英語の語彙が追い付かないですが。

翌日の予約が取れて、ちゃりで訪問。公的保険なので、健康保険カードも忘れずに持っていきます。Steuer先生が担当してくれました。取れたところは何か治療したところですかと聞かれ、「いやー、たぶん違うと思うんですけど」と、一応持って行った欠けたところを見せてみました。「これは自然の歯ですねー。どれだけ傷が深いのか見てみないとわからないですねー」というのでとレントゲンをとりました。X線を発見したRöntgen博士はドイツの物理学者で、第1回ノーベル賞を受賞です。

まずレントゲン写真一目見て、あなたまだ親知らず(Weisheitszahn)抜いてないの!と少し驚かれ、ここは少し虫歯になってるようだけで治療できないし、1本は横になっているからほかの歯を圧迫するし、とくどくどと勧められました。ドイツでは大学生ぐらいで抜いてしまうのが一般的のようです。

親知らずの抜歯について - ドイツ生活情報満載!ドイツニュースダイジェスト

そのおすすめはなんとかやり過ごし、傷のところは幸い詰め物でなんとかなりそうでしたが、詰め物の色が次の問題。公的保険だと、合金(Amalgamfüllungen、いわゆる銀歯)は無料ですが、見た目がちょっと。。。お勧めに従って白いものにすることにしました。

とりあえず麻酔なしで行けるところまで行ってみましょうということになり、口の中になにやら緑色のゴムのシートがねじ込まれました。初体験でしたが、ラバーダム(Kofferdam)というもののようで、ここまでは保険適用内のようです。へー。はめるときに歯の隙間を少し開けるので、ちょっと痛かったです。

根管治療成功のキーポイント | 根管治療・歯周病治療専門歯科医院 | 千葉県の検見川浜

数十分で麻酔なしで治療は終え、その日のうちに治療が終わったのは良かったです。追加料金は約100ユーロでした。支払う意思がありますよという同意書に署名し、後日同額の請求書が届きました。

請求書を見ると、

Besondere Maßnahmen beim Füllen Bergründung: starke Papillenblutung Faktor 3,5 12,80 EUR

Dreiflächige Kompositfüllung Begründung: ausladende Kavität Faktor 3,5 126,38 EUR

Maßnahmen zur Erhaltung der vitalen Pulpa Begründung: vorsichtiges Exkavieren zur Vermeidung des Vitaltätsverlustes Faktor 2,5 15,47

Folgende Fiktivleistungen werden von Ihrer Kasse erstattet: Füllung dreiflächig, fiktiv (./. Kunststoff) -53,92 EUR

と、訳してもよくわからないですね。。。まあ、少し欠けたぐらいの傷で、塗って治るようなものを、白いプラスチックでやると100ユーロぐらいということです。レントゲン検査などは保険の範疇なんですね。

歯のクリーニングもドイツに来てから行ってなかったのですが、強くお勧めされてました。。。はい、すみません。。。ドイツも日本も歯医者にいくとなんか先生に怒られる感じがしますよね。

 

・研究室でクリスマスパーティ

今年は自前でご飯を作ろうということになって、みんなが一品ずつ持ち寄りました。うちからはお手軽にパックの鶏ごぼうご飯を、炊飯器ごと持って行ってその場で炊きました。まあまあ好評。

季節がら、ホットワインも自作でしたが、赤ワインに砂糖とオレンジとオレンジジュースを入れて煮詰めるだけで結構簡単。そしてびっくりするような量の砂糖にちょっと愕然。。。

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スパイスはこんな感じでティーバックになっているものを大量に鍋の縁にかけてました。すげー適当に作ってましたが、味は案外それっぽいものになりました。甘さが少し足りないと感じるのは、途中でビビッて砂糖の量を減らしたからですね、、、。

パーティが始まる前にはテーブルの上に殻付きの生のクルミがばらまかれました。連れてった息子が食べたいといって、いつものように地面の上において足で踏んづけようとしますが、さすがにお行儀が悪いので制止してくるみ割り機を探します。でも見当たらない。。。仕方なく同僚にこれどうすんのと聞くと、「そんなこともしらないの!?」という感じでおもむろにクルミ二つを片手に取り、手で強く握るとあら不思議、簡単に割れたじゃありませんか。すごいすごい。常識だったんですね。。。

ところで、このパーティは2研究室の合同で行われたもので、相手の研究室の教授はそろそろ退官で、うちのボスがその跡を継ぎます。ドイツでもテニュアの教授職のポスト数はなんでも州ごとの法律で決まっているらしく、潜り込むのはたやすいことではありません。ということで、後継者お披露目的な政治的・社交的な意味合いも強く、ボスからは場を楽しませるようにとプレッシャーがかかっていました。やれクリスマスのクイズをしたり、イラストクイズをしたり、音楽を奏でたりといろいろ準備が大変。まあ、どの国もいろいろあるよね。。。

 

・魚の目(鶏眼)

歩けば足の裏が痛い。最初はプールの芝生でとげでも刺さったのかなと思いましたが、一向に治らず、調べると魚の目ができたようです。ドイツ語はHühneraugenと鶏の目の方のようです。世の中こんな病気があったのか…知らなかったぜ。しかし、侮ってはいけませんで、本当に歩けないほど痛いです。

鶏眼 - Wikipedia

なるほど!魚の目・たこ|スピール™シリーズ|ニチバン

一応専門のところがあり、Podologie とか、med.Fußpflegeとかと呼ばれるところで、お隣Wieblingenにもあったりします。

Monika Weisbrod

でもまあ、とりあえずは自分でやってみようということで、近くのドラッグストアで魚の目専用の絆創膏(Hühneraugen-Pflaster)を購入して貼ってみました。

 (一応広告です)

サリチル酸が入っているというので、一晩経つと確かに皮膚が柔らかくなり、手でとれる皮膚をとって、良くなったかのように思えましたが、完治ではなかったようで、しばらく経つとまた歩けば痛い状態に戻ってしまいました。

やはり芯を取らないといけなかったようで、もう一度絆創膏をはり、皮膚を柔らかくして、今度は刃物で少し血がにじむぐらいまで少しずつ皮膚を削りました。使ったのは、たまたま家にあったキッチンのコンロのガラス板を削る道具(Kochfeldschaber)の替刃。魚の目用のナイフなどもっと良い道具がよさそうではありましたが、、、

 かれこれ一時間ほど苦労して、これ以上はできないかなというところまで削ってみると、今度は芯も取れたようで、無事完治です。芯が取れたのかとれてないのか、なんだかよくわからないのが難しいところですね。ずっと足の裏をいじってると、痛いのか痛くないのかのもだんだんわからなくなってくるし。。。普通に歩けるって本当に幸せ!

淘宝 Taobao (タオバオ)で日本へ発送しようとしたが、禁輸になって返品

このブログの趣旨には誰トク?的なエントリーですが、、、忘備録として。

 

1.マスクを発注。

https://world.taobao.com/

淘宝はアリババグループのオンラインショッピングサイトです。輸入代行業者に別途依頼しなくても、4PX递四方速递などの輸送会社と連携しており、比較的簡単に日本へ発送できます。新型コロナウイルスの影響で日本はマスクなどの品薄がまだ続いていますが、中国では武漢の封鎖も解かれ、マスクもだいぶ流通し始めたようなので、日本の実家へ送ってあげようと思いました。

手頃なマスク(口罩)を選んで購入し、発送先住所を日本へ発送するようにすれば、良いだけです。支払いは一般的なクレジットカードでOK。50枚入りの使い捨てマスクが1箱99元(約1500円)なので、この時点では日本の通販サイトよりはかなりお買い得の予定でした。

 

2.発送エラー

販売元から、日本へ送る輸送会社である4PXへ陸路で輸送です。日曜日夜に発注、月曜日に準備完了、火曜日に発送で、水曜日に上海にある4PXの倉庫に到着、木曜日に4PXからも荷物を受け取ったというステータスに代わりました。4PXは集运の会社で、いくつかの荷物をまとめてから日本へ送ってくれますが、この時はマスクだけでしたので、跨境物流管理(国際物流管理)というところからチェックアウトします。日本への送料は72元(約1100円)でした。

ところが翌日になって、出庫エラーに。マスクなどの医療品・防護品は日本への輸出禁止になっていて、送ることができないようです…計画破綻。

 

3.日本発送をキャンセル

禁輸じゃどうしようもないので、返品の手続きを取り始めます。まずは、4PXの日本発送をキャンセル。理由を選ぶところのトップが禁輸商品を含んでいたになっていたので、よくあることなんですね…数時間後に許可されて、まず国際送料の72元が戻ってきました。

 

4.販売元への返品・返金を依頼

次に、販売元へ返品・返金の同意を依頼します(退货退款)。今回購入したところは7日間以内の返品は無条件で受け付けてくれるところでしたが、一応日本へ送れなかった旨も伝えておきます。一日後に返品・返金が承認されて、返送先の住所が示されました。通常だと、上门取件服务という集配サービスがおすすめのようですが、4PXの倉庫に取りに行かせてもトラブリそうなので、集配はやめました。

 

5.販売元へ返送

次に、4PXの業者に、上海の倉庫から、販売元への返送依頼します。退回卖家。返送料として12元かかりました。

 

6.販売元が返金

発送済みになるのを待ってから、販売元の返品ページに行き、トラッキングナンバーと配送業者を知らせるように言われますが、この番号は不明…適当に入れましたが、何とかなりました。

2日後に商品が販売元に到着し、99元が返金されました。

 

結局販売元に4PXの上海の倉庫までの送料を負担させてしまうことになり…申し訳ない。送料分ぐらい引いて払い戻してくれてもよかったんですが…。8日間でキャンセル手続きの完了までできました。Taobaoのシステムすごい。。。どの業者(販売も輸送も)も評価されるので、迅速に対応していただけました。チャットの問い合わせにも応じており、多少中国語がわかるとすこぶる便利です。

ハイデルベルクでのCOVID-19(1)

記録用。毎日毎日新しいことが多すぎて、忘れちゃいそうなので。。。

 

・1月27日 ドイツ国内で初めての感染者を確認

・1月28日 ラボの台湾人学生が台湾から帰ってくる。風邪様の症状があるっていうので、ボスが心配して検査を受けさせる。結果は陰性。このころはまだ笑い話にする余裕があった。

・2月上旬 グループランチで新型コロナウイルスが話題に上るも、ヨーロッパの人は基本的にインフルエンザに毛が生えた程度でしょ?との認識。スキーシーズン真っ盛り。

・2月22日 イタリアで累計感染者数100人突破

・2月27日 ドイツ感染者数が21人に。ドイツのシュパーン保健相は「流行の始まり」と認識

・2月28日 ハイデルベルク大学病院に初めての感染者が運ばれる。チロル地方でスキーしてきたらしい。

・3月1日 イタリアで累計感染者数1000人突破

・3月4日 イタリアで全校休校の通知

・3月8日 ドイツで累計国内感染者1000人突破

・3月12日 ボスは在宅勤務を許容し、閉鎖に備えるけれども、実験・セミナーは通常通りにやろうぜと意欲を示す。

・3月13日 バーデン ヴュルテンベルク州は3月17日(火)以降の学校・幼稚園を休校にする旨を発表。一日月曜日の猶予を置くところに、まだ余裕を感じられる。100人以上の集会の禁止。

・3月13日 ハイデルベルク市での感染者が10人を突破。おむつやトイレットペーパーが一時的に品薄に。

・3月15日 哲学の道に散歩に出かけると、結構な人混み。。。アイス屋は長蛇の列。

・3月16日 通常通りのラボセミナー。ボスはラボのドアはいつでも開けてるからできる範囲で通常の研究業務を続けよう的なことを言うが。。。

・3月16日 ハイデルベルク市で17日から公園・映画館などの公共施設を閉鎖する旨を発表。レストランなどは机の間隔をあけて営業。テラス席はまだ人がわんさか。

・3月17日 ドイツで累計国内感染者10000人突破。

・3月18日 翌日19日からスーパーマーケットや薬局など、生活維持に必要な店舗以外の閉鎖を発表。アイス屋、カフェも閉鎖。。。

・3月18日 メルケル首相のテレビ演説

・3月19日 ボスがさっそく在宅勤務に。。。二日前の勢いはどうした!メルケル効果絶大で、街がひっそりと。

・3月20日 ハイデルベルクで累計国内感染者100人突破

・3月20日 ハイデルベルクで大型ごみ回収の中止を発表。粗大ごみ回収してもらう予約してたのに。。

・3月21日 3人以上が公共の場で集うことを禁止。レストランは持ち帰り営業のみに。

・3月23日 ハイデルベルク大学の所属する研究所が原則閉鎖。最低限レベルの維持のみに。トラム・バスが間引き運航。

・3月23日 家族・パートナー・同居人以外の3人以上がいずれの場所でも集うことを禁止。出勤や買い物など必要な時以外の原則外出禁止。

・3月23日 初めてのオンラインラボセミナー。ハイデルベルク大学はWebExのサーバーを準備。ZOOMについては、ボスが情報が抜き取られるかもしれないと懸念。。。ヨーロッパの人はプライバシーに厳しい。

・3月30日 維持要員に指定されているのでラボに行くと、ハイデルベルク大学学長から、立ち入り禁止中でも入ってよいという証明書が届いていた。有効期限は6ヶ月って書いてあるんだが、、、本当に6ヶ月続いたりして。。。

・3月30日 ラボの使わない機器、PCの電源プラグが抜かれる。ヨーロッパ人は待機電力にも厳しい。

・3月30日 Stadtwerke Heidelberg から、電気メーターを読みに行けないから、各自自分で読んで報告するようにとのお達し。

・4月8日 ドイツで累計国内感染者100000人突破。

 

これからどうなることやら。。。生活必需品などはとりあえず足りていて、子供とずっと家にいるので、毎日が日曜日のようです。

ことが事なので、施行前日の発表もざらですが、各業界は特に混乱もなく、淡々粛々で従っている感じです。パン屋のカウンターの前には椅子がならんで近づいて注文しないようになっていたり、スーパーのレジもアクリル板の囲いができて、店員とお客さんが接触しないようになっていたりと、一つずつ対策が進んでいます。

 

ハイデルベルク市公式情報

https://www.heidelberg.de/hd/coronavirus_+die+lage+in+heidelberg.html

 

在ミュンヘン総領事館情報

https://www.muenchen.de.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

 

在ミュンヘンのフリージャーナリスト 熊谷徹さんのTwitter

https://twitter.com/torukumagai

 

誕生日パーティ(Geburtstagsparty)

子供の誕生日パーティ(Geburtstagsparty)

小さい頃は自宅に数人招待してお誕生日会をやればよかったのですが、子供が大きくなってくる人の輪もいろいろできるので、どこも誕生日会を開くのが大変なよう。親族でやり、幼稚園のメンツでやり、近所でやり。。。我が家も結局3回やる羽目になってしまいました。

・まず簡単なのは幼稚園。誕生日の日の朝になにかスイーツでも持っていき、クラスの全員の朝食時に配ってもらいます。あとは鉛筆とかなにか小さなプレゼントを用意して、帰宅時に持って帰ってもらう感じです。王冠(Geburtstagskrone)を頭にのせて本人も鼻高々な一日です。

 

・それだけだとパーティした感じにならないので、幼稚園のクラスの中でも同じ年齢ぐらいの子供を誘って別のところでパーティ。息子はディナとマリアという年上の女の子を気に入っていて、いつも幼稚園で抱きついては怒られています。よそのドイツ人のお子さんを招くとなると、自前では難しいので、ここはお金で解決。ハイデルベルクに最近できたトランポリンパークにご招待ということにしました。マリアには断られましたが、ディナは来てくれることになったので、息子は大喜びです。しかし一緒に跳ぶだけじゃ口説く時間もないと思うんだが。。。

Sprungbude Heidelberg

パーティセットというのがあって、90分間のトランポリン+120分間の席料+水とリンゴジュースなのですが、おひとり25ユーロです。この手のものにしては強気の値段設定で、しかも先払い。招待状を出して人数を確認はしますが、あとでキャンセルになったらどうしようとヒヤヒヤです(キャンセルポリシーはありますが)。8歳以下の子供3人につき、1人は大人が見てろというので、それも誰かに頼まないといけません(今の規定だと3人とははっきり書いてないけど)。もちろんその大人も有料。。。いい商売の様で、いつも人でごった返しています。

誕生日ケーキと、お土産に持って帰らせる小さいプレゼント(大概お菓子か何か)を用意して、いざパーティ開始。親御さんが続々と子供を連れて来て、皆さん早く子供を置いてって自由になりたいのですが、全員承諾書みたいなのを機械で入力しないといけないらしく、これが結構面倒。承諾書の提出が終わってから、やっとこさスタートなのですが、その際参加者全員のフルネームがいるので、あれあの子苗字何だっけと手間取りました。あとで聞けば事前にオンラインでも提出可能だったらしく、なんだあそれなら事前にメールで連絡しとけばよかったな。。。

 Einverständniserklärung

靴下のサイズも聞かれ、靴のサイズをまじめに聞いてたら、実はSMLのおおざっぱな区切り方だったりと、いろいろ勝手がわかりません。

時間になったら子供たちはゼッケンを胸に着けて、まず最初に準備運動も兼ねた説明ルームへ。その後90分間子供たちは元気に飛び続けました。。。親は危ない遊び方していないか見張るだけでよいので楽です。ちょっとやってみましたが、大人は特にタイミングを合わせて飛ばないと膝をやられますね。結構難しい。何回かずっこけました。

90分間のジャンプタイムが終わって、最後の30分は一応テーブルについてお祝いの時間なのですが、ガキんちょどもがふざけてコップ投げて暴れまわっとる。。。ドイツ語でぴしゃっと叱りつけられればよいのですが、そうもいかずいろいろとヤキモキしますね。皆さんからいただいたプレゼントを開けたり、ケーキを食べたりしているうちになんとかお迎えの時間が来ました。最後の15分ぐらいは、早く時間過ぎないかなと時計を見まくりで。。。気疲れしました。

最後に靴下をプレゼントにもらって、行事終了です。まあ、普段は他のお子さんの誕生日会に行かせてもらってるので、お返しの意味も込めて、やらないわけにはいかない感じです。

Sprungbude以外にも、Mannheimの Ole!Ole!や

🌈 Spielplatz Mannheim - Ole!Ole! Kinderspielplanet - Hallenspielplatz & Indoorspielplatz

EppelheimにあるHappy Kids

Happy Kids Eppelheim - Indoorspielplatz

で開かれた誕生会に行ったことがあり、幼稚園児には十分楽しめます。もっと大きくなったら、レーザー銃で遊んでパーティやるらしいですが、、、こういうの日本だとどうなんでしょうね。ゲーセンで2時間誕生日パーティはさすがにひかれそうですが。

Lasertag One Mannheim – Die größte und abwechslungsreichste Arena der Region

プレイランド以外にも動物園でも誕生日パーティセットがあり、これにも息子は行って、えらく喜んで帰ってきました。係員さんがいろいろ教えてくれるようです。

Aktuelle Infos der Zooschule Heidelberg | Zooschule Heidelberg

 

・最後は日本人の友達を集めて、近所の公園でパーティ。テーブルや椅子が置いてあるところがあるので、そこを朝から陣取って飾り付けしました。日本人同士だと、子供を預けてフリーダムというよりは、親同士もいろいろしゃべりたいので、ご飯・おかずはたっぷり用意して、結局1時-6時ぐらいの長いパーティになりました。子供たちは公園の中で走り回って遊んでるだけですが、実に楽しそうでした。

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振り返ってみると、一か月ぐらいずっと誕生日のことしか考えてなかった気がします…。でもまあ、どんなプレゼントよりも友達と一緒に遊んでるのが一番楽しい感じなので、頑張りがいはありますが、、、来年はもう少し規模を抑えてかなあ。。。

研究雑話(12)

・新ポスドク参上

デンマークで学位を取ったスイス人がラボに加入しました。ドイツ語圏のスイス出身ということでドイツ語もペラペラです。学生実習にもさっそく参加してもらい、負担が半減。。。ふぅ、これでやっと一人ポスドク時代がやっと終わりました。顕微鏡のデモとか、ビールアワーとか、いろいろな企画にも積極的でなにより。おかげさまで自分の研究に割り当てられる時間が増えました。

n = 1なので、スイス人の特質かどうかなんとも言えないのですが、なんでもきちっとしたい性格の様で、まだ実験が始まってない頃は、ピペットマンの補正とか、培養環境の条件測定とかもくもくとやってました。

いつぞやのグループランチの時に、今のドイツの一番関心がある政治的なトピックは何と聞いたら、ドイツ語圏のみなさんが環境問題かなと口をそろえていました。日本じゃ環境問題が政治の話題のトップになったことないですよね。。。研究環境ももっとエコにしないとねということで、-80℃のディープフリーザーを-70℃にしよう運動も起きています。

環境に配慮ということで、培養室の棚の使ってないところの電気は、各々消していたのですが、新ポスドクさんは隣の棚の電気が消えると、俺のところが暗くなって条件が均一でないと抗議。ラボミーティングでこれからは使用中であるかどうかにかかわらず全部の棚の電気をつけっぱなしにすることが提案され、正論を振りかざされるとまあ、そりゃそうしようねとあいなりました。

それにもかかわらず、しばらくして、新ポスドクさんのとなりの棚の電気がまた消されて彼は腹に据えかねる様子。この培養室は他のラボとも共用なので、使用者全員相手にメールを送り、実験条件が整わないから電気を消さないでくれと抗議。。。すると上のラボのポスドクが使ってないとみて、電気代節約のため消していたと名乗り上げて、こちらも筋金入りの環境保護派なので、勝手に消してすまなかったと謝ったうえで、使わない棚の電気を消すことでいかにエネルギーを節約できるかを力説。。。でもまあ、もちろん今後は勝手には消さないよと決着です。

おかげで、がらんとほとんど使われてない棚も全段照明ピカピカ。。。いやまあ、いいんだけどさ。でも君の実験ってまだほとんど始まってないし、影響が出るかどうかもわからないのにそこまで暴れなくたって。。。しばらくして実験を始めましたが、今度は棚の手前と奥では乾燥度合いが違うと言い始め、俺の実験はここじゃなく、環境が完璧に調整できるインキュベータでやりたいのだそうで、結局棚の電気は全部つけっぱなしにするルールだけが残りました。

 

・新ポスドク参上2

彼に与えられたプロジェクトは、途中でやめた中国人ポスドクの続き。2年間の苦労の末、ようやくストーリーの大筋は固まって、僕の目からみるとサクっと論文にしても良いような感じでしたが、ボス的にはもう少しほってから論文にしたい様子。最初の実験はまず再現からということで、重要どころの再現を試みますが、どうやら方法が気に入らないらしい。より大規模で、公正なデータがとりたいようで、前任者の方法を一蹴。。。しょっぱなからダブルブラインドで、大規模なデータを取り始め、観察方法も変えて、統計の結果は有意差なし。そして、再現性が取れないから、俺は他のプロジェクトをやると、プログレスセミナーで主張。ボスも簡単には引き下がりたくない様子ですが、やりたくない人に何かをやらせるすべもないので、結局はあきらめた様子です。現在はEMBOフェローシップに応募するというので、PCの前にこもって何やらプランを練っている様子。

いやー、でも君の給料って、このプロジェクトの研究費から出てるよね、、、もうちょっと何回か試したっていいんじゃないかしら。まあ、プロジェクトしばりといったって、厳密にやり過ぎてたら、次の研究の芽が出ないから、どこもある程度は融通は利くけれども。というか、ほかの分野に飛び込んできたのに前任者の否定から入るってその自信はどこから来るよ。。。俺はお前らと違って、実験環境のささいな違いにも、統計の取り方にもちゃんと気を配るんだぜと、暗にこっちが馬鹿にされてるような気もしますが、いったい科学で正しいことをやりに来たのか、それとも何かを見つけに来たのか、ようわからんです。まあ、今度は自分発案の研究テーマとなるわけだから、こう簡単にはあきらめないでしょう。

 

・バイトを雇う

ハイデルベルクに来て2報目の論文を投稿準備。今回も前回と同じく、すんなりとはいきません。

ボス発案の10年来のテーマで、僕がかかわるポスドクとしてもはや3人目の難産の子です。データがやっと整って、インパクトファクターを追求するならここからもう一仕事(1年ぐらい?)なのですが、いい加減流行おくれになるので、あきらめてデータ論文として投稿することになりました。ボス的にはまだいろいろ気に入らないところがあるらしく、こういう確認実験がいるんじゃないの提案。いやまー、あるにこしたことはないけど、そこまで手を広げると僕のプロジェクトに手が回らないですというと、じゃあ、学生のバイトを雇えばいいじゃない、ちょうどいまメール受け取ったんだよとの思し召し。。。ああ、断るのに失敗したかあ。

Wissenschaftliche Hilfskraft (HiWi)という制度で、ようは学生バイトです。修士課程のスウェーデン人学生が来てくれました。さすが北欧だけあって、女子だけど身長が高い。そして、去り際にウインクしてくるんだけど、どう反応していいかわからない。。。

ドイツの制度ではミニジョブというのがあり、月額の給与が450ユーロ以下なら、社会保険などの手続きも簡易のようです。これで月40時間の労働時間で、6か月の契約です。彼女は実に優秀で、手際よくいろいろやってくれました。プライマーのデザイン、クローニング、形質転換、顕微鏡観察まで一通りこなし、論文のFigure1個分のデータを取り、投稿中の論文の著者にもなりました。

学生実習とか、単発的な作業を技官さんにお願いすることはありましたが、こういう風に人を使うのは初めてで、いろいろ勉強になりました。指示ミスから無駄骨を折らせることもしばしばで、申し訳ない限り。。。バイトとはいえ修士課程の学生なので、教育的配慮からプロジェクトに関わる仕事をは願いして、単なる作業をやらせるのは極力避けました。だれかから言われたわけではないですが、、、そのおかげかどうかはわからないですが、最後までモチベーションが下がらず、責任感をもって完遂してくれたように思えます。空いた時間は自分のプロジェクトに集中したり、論文の原稿を書くのに当てることができました。前の論文のデータは全部自分で取ったので、なるほど、これが研究者としての次のステージということですか。自分が経験してきたところの範疇なので、細かいところはいろいろと気になりますが、どこまで質を追求するかの匙加減が難しいところです。全部自分でやってたら何のためにバイトを雇ったかわからないし。。。完璧じゃないにしても形になったので、ひとまず満足です。