Wunderbarな日々

妻子連れ30代生物系ポスドクのドイツ滞在記です。

研究雑話(17)

次から次へとタスクが降ってきて、1月はついに初めてブログの更新を落としてしまいました。いやー、バリバリ仕事しながらSNSとかじゃんじゃんやってる人すごいですね。。。締め切りと締め切りの合間にやっと更新です。

とはいえ、仕事しかする話ない。。。コロナでどこもいけないとなると話のネタにも困ります。

 

・論文受理

追加実験のデータも出そろい、完璧じゃないにしろ、許容の範囲内。他のところはコロナ中にちまちまデータ・原稿をなおしていたので、すぐにまとめて再投稿。と思ったら、すでにアカデミアを離れたフランス人ポスドクが投稿を承認してくれない。。。スマホ持ってなくてSNSもやってない人だから、メール読んでくれないと連絡が取れない。ちょうど彼女のところを訪ねたことがあって、フランスでの携帯番号を何とか発掘し、SMSでメッセージを送ったら、すぐに承認してくれました。メールアドレスもそうですが、mixiもfacebookもLINEもいざというときは連絡取れないことがあるから、やっぱり電話番号・住所は聞いとくもんですね。

数週間でマイナーリビジョンのコメントがきて、2、3日で直してすんなりアクセプトとなりました。よかったよかった。あれこれポジション申請するのにも、なんだかんだいって論文ないと勝負になりませんので、これでなんとかたたき台には乗った感じでしょうか。

祝賀会はオンラインで30分ほどと、ちょっと味気ないですが、まあ仕方がない。どのタイミングでやるのかというのも難しく、ほぼアクセプトのマイナーリビジョン、あとは編集チェックするだけのアクセプト、アクセプトといろいろ形の連絡が来てました。2つ目で敢行しましたが。

個人的にはちょっと無理めのジャーナルに挑戦という感じでしたが、エディターが乗ってくれて、査読もデータのさらなる検証だけで、核心のところはOKという反応。うちのボスはジャーナル選びが堅実で、あまり無茶しません。最近だと大体2つ目か3つ目のところで論文を通しているようが、今回も最初に投稿したジャーナルに受理されました。共同研究先じゃ、とりあえずどんな論文でも片っ端から姉妹紙に挑戦というところもありますからね。。。祝賀会でボスに投稿当時の心境を聞いてみたところ、無茶なことは主張してないから査読に回ればたぶん行けるだろうし、エディター(知人)の感じからすると5分以上は勝算があったとのこと。そうですか、僕はちょっと悲観的過ぎましたか。

 

いろいろ頑張っているジャーナルで、受理後も結構業務がごっそりありました。

 

・レビュアーレポート

初めてレビュアーレポートが公開されることに。いやぁ、レスポンスレター書いてるときは出版されるつもりじゃなかったから、大丈夫かなといろいろドキドキです。ジャーナル側で編集をしてくれて、メジャーコメントだけで、マイナーコメントは削除です。一応著者側にもチェックがまわってきて、特に問題ないよとすぐに返しました。特に未公開データを出したわけでもないですし。

今回の論文では最終的にすべてのレビュアーが同意してくれたので、本文の理解をより助ける感じで、レポートが公開されても全然問題ないんですが、こうしてみると、なんで今まで公開してこなかったんだろうと不思議にもなります。初版はプレプリントに載ってるし、最終版までの過程がほぼオープンです。いまはこんな時代になったんですね。

レビュータイムラインもすべて公開されました。2月に初投稿、3月に再投稿を促すリジェクト、10月初旬に再投稿(新規投稿扱い)、10月下旬にマイナーリビジョン、11月上旬にリバイス投稿で即日受理。微修正を経て、11月中旬に最終受理でした。ジャーナルポリシーでは投稿されてから4か月で出版することを目指すため、リビジョンは2か月以内で、これまでの一般的なメジャーリビジョンコメントでも、基本は一旦はリジェクトのようです。てっきりこれはスピードが速いジャーナルに見せかけるための策かと思ってましたが、リジェクト時の日時も査読コメントも結局公開されているので、そうでもないらしい。それならまあ、フェアかなあ。リジェクトされている間はほかの雑誌にも気軽に投稿できますし。

 

・要約、筆頭著者紹介・・・

高校生か大学1年生にわかるように要約をよかったら書いてねー、とのお誘い。いうのは優しいものの、書くとなったら難しい。指示がいろいろあって、語彙は簡単なものを使いましょうということで、novelじゃなくて、new、simultaneouslyじゃなくて、at the same time。すべての文章は35単語以内だそうで、そういうの簡易な文章っていうんですね。四苦八苦して仕上げてボスのところに送りましたが、ほぼ全面改訂で原文の跡形もなくなった。。。ははは。ボス版の方がいいのはわかるので、まだまだ力が足りませんね。この要約はジャーナルのブログと、論文のPDF版に載るとのことです。

筆頭著者紹介もせっかくだからいろいろ自由に書かせてもらいました。ジャーナルのブログやTwitterで紹介してくれましたが、論文のページにリンク貼らないとさすがに誰も読まないと思うけどなあ。。。

 

・校正、校正・・・

ちょうどジャーナル側の出版会社の切り替わりにかぶってしまい、いろんな作業がのびのびに。速報版PDFの校正というのをもう済ませていたのですが、論文が公開されたのは12月に入ってから。切り替わる前は数日で公開だったので、思わず問い合わせてしまいました。宣伝だと思って、公開と同時にボスがTwitterで頑張ってましたが、そういう集計が始まったのはしばらく経ってからで、がんばりはそういうスコアには影響しなかったらしい。ドンマイ。まあ、やっぱり引用数が一番あてになりますね。時間はかかりますが。正式な出版は年越えが決定し、2021年のヘッダーをすべてのSupplemental Dataに入れるようにとの指示。さいですか。やってくれないんですか。。。エクセルファイルにヘッダーって、かっこいいような、ダサいような。。。

年が変わらないとdoiがリンクされないので、関係各所(データレポジトリ、bioRxiv、フンボルト財団等)への登録・連絡もできず、pubmedにも収録されず、、2月に入ってからようやくproof版のPDFが届き、さらに校正。そこそこ修正を入れたので、そろそろ最終版が世に出てほしいところです。

学会誌なので、それまではたぶん自前のサーバーで、自前のスタッフで出版作業をこなしていたのですが、出版社のタスクも多方面にわたってきていて、長い目で考えればこれではやっていけないということで、大手出版社に委託するようになったようです。しかし、大手出版社にとってみれば、ただの顧客の一人になってしまうので、そのあたりの愛情やスピード感はやっぱり違いますよね。。。難しいところです。

 

さて、これでドイツに来てからの論文に出そうなものは全部出しました。次の論文はどんなタイトルになるかまだ想像もつきません。ワクワクドキドキする一方で、ちゃんとまとまるんかいなと不安は尽きませんが、まあ、続けられる環境を与えてもらったので、また新しい航海に発ちたいと思います。